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第17話 浄化草
しおりを挟む「速攻で倒す!」
一刻も早く倒すため、疾風の如くヒュドラの元へと駆けていく。
「ジュロォッ!? ジュロォッ!?」
ヒュドラはまだ混乱中らしく、今が好機なのは間違いないハズ……
もうじきヒュドラの足元まで着けそうだ。
ヒュドラの混乱が解けるのが先か俺が着くのが先かの勝負となるが、ヒュドラの混乱による動揺が無くなったところを見ると、残り時間は相当に少ないのだろう。
それでも怯むことなく、ただただ一直線に駆けるのみ。
「あと少し、あと少しなんだ……」
ヒュドラの元へ駆けながらそう呟くが……
「ジュロロロロロロォーッ!!」
「!? そ、そんな……」
ヒュドラが混乱から完全に覚め、突然怒り狂い暴れ出した。
その光景を目にして敗北を意識するが、それでも逃げずに新たな策を即席で考え始める。
すると、ヒュドラから毒液を吐く挙動が見受けられて、これもどちらが速いかの勝負となった。
「……!! やっぱりこれしか……」
この勝負はどうにか俺が勝利し、即席の策を実行するために魔法を唱える。
「上手くいってくれ! 灼光!」
「ジュロロォッ!?」
2度目となる魔法なので効果のほどに不安があったのだが、見事に効果抜群でヒュドラは再び混乱することに。
混乱したヒュドラは動揺して、毒液を吐けずにいる様子。
その隙にヒュドラの足元へ到着したので透かさず魔法を唱える。
「これで終わりだ! 獄氷!」
最終結果は俺の逆転勝利。
ヒュドラは次第に凍り付いて、逝った。
「や、やった……やったぞ!」
嬉しさのあまり思わず歓喜。
流石にヒュドラ戦を3度もすればそうなるのは当然である。
しかしすぐ我に返り、周辺に魔物がいないかを魔力探知で確認した。
「近くには魔物らしき魔力は感じない……」
どうやらヒュドラは3体で打ち止めのようだ。
流石に4体目は勘弁して欲しかったので僥倖である。
「あぁ、良かった……」
ホッと胸を撫で下ろす。
だがすぐさま油断は禁物と戒め、即座に2体のヒュドラを黒箱へ収納。
「よし、次は……」
勿論「浄化草」の存在を忘れてはいない。
もうヒュドラ戦は懲り懲りなので、早急に浄化草の元へ向かい出す。
「……あった、浄化草だ……」
3度の激戦を経て、漸く浄化草の元へ辿り着くことができた。
しかし疲労困憊のため、喜ぶ元気は最早残ってはいない。
「それにしても、不思議な光景だ……」
その場所は浄化草の影響により、毒沼が浄化されてただの沼地となっていた。
但し、半径5mほどではあるのだが。
それでもきっと凄いのだろうと思いながら、丁寧に浄化草を採取し、ゆっくりと黒箱へ収納する。
「これで依頼達成だ……さて、帰るか」
依頼達成後は即刻この場から離れることに。
ヒュドラがいつ現れてもおかしくはなく、その場に居続けるのは得策ではないと考えたのだ。
「……ん? この小さな魔力反応は……?」
魔力探知をしながら来た道を戻ると小さな魔力反応を探知して、ヒュドラにしては小さ過ぎる反応が逆に気になってしまう。
「取り敢えず、行ってみるか……」
ヒュドラではないと考えたので、取り敢えず様子を見に行くのであった……
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