【完結】プリテンダーは恋の夢を見る〜うそつきアルファはハイスペアルファに堕とされる〜

はち

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優秀な生徒*

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 ベッドサイドのナイトチェストの上には、二人のスマートフォンとローションのボトルとコンドームの箱が並ぶ。ソウイチは指用と普通のコンドームと温感ローションを用意してきた。物覚えの良い、優秀な生徒だ。

 真山はベッドに横たわり、脚を開いたはしたない格好で秘処を晒す。
 真山の前に座ったソウイチは指用コンドームを付けた中指と薬指に温感ローションを垂らし、揃えて真山の窄まりに埋めていく。
 温かな潤滑剤が粘膜に馴染んで、腹の中の熱と境目が馴染んでいく感覚に眩暈のような興奮を覚える。

「マヤ、痛くないか?」

 優しい声で確かめながら、ソウイチの指先は焦ったくなるくらいにゆっくりと真山の身体を拓いていく。

「ふ、あ、へー、き」

 ソウイチに中を擦られて、真山は粘膜が溶け出してソウイチの指に絡みつくように錯覚する。

「なか、っあ」
「ふふ、マヤに食べられてるみたいだ」

 ソウイチの言う通り、真山の蕾はソウイチの指を食むように収縮を繰り返す。
 ソウイチ指先が腹側にあるしこりを優しく撫でると、真山は湧き上がる快感に身体を震わせた。前立腺はもう捉えられてしまった。そこばかりいじめてくるソウイチに文句の一つも言いたいが、撫でられるたびに訪れる快感の波に声がうまく出せない。

「っひゃ」

 そのまま押し込むように圧力をかけてしこりを撫でられ、真山は声を引き攣らせた。図らずも上がった嬌声が羞恥を煽る。

「マヤ」
「そ、いち、きもちい」

 甘く溶けた声を上げてしまうのが恥ずかしい。
 なのに、もっと、自分が気持ちよくなっていることを伝えたかった。

「っく、でぅ」
「出してごらん、マヤ」

 ソウイチに優しく促されて、真山は薄い腹を震わせた。同時に、しゃくりあげ、吐精した。何度も散る白濁が痩せた腹を汚していく。

「ッふ、ぁ」

 後孔が収斂して、ソウイチの指をきつく食い締める。
 足はびくびくと跳ねて、腰が震える。
 腹の奥から滲む色濃い吐精の余韻は、真山の意識を滲ませ、理性をふやかしていくようだった。

「いれて、そーいち」

 溶けかけた意識と緩んだ理性など、ないも同然だった。
 甘くねだった真山に、ソウイチは笑みを返す。ろくに触っていないのに、ソウイチのそれはすっかり昂り、逞しい猛りへと育っていた。

 真山は喉を鳴らす。これから、これが自分を貫くのだ。
 ソウイチの愛らしい外見とは不釣り合いにも思える、グロテスクさすら感じる逞しい猛り。その幹にはいく筋も血管を浮かせ、小さくしゃくりあげている。

 ソウイチはそれに、丁寧に薄い膜を被せていく。飲み込みがいいのだろう。もう真山が何も言わなくても、上手にできていた。
 真山はうっとりとその様を眺めた。

「じょうずだね」

 蕩けた声で言うと、ソウイチは甘やかな照れ笑いを返した。
 ローションをたっぷりと垂らした屹立が、真山の後孔に押し当てられる。
 薄い膜越しにも感じる熱に、真山は期待に息を呑む。

「いれる、よ、マヤ」
「ん、ぅ」

 ゆっくりと蕾を押し拡げ、入ってくる質量に眩暈がする。温感ローションはすぐに中の熱と混ざって、真山の身体の芯まで溶かすような気持ちよさをもたらした。

「そ、いち」
「ふ、熱くて、溶けそうだ」

 ゆっくりと隘路を押し広げて進む楔は、肉壁の中に埋まったしこりを押し潰し、そのまま奥の窄まりまで進んだ。

「まや」

 ソウイチはそこで動きを止め、真山の顔を覗き込む。

「いいよ、動いて。気持ちよくして」

 真山の声に促されるまま、ソウイチは真山の様子を伺うようにゆったりと腰を揺らす。
 中を擦るソウイチのもどかしい動きは余計に気持ちよさを膨らませて、真山の口からは堪えきれない喘ぎが漏れた。

「ン、あ、きもちい」
「よかった。もっとよくなってくれ」

 緩慢な動きで奥から浅瀬まで往復するだけなのに、真山の中は時折きゅんきゅんとソウイチを締め付け、勝手に快感を拾う。
 丸く張った先端にしこりを撫でられるだけで、背筋から脳髄まで甘い痺れが駆け上がる。
 頭の芯が溶け出すような快感に浸されて、真山はすっかり蕩けた顔を晒した。

 ソウイチはそんな真山を見て、満足げに笑う。
 浅瀬から行き当たりまでゆったりと擦り、奥を優しく捏ねて、ソウイチは優しく真山を抱いた。
 気を失うまでした。三回は覚えている。それ以上の記憶は曖昧だった。
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