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契約の終わり 5
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到底その部屋にいることなどできず、友梨佳は麻耶に電話をした。
待ってるからおいでと言ってくれた麻耶の優しさに、友梨佳は泣きながらタクシーに乗り麻耶の家へと向かった。
「いらっしゃい。入って」
麻耶の家を目の前にして、そこが社長の家だったことを思い出して、友梨佳は入るのを躊躇した。
「大丈夫。誰もいないから」
「え……?」
「芳也さんなら、始さんの所に行ってもらった」
「え!?」
麻耶の言葉に、友梨佳は驚いて声を上げた。
「言わなかった?始さんの部屋このマンションだよ」
(そうだった。あの二人は同じマンションって……)
「そんな事より、入って」
麻耶の言葉に、友梨佳は頷くと広いリビングにちょこんと座った。
「それで?どうしたの?」
ゆっくりと言われた麻耶の言葉に、友梨佳の瞳からまた涙が零れ落ちた。
「始が……ずっと私が好きだって……言ってくれたの」
泣きじゃくる友梨佳に麻耶はゆっくりと頷いた。
「それで?」
「私は好きじゃないって……言ったら……これで終わりだって……」
「好きじゃないならいいじゃない。終わりで」
麻耶の言葉に、友梨佳は言葉を失った。
「終わりじゃ嫌なの?」
「嫌じゃ……ない。好きじゃない……」
そこまで言って、胸が締め付けられて友梨佳はまた涙をこぼした。
「ねえ、友梨佳。なんで恋愛しないんだっけ?」
そんな友梨佳に麻耶は微笑むと、
「……え?付き合って幸せな時間を過ごしたら、別れる時苦しいじゃない。裏切られてそれでも気持ちが離れられなと苦しい」
「じゃあ今は苦しくないのよね?」
麻耶のその言葉に友梨佳はハッとした。
「苦しい……。麻耶……苦しいよ……」
「じゃあ一緒じゃない。どうせ苦しいなら思い切ってぶつかって、それで結果苦しい方がいいんじゃない?一緒にいられる時間があるんだよ?人を好きになる事は悪い事じゃない。みんな傷ついても、それでも人を好きになるんだよ」
麻耶の言葉に友梨佳は黙り込んだ。
(でも……でも……)
「このまま始さんが友梨佳の前からいなくなってもいいの?」
「いや!」
無意識にでた自分の言葉に、友梨佳は驚いて口を押えた。
「それが答えでしょ?行っておいで」
優しく言われた麻耶の言葉に、友梨佳は静かに頷いた。
「一緒に行ってあげるから」
そう促され、友梨佳が立ち上がったところで、インターホンがなった。
「ちょっと待ってて、誰か来たみたい」
麻耶が行ってしまったところで、友梨佳は大きく息を吐くと覚悟を決めるように涙をぬぐった。
「麻耶……?」
リビングのドアの向こうに気配を感じ友梨佳は立ち上がりそちらに向かった。
ガチャリと開いたその扉に、友梨佳は驚いて目を見開いた。
「はじ……」
呼び終わらないうちに、ギュッときつく抱きしめられて友梨佳は息が止まるかと思った。
「友梨佳やっぱり俺はお前を諦められない。頼む友梨佳……」
その言葉に、先ほど一生懸命止めた涙があふれ出る。
「始。自分の家でやって」
その声にそろそろと頭を上げると、微笑みながら見ていた、芳也と麻耶が立っていた。
「あ……」
「友梨佳、行くぞ」
そのまますぐ下の始の部屋へ入ると、友梨佳はもう一度力強く抱きしめられる。
その腕の中は暖かくて、安心できて、自分の場所だと心の底から友梨佳は思えた。
待ってるからおいでと言ってくれた麻耶の優しさに、友梨佳は泣きながらタクシーに乗り麻耶の家へと向かった。
「いらっしゃい。入って」
麻耶の家を目の前にして、そこが社長の家だったことを思い出して、友梨佳は入るのを躊躇した。
「大丈夫。誰もいないから」
「え……?」
「芳也さんなら、始さんの所に行ってもらった」
「え!?」
麻耶の言葉に、友梨佳は驚いて声を上げた。
「言わなかった?始さんの部屋このマンションだよ」
(そうだった。あの二人は同じマンションって……)
「そんな事より、入って」
麻耶の言葉に、友梨佳は頷くと広いリビングにちょこんと座った。
「それで?どうしたの?」
ゆっくりと言われた麻耶の言葉に、友梨佳の瞳からまた涙が零れ落ちた。
「始が……ずっと私が好きだって……言ってくれたの」
泣きじゃくる友梨佳に麻耶はゆっくりと頷いた。
「それで?」
「私は好きじゃないって……言ったら……これで終わりだって……」
「好きじゃないならいいじゃない。終わりで」
麻耶の言葉に、友梨佳は言葉を失った。
「終わりじゃ嫌なの?」
「嫌じゃ……ない。好きじゃない……」
そこまで言って、胸が締め付けられて友梨佳はまた涙をこぼした。
「ねえ、友梨佳。なんで恋愛しないんだっけ?」
そんな友梨佳に麻耶は微笑むと、
「……え?付き合って幸せな時間を過ごしたら、別れる時苦しいじゃない。裏切られてそれでも気持ちが離れられなと苦しい」
「じゃあ今は苦しくないのよね?」
麻耶のその言葉に友梨佳はハッとした。
「苦しい……。麻耶……苦しいよ……」
「じゃあ一緒じゃない。どうせ苦しいなら思い切ってぶつかって、それで結果苦しい方がいいんじゃない?一緒にいられる時間があるんだよ?人を好きになる事は悪い事じゃない。みんな傷ついても、それでも人を好きになるんだよ」
麻耶の言葉に友梨佳は黙り込んだ。
(でも……でも……)
「このまま始さんが友梨佳の前からいなくなってもいいの?」
「いや!」
無意識にでた自分の言葉に、友梨佳は驚いて口を押えた。
「それが答えでしょ?行っておいで」
優しく言われた麻耶の言葉に、友梨佳は静かに頷いた。
「一緒に行ってあげるから」
そう促され、友梨佳が立ち上がったところで、インターホンがなった。
「ちょっと待ってて、誰か来たみたい」
麻耶が行ってしまったところで、友梨佳は大きく息を吐くと覚悟を決めるように涙をぬぐった。
「麻耶……?」
リビングのドアの向こうに気配を感じ友梨佳は立ち上がりそちらに向かった。
ガチャリと開いたその扉に、友梨佳は驚いて目を見開いた。
「はじ……」
呼び終わらないうちに、ギュッときつく抱きしめられて友梨佳は息が止まるかと思った。
「友梨佳やっぱり俺はお前を諦められない。頼む友梨佳……」
その言葉に、先ほど一生懸命止めた涙があふれ出る。
「始。自分の家でやって」
その声にそろそろと頭を上げると、微笑みながら見ていた、芳也と麻耶が立っていた。
「あ……」
「友梨佳、行くぞ」
そのまますぐ下の始の部屋へ入ると、友梨佳はもう一度力強く抱きしめられる。
その腕の中は暖かくて、安心できて、自分の場所だと心の底から友梨佳は思えた。
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