18 / 128
第18話 毒蛙
しおりを挟む「……えっと、確かココだよな……ん?」
小さな魔力反応を探知した地点へ赴くと、1匹の魔物を発見。
「うっ、ポイズントードだ……」
小さな魔力の正体は「ポイズントード」であった。
見た目は緑・赤・黒の三色といかにも毒丸出しで、あのヒュドラの好物としても知られている蛙系の魔物である。
(確か、脅威ランクはDランクのハズ……)
跳躍力以外の身体能力はそれほどでもないのだが、あの見た目と毒の威力が脅威ランクを上げさせているようだ。
そんな考え事をしていると、突然ポイズントードが舌を伸ばして俺を捕獲しようとする。
「うげっ!? なんか気持ちわるっ!」
舌は紫色でとても毒毒しく、絶対に触れたくはないものだ。
そう思い、慌てながらも身を守るために魔法を唱えた。
「すっ、水壁!」
水の障壁を出現させて舌を弾く。
それによりポイズントードの体勢が崩れたので、透かさず接近して魔法を唱えた。
「水刃!」
高水圧の刃でポイズントードを斜めに切断して一撃で屠る。
すると毒袋が破れてしまい、中に溜まっていた毒液が放出。
「うわっ!? な、なんだっ!? ……ん? なんか、身体が痺れてきた……!?」
モロにその毒液を被り、次第に身体が痺れてくる。
何やら毒沼と似た毒性だが今被った毒液の方が強力なようで、徐々に身体の痺れが強まってきた。
そのことに気づき、動けなくなる前に解毒魔法を。
「で、デトックス!」
既存の解毒魔法で毒を中和。
急な事態に少し焦ったが、身体の痺れはほどなくして消えたので、安心して落ち着きを取り戻す。
そして落ち着いたあとは、衣服に付着した毒液を落とすべく浄化魔法を唱えることに。
「クリーン!」
この魔法は浄化魔法と生活魔法の兼任で、効果は清潔と消毒の2つを担う使い易くて便利な魔法なのだ。
クリーンの脳内説明をしているうちに、衣服が見る見る綺麗になっていき、ついでに汗を掻いた俺自身も綺麗になっていった。
やはり使い易くて便利な魔法である。
「衣服も俺も綺麗になったし、さっさと街へ帰ろう!」
そのあとはポイズントードを黒箱の中へ収納して、再び街の方へ向けて歩き出した……
「……はぁ、またか……」
再び小さな魔力反応を探知。
恐らくはまたポイズントードであろう。
「今度は離れた位置から倒そう……」
そう呟きながら、魔力反応があった場所へ向かうことに。
「……あぁ、やっぱりな……」
やはりポイズントードであった。
だがポイズントードはこちらに気づいてはいないようなので、それ好機と見てその場で魔法を唱える。
「水穿!」
線状の水がスクリュー回転をしながらポイズントードの顔面を貫くと、その場に倒れて動かなくなった。
因みに顔面を狙ったのは毒袋が胴体にあり、その部位を傷付けないためである。
「ふぅ、今度は大丈夫だったな!」
毒袋を破らずに済み、安堵しながらも慎重にポイズントードを黒箱へ収納。
「よしっ、今度こそ帰ろう! ……というか、早く帰りたい!」
そう嘆きながらも、改めて街へ向けて歩き出すのであった……
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる