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ウツホシ編
月夜の岬2
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「っは、あ、え」
喉を晒して揺られるシュンはすっかり緩んだ奥の襞を叩かれ捏ねられて、言葉にならない喘ぎを漏らす。
「ふふ、あつくて、気持ちいい」
「んあ、うちゅ、おし」
「なあに、シュン」
「もっ、と、おく、して」
「あは、いいよ。シュンは奥も好きだもんね」
ウツホシは強く突き上げ、緩んだ奥の襞をこじ開けて長大な性器をはらわたの奥深くへと潜り込ませる。
「ひゃ、あ、ア……ン、ア!」
シュンの視界に、頭の中に、白い星がいくつも弾ける。白く薄いシュンの腹の下では揺らめく花芯がとろとろと白い蜜を溢していた。そこには、金色の卵が無数に混ざる。
「かわいいよ、シュン。もっと、乱れてみせて」
「ひゃ、ア! んぅ!」
だらしなく開いた唇を、ウツホシの夜色の唇が塞いだ。
ウツホシの律動に合わせて揺られるシュンの身体は小刻みに跳ね、全身に深い海の色をした紋様が浮かび上がる。直線と曲線が形造る複雑に入り組んだ幾何学的な紋様だった。
それは、深く愛された花嫁に与えられる証だった。淡く青白い光を放つと、それはシュンの白い肌に馴染むように消えた。
ウツホシはそっと唇を離す。唾液に濡れたシュンの唇は腫れたように赤みを増していた。
「うじゅ、おし……」
シュンが舌っ足らずにウツホシを呼び、潤んだ瞳がウツホシを見上げる。情事の最中のシュンはどこか幼く危うい気配を纏っていた。それが余計にウツホシを煽ることをシュンは未だ気付いていない。
「愛してるよ、シュン」
「ン、おれも、あいしてる」
「ふふ、うれしい」
ウツホシがシュンのひくつく腹を撫でる。愛おしげなその手が何を求めているのか、シュンにはすぐにわかった。
シュンがぼやけた頭で理解するのと同時だった。
「あ、ひゃ」
喉仏の浮いた白い喉から小さく愛らしい悲鳴が上がった。
シュンの腹が歪に膨らみだす。花嫁の胎には無数の卵が生まれていた。
「ア、ン、たまご、うまれて、ぅ」
あぶくのように腹の奥に生まれる卵に、シュンは上擦った声を上げる。ひとつ、またひとつと、花嫁の胎は卵を抱えていく。
卵の生まれる感覚は、それだけで甘やかな感覚をシュンに与えた。胎が満たされていく感覚。胎に命の元となるものが宿る感覚は、シュンに言いようのない多幸感をもたらした。
「あはは、元気な卵」
それに気がついたウツホシは楽しげに笑う。ウツホシはなおもシュンを揺すり、浅瀬の水面を波立たせる。
「出すよ、シュン」
ウツホシはシュンのはらわたを突き上げ、精を注いだ。
長大なウツホシの猛りが、柔らかな胎の中で脈打つ。温もりの薄い海祇の精が、胎の奥の卵を浸していく。
「あう、で、ぇ、ぅ」
シュンは言葉にならない声を上げるので精一杯だった。
花嫁の胎から生まれる快感は、シュンをたちまち蕩かしてしまう。理性は容易く剥がされ、後に残るのは伴侶の海祇を求める剥き出しの本能だ。
脈打つ猛りを甘えるように抱きしめて、シュンの胎は精を受け止め、飲み干すようだった。
ウツホシの放った精が卵に行き渡るころ、卵たちは脈動を始める。
「また、たくさん産んでね、シュン」
「ン、うむ、うちゅ、ぉし」
「嬉しい。シュン、いっぱい気持ちよくするね」
ウツホシはシュンの華奢な腰をしっかりと掴み、小さな身体を突き上げ揺する。
そうやって、シュンの胎は快感で満たされる。
快楽に満たされる花嫁の胎で、卵は育つ。快楽を食い、その命をはっきりとさせていく。
「あは、もう、産まれそうだ」
ウツホシが喜びの声とともに腰を引いた。
長く腹を掻き回していたものが、ゆっくりと抜けていく。引き止めるように縋り付くシュンの胎。ウツホシは笑みを深め、殊更ゆっくりとその長い性器を引き抜いていく。
「ア……んぅ」
シュンは身体を震わせ、その身を満たす快感に耐える。神経を焼き切るような快感に、痩せた身体は勝手に跳ね回る。
「ほら、シュン、卵が降りてきたよ」
「んあ、う、たぁ、ぉ、きて、う」
シュンはウツホシに抱えられ、痩せた尻を割開かれていた。ウツホシの性器の抜けた蕾は口を開け、ひくついている。やがてそこから、白いものが顔を出す。卵だった。
「んう、うちゅ、おし」
「いい子。がんばって、シュン」
幼子に言い聞かせるような甘やかな声がシュンの耳元に吹き込まれる。ウツホシの長い舌が、ウツホシが作ったピアスが並ぶ耳の縁を撫でる。
くすぐるような舌先の愛撫に、シュンはその痩せた身体を震わせた。
「んうぅ」
赤く色づいた蕾を押し拡げて、真っ白い卵が顔を出す。皺がなくなるほど広がった蕾から、その形をひしゃげさせて卵が飛び出した。
「んあ!」
粘つく音とともに、転がり出た卵が波の寄せる砂地に転がる。
ひとつ生まれると、それは次々に堰を切ったように出てくる。
「あ、ひゃ、ぁぅ、とまんな、ぁ」
シュンは背をしならせ、ウツホシに縋り付く。
弾力のある卵がはらわたを擦り、胎の浅瀬のしこりを弾いて飛び出していく。それはいつまでも続き、たちまち砂地には十を超える卵が転がった。
「たくさん産まれるね、シュン」
労うように、夜色の唇がシュンのこめかみに触れた。
「らぇ、また、んあぁ」
ぽちゅ、と音がして一際大きな卵が飛び出す。それからまた連なるようにして白い球体が続けて出てくる。
シュンの薄い腹はひくつき、花芯の放った白い蜜に濡れそぼっていた。
「たぁ、ぉ、ひ、んぃ、ぇ」
シュンの震える唇は、もはや言葉をなすことはできず、甘く蕩けた声を漏らすばかりだった。
その様に、ウツホシは愛おしげに目を細める。
「んうぅ!」
粘液をたっぷりと纏った卵が飛び出す。それが最後だったようで、シュンの蕾はぱくぱくと口を開け、震えていた。
「上手に産めたね、シュン」
「うじゅ、おし」
「よくがんばったね、シュン。俺たちの卵、たくさん産まれたよ」
「ん、うぇ、し」
荒い呼吸の空間に、シュンは瞳を潤ませてウツホシに擦り寄った。ウツホシはそれをしっかりと抱きしめる。
「俺も嬉しい。シュン、ありがとう」
夜色の唇が、労うようにシュンの顔中に口づけを落とす。シュンはそれを心地好く思いながら、甘やかな疲労感に飲まれ、意識を手放した。
海祇の営みは続く。
煌めく深い海で、月明かりの降る美しい岬で、秘めやかに、獰猛に。
喉を晒して揺られるシュンはすっかり緩んだ奥の襞を叩かれ捏ねられて、言葉にならない喘ぎを漏らす。
「ふふ、あつくて、気持ちいい」
「んあ、うちゅ、おし」
「なあに、シュン」
「もっ、と、おく、して」
「あは、いいよ。シュンは奥も好きだもんね」
ウツホシは強く突き上げ、緩んだ奥の襞をこじ開けて長大な性器をはらわたの奥深くへと潜り込ませる。
「ひゃ、あ、ア……ン、ア!」
シュンの視界に、頭の中に、白い星がいくつも弾ける。白く薄いシュンの腹の下では揺らめく花芯がとろとろと白い蜜を溢していた。そこには、金色の卵が無数に混ざる。
「かわいいよ、シュン。もっと、乱れてみせて」
「ひゃ、ア! んぅ!」
だらしなく開いた唇を、ウツホシの夜色の唇が塞いだ。
ウツホシの律動に合わせて揺られるシュンの身体は小刻みに跳ね、全身に深い海の色をした紋様が浮かび上がる。直線と曲線が形造る複雑に入り組んだ幾何学的な紋様だった。
それは、深く愛された花嫁に与えられる証だった。淡く青白い光を放つと、それはシュンの白い肌に馴染むように消えた。
ウツホシはそっと唇を離す。唾液に濡れたシュンの唇は腫れたように赤みを増していた。
「うじゅ、おし……」
シュンが舌っ足らずにウツホシを呼び、潤んだ瞳がウツホシを見上げる。情事の最中のシュンはどこか幼く危うい気配を纏っていた。それが余計にウツホシを煽ることをシュンは未だ気付いていない。
「愛してるよ、シュン」
「ン、おれも、あいしてる」
「ふふ、うれしい」
ウツホシがシュンのひくつく腹を撫でる。愛おしげなその手が何を求めているのか、シュンにはすぐにわかった。
シュンがぼやけた頭で理解するのと同時だった。
「あ、ひゃ」
喉仏の浮いた白い喉から小さく愛らしい悲鳴が上がった。
シュンの腹が歪に膨らみだす。花嫁の胎には無数の卵が生まれていた。
「ア、ン、たまご、うまれて、ぅ」
あぶくのように腹の奥に生まれる卵に、シュンは上擦った声を上げる。ひとつ、またひとつと、花嫁の胎は卵を抱えていく。
卵の生まれる感覚は、それだけで甘やかな感覚をシュンに与えた。胎が満たされていく感覚。胎に命の元となるものが宿る感覚は、シュンに言いようのない多幸感をもたらした。
「あはは、元気な卵」
それに気がついたウツホシは楽しげに笑う。ウツホシはなおもシュンを揺すり、浅瀬の水面を波立たせる。
「出すよ、シュン」
ウツホシはシュンのはらわたを突き上げ、精を注いだ。
長大なウツホシの猛りが、柔らかな胎の中で脈打つ。温もりの薄い海祇の精が、胎の奥の卵を浸していく。
「あう、で、ぇ、ぅ」
シュンは言葉にならない声を上げるので精一杯だった。
花嫁の胎から生まれる快感は、シュンをたちまち蕩かしてしまう。理性は容易く剥がされ、後に残るのは伴侶の海祇を求める剥き出しの本能だ。
脈打つ猛りを甘えるように抱きしめて、シュンの胎は精を受け止め、飲み干すようだった。
ウツホシの放った精が卵に行き渡るころ、卵たちは脈動を始める。
「また、たくさん産んでね、シュン」
「ン、うむ、うちゅ、ぉし」
「嬉しい。シュン、いっぱい気持ちよくするね」
ウツホシはシュンの華奢な腰をしっかりと掴み、小さな身体を突き上げ揺する。
そうやって、シュンの胎は快感で満たされる。
快楽に満たされる花嫁の胎で、卵は育つ。快楽を食い、その命をはっきりとさせていく。
「あは、もう、産まれそうだ」
ウツホシが喜びの声とともに腰を引いた。
長く腹を掻き回していたものが、ゆっくりと抜けていく。引き止めるように縋り付くシュンの胎。ウツホシは笑みを深め、殊更ゆっくりとその長い性器を引き抜いていく。
「ア……んぅ」
シュンは身体を震わせ、その身を満たす快感に耐える。神経を焼き切るような快感に、痩せた身体は勝手に跳ね回る。
「ほら、シュン、卵が降りてきたよ」
「んあ、う、たぁ、ぉ、きて、う」
シュンはウツホシに抱えられ、痩せた尻を割開かれていた。ウツホシの性器の抜けた蕾は口を開け、ひくついている。やがてそこから、白いものが顔を出す。卵だった。
「んう、うちゅ、おし」
「いい子。がんばって、シュン」
幼子に言い聞かせるような甘やかな声がシュンの耳元に吹き込まれる。ウツホシの長い舌が、ウツホシが作ったピアスが並ぶ耳の縁を撫でる。
くすぐるような舌先の愛撫に、シュンはその痩せた身体を震わせた。
「んうぅ」
赤く色づいた蕾を押し拡げて、真っ白い卵が顔を出す。皺がなくなるほど広がった蕾から、その形をひしゃげさせて卵が飛び出した。
「んあ!」
粘つく音とともに、転がり出た卵が波の寄せる砂地に転がる。
ひとつ生まれると、それは次々に堰を切ったように出てくる。
「あ、ひゃ、ぁぅ、とまんな、ぁ」
シュンは背をしならせ、ウツホシに縋り付く。
弾力のある卵がはらわたを擦り、胎の浅瀬のしこりを弾いて飛び出していく。それはいつまでも続き、たちまち砂地には十を超える卵が転がった。
「たくさん産まれるね、シュン」
労うように、夜色の唇がシュンのこめかみに触れた。
「らぇ、また、んあぁ」
ぽちゅ、と音がして一際大きな卵が飛び出す。それからまた連なるようにして白い球体が続けて出てくる。
シュンの薄い腹はひくつき、花芯の放った白い蜜に濡れそぼっていた。
「たぁ、ぉ、ひ、んぃ、ぇ」
シュンの震える唇は、もはや言葉をなすことはできず、甘く蕩けた声を漏らすばかりだった。
その様に、ウツホシは愛おしげに目を細める。
「んうぅ!」
粘液をたっぷりと纏った卵が飛び出す。それが最後だったようで、シュンの蕾はぱくぱくと口を開け、震えていた。
「上手に産めたね、シュン」
「うじゅ、おし」
「よくがんばったね、シュン。俺たちの卵、たくさん産まれたよ」
「ん、うぇ、し」
荒い呼吸の空間に、シュンは瞳を潤ませてウツホシに擦り寄った。ウツホシはそれをしっかりと抱きしめる。
「俺も嬉しい。シュン、ありがとう」
夜色の唇が、労うようにシュンの顔中に口づけを落とす。シュンはそれを心地好く思いながら、甘やかな疲労感に飲まれ、意識を手放した。
海祇の営みは続く。
煌めく深い海で、月明かりの降る美しい岬で、秘めやかに、獰猛に。
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