8 / 25
同期以上恋人未満
第1話
しおりを挟む
あったま……痛い……。
昨日は何か幸せな夢を見ていた気がしたが、襲いかかる頭痛に顔を歪めた。
ゆっくりと瞼を開けると、まだ暗いことが分かり、私はもう一度寝ようと、ふわふわしたシーツに包まれながら私は寝返りを打った。
ん?
なぜか何かにあたり、私はぼんやりする視界の中、その物?を確かめる。
「ちな?どうした?起きたのか?」
その聞き覚えのある声に、私は真っ青になり、背筋が冷たくなる。
噓でしょ……。
なんで?
どうして?
そんな事が頭をグルグルと回る。
「頭痛いのか?ちょっと待ってろ」
そう言って、ベッドから降りて出て行く涼真の後姿を見送る。
上半身裸の涼真を見て、私は慌てて自分のシーツの中の姿を確認する。
服は着ているものの、シャツだけの自分に呆然とする。
うそでしょ?
何?何かあった?
もう、長いことこういう事から離れすぎていて、自分の感覚では、何があったかなどわからない。
嘘でしょ?
グルグルと色々な事を考えていると、いつのまにか戻ってきていた、涼真の声にビクッと肩を揺らした。
「ほら、ちな。水」
特になにも変わった様子のない涼真に、私は何を聞いていいかわからず水を受け取る。
「ありがとう……」
とりあえず水を飲んで一息つこうと思うにも、この状況に慣れる訳もなく、私は一人動揺していた。
「あの涼真?」
「まだ頭痛いだろ?4時だしもう少し寝ようぜ。俺も眠い」
朝方に起こしてしまったという事だけは解り、私は「ごめん」と謝り質問を諦めた。
かといって、このまま眠れるわけもなく、自分の家でない事だけは確かだったので、静かにベッドを降りようとした。
すでに目を閉じていた涼真だったが、すぐに私は手をひかれベッドに引き戻される。
「ちな、何をしてる?まだ夜だって。寝ろよ」
そのまま私をベッドに寝かすと、子供を寝かしつけるように頭をポンポンとしたあと、涼真は寝息を立て始めた。
「ちょっと……なに?……」
帰ろうにも、手はしっかり涼真に握られていてどうしていいかわからない。
一生懸命昨日の事を思い出そうにも、断片的にしか思い出せないし、頭もいたい。
眠れるわけがないと、しばらく涼真の寝顔を拝むことにする。
眠っていてもきれいな顔だな……。
ぱっちり二重が閉じられていても、涼真がかっこいいのが解る。
よっぱらった同期をちょっと助けてくれただけ。
これは同期の友情。
自分に呪文のように言い聞かせる。
涼真が私を女としてみているわけがない。
そんな事を思っていると、お酒がまだ残っていたのか、私はそのまままた眠りについていたようだった。
昨日は何か幸せな夢を見ていた気がしたが、襲いかかる頭痛に顔を歪めた。
ゆっくりと瞼を開けると、まだ暗いことが分かり、私はもう一度寝ようと、ふわふわしたシーツに包まれながら私は寝返りを打った。
ん?
なぜか何かにあたり、私はぼんやりする視界の中、その物?を確かめる。
「ちな?どうした?起きたのか?」
その聞き覚えのある声に、私は真っ青になり、背筋が冷たくなる。
噓でしょ……。
なんで?
どうして?
そんな事が頭をグルグルと回る。
「頭痛いのか?ちょっと待ってろ」
そう言って、ベッドから降りて出て行く涼真の後姿を見送る。
上半身裸の涼真を見て、私は慌てて自分のシーツの中の姿を確認する。
服は着ているものの、シャツだけの自分に呆然とする。
うそでしょ?
何?何かあった?
もう、長いことこういう事から離れすぎていて、自分の感覚では、何があったかなどわからない。
嘘でしょ?
グルグルと色々な事を考えていると、いつのまにか戻ってきていた、涼真の声にビクッと肩を揺らした。
「ほら、ちな。水」
特になにも変わった様子のない涼真に、私は何を聞いていいかわからず水を受け取る。
「ありがとう……」
とりあえず水を飲んで一息つこうと思うにも、この状況に慣れる訳もなく、私は一人動揺していた。
「あの涼真?」
「まだ頭痛いだろ?4時だしもう少し寝ようぜ。俺も眠い」
朝方に起こしてしまったという事だけは解り、私は「ごめん」と謝り質問を諦めた。
かといって、このまま眠れるわけもなく、自分の家でない事だけは確かだったので、静かにベッドを降りようとした。
すでに目を閉じていた涼真だったが、すぐに私は手をひかれベッドに引き戻される。
「ちな、何をしてる?まだ夜だって。寝ろよ」
そのまま私をベッドに寝かすと、子供を寝かしつけるように頭をポンポンとしたあと、涼真は寝息を立て始めた。
「ちょっと……なに?……」
帰ろうにも、手はしっかり涼真に握られていてどうしていいかわからない。
一生懸命昨日の事を思い出そうにも、断片的にしか思い出せないし、頭もいたい。
眠れるわけがないと、しばらく涼真の寝顔を拝むことにする。
眠っていてもきれいな顔だな……。
ぱっちり二重が閉じられていても、涼真がかっこいいのが解る。
よっぱらった同期をちょっと助けてくれただけ。
これは同期の友情。
自分に呪文のように言い聞かせる。
涼真が私を女としてみているわけがない。
そんな事を思っていると、お酒がまだ残っていたのか、私はそのまままた眠りについていたようだった。
0
お気に入りに追加
329
あなたにおすすめの小説
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?
ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。
しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。
しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる