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ニギホシ編
堕ちた海祇の夢4
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夢を見た。
今野の夢。
泣いている、今野の夢だ。
身体を小さく丸め何もできないと泣く今野に、荒瀬はそっと手を差し伸べる。濡れた頬を拭って、微笑みかける。
「カズマ」
大丈夫。俺がいるから。
俺がいる。俺がいてやる。だから。
何度もかける声に、今野は顔を持ち上げて笑う。
「ありがとう、透真」
嬉しそうな笑みを見たら、本当に言いたかった言葉は、声にできなかった。
目を覚ますと、荒瀬はまだ薄暗い場所にいた。
冷たく硬い岩の上に横たわっていても、身体は痛くなかった。
「トーマ」
ざらつく声に呼ばれて、荒瀬は視線を彷徨わせて声の主を見る。
すぐ隣に寝そべるニギホシの、赤い目が見えた。
「トーマ、身体の支度をしようか」
「あれで終わりじゃないのか」
あれからどれくらい気を失っていたのかわからない。不思議と身体ににだるさは残っていなかった。
「ン。本当は、金の卵は毎日産めるようになるんだ」
ニギホシの手は荒瀬の萎れた性器をその大きな手のひらで揉み込む。緩やかな刺激に、荒瀬の身体は素直に反応を返す。
「う、や、ぁ」
「いや?」
「こわい、ニギホシ」
「大丈夫。気持ちいいことしかしないよ」
荒瀬の脳裏にはまだ新しい快感の記憶が蘇っていた。頭の芯まで白く染めるような快感は、味わったことのがないものだった。
「こわい。きもちいいの、こわい」
荒瀬は子供のように声を震わせた。
「俺がばらばらに、なる」
快感に対して恐れを抱くのは初めてだった。荒瀬の知るものとは、明らかに異なる種類のものに、荒瀬の胸には怯えが芽生えていた。
「大丈夫だよ。壊れないように、トーマはちゃんと俺が守ってあげる」
「ふあぁ」
大きな手のひらは、慈しむように荒瀬の腹を撫でる。その手はその下の茂みをくすぐって、うっすらと頭をもたげた性器へと伸びた。
「あは、ぴくぴくするね、トーマ」
大きな手に握り込まれると、荒瀬の性器はたちまち芯を持ち反り返る。
「っあ、だ、め、だ」
ニギホシの手は容赦なく荒瀬の昂りを擦り上げた。
腹から湧く熱い快感の濁流は、簡単に荒瀬を攫っていく。
「ぱんぱんだ」
ニギホシの指先が張り詰めた陰嚢を悪戯に揉む。
「出してみせて。綺麗な、金色の卵」
恍惚に染まったニギホシの声。
昂りを擦られ、張り詰めた陰嚢から、何かが狭い尿道をくすぐりながら外へと向かっていく。
「あ、ふあ、ア」
腰が勝手に跳ねる。
「ンア、出る、でる、ぅ」
背がしなる。腰を突き出し、昂りが脈打つ。
「あはは、きれぇ。トーマ、卵、いっぱい出てるよ」
噴き上がる白濁は、無数の金の粒を孕んでいた。
「んぃ、う、ニギホシ」
「もっと、もっと出してみせて、トーマ」
ねだる声は子どものように無邪気だ。
先ほどの吐精で敏感になった荒瀬の昂りを、ニギホシは変わらぬ強さで擦る。
「っ、あ、や、だ、も、でな、ぁ」
神経を白く灼くような快感に腰が揺れ、跳ねた昂りから噴き出す薄い白濁には、夥しい金色の粒が混じっていた。
自分の身体はどうなってしまったのか。これが、花嫁の身体なのか。
胸を大きく上下させて、荒瀬は漂う白いものを見上げる。
腹の奥に残る快感の残滓が、種火のように腹を炙っている。
「ほら、もっと卵を産めるようにしてあげる」
ニギホシが身体を寄せた。
「あ、ひゃ、や、ら、もお、れな」
性器の先端同士が、孔同士が触れ合い、注ぎ込まれる温もりの薄い、何か。液体よりも粘度が高いそれは、狭い尿道を押し拡げて入ってくる。
「あうぅ」
「トーマ、ほら、濃いのをあげる。これで、毎日、たくさん産めるよ」
「ひ、ア……!」
押し込まれるように入ってくる何かが、膨らみの中へ到達した。泡が弾けるような小さな快感がいくつも爆ぜて、中が作り替えられているのがわかった。
神経が焼き切れそうな快感が、荒瀬の頭の芯まで眩い白に染めた。
「や、やら、あ、う」
震える唇からは、呂律の回らない、だらしない声が漏れる。
これで、花嫁になればニギホシは救われるのか。
もう陸に戻れないのなら、せめて、こいつくらいは。
限界量の快感に荒瀬の意識は途切れ、闇に沈んだ。
今野の夢。
泣いている、今野の夢だ。
身体を小さく丸め何もできないと泣く今野に、荒瀬はそっと手を差し伸べる。濡れた頬を拭って、微笑みかける。
「カズマ」
大丈夫。俺がいるから。
俺がいる。俺がいてやる。だから。
何度もかける声に、今野は顔を持ち上げて笑う。
「ありがとう、透真」
嬉しそうな笑みを見たら、本当に言いたかった言葉は、声にできなかった。
目を覚ますと、荒瀬はまだ薄暗い場所にいた。
冷たく硬い岩の上に横たわっていても、身体は痛くなかった。
「トーマ」
ざらつく声に呼ばれて、荒瀬は視線を彷徨わせて声の主を見る。
すぐ隣に寝そべるニギホシの、赤い目が見えた。
「トーマ、身体の支度をしようか」
「あれで終わりじゃないのか」
あれからどれくらい気を失っていたのかわからない。不思議と身体ににだるさは残っていなかった。
「ン。本当は、金の卵は毎日産めるようになるんだ」
ニギホシの手は荒瀬の萎れた性器をその大きな手のひらで揉み込む。緩やかな刺激に、荒瀬の身体は素直に反応を返す。
「う、や、ぁ」
「いや?」
「こわい、ニギホシ」
「大丈夫。気持ちいいことしかしないよ」
荒瀬の脳裏にはまだ新しい快感の記憶が蘇っていた。頭の芯まで白く染めるような快感は、味わったことのがないものだった。
「こわい。きもちいいの、こわい」
荒瀬は子供のように声を震わせた。
「俺がばらばらに、なる」
快感に対して恐れを抱くのは初めてだった。荒瀬の知るものとは、明らかに異なる種類のものに、荒瀬の胸には怯えが芽生えていた。
「大丈夫だよ。壊れないように、トーマはちゃんと俺が守ってあげる」
「ふあぁ」
大きな手のひらは、慈しむように荒瀬の腹を撫でる。その手はその下の茂みをくすぐって、うっすらと頭をもたげた性器へと伸びた。
「あは、ぴくぴくするね、トーマ」
大きな手に握り込まれると、荒瀬の性器はたちまち芯を持ち反り返る。
「っあ、だ、め、だ」
ニギホシの手は容赦なく荒瀬の昂りを擦り上げた。
腹から湧く熱い快感の濁流は、簡単に荒瀬を攫っていく。
「ぱんぱんだ」
ニギホシの指先が張り詰めた陰嚢を悪戯に揉む。
「出してみせて。綺麗な、金色の卵」
恍惚に染まったニギホシの声。
昂りを擦られ、張り詰めた陰嚢から、何かが狭い尿道をくすぐりながら外へと向かっていく。
「あ、ふあ、ア」
腰が勝手に跳ねる。
「ンア、出る、でる、ぅ」
背がしなる。腰を突き出し、昂りが脈打つ。
「あはは、きれぇ。トーマ、卵、いっぱい出てるよ」
噴き上がる白濁は、無数の金の粒を孕んでいた。
「んぃ、う、ニギホシ」
「もっと、もっと出してみせて、トーマ」
ねだる声は子どものように無邪気だ。
先ほどの吐精で敏感になった荒瀬の昂りを、ニギホシは変わらぬ強さで擦る。
「っ、あ、や、だ、も、でな、ぁ」
神経を白く灼くような快感に腰が揺れ、跳ねた昂りから噴き出す薄い白濁には、夥しい金色の粒が混じっていた。
自分の身体はどうなってしまったのか。これが、花嫁の身体なのか。
胸を大きく上下させて、荒瀬は漂う白いものを見上げる。
腹の奥に残る快感の残滓が、種火のように腹を炙っている。
「ほら、もっと卵を産めるようにしてあげる」
ニギホシが身体を寄せた。
「あ、ひゃ、や、ら、もお、れな」
性器の先端同士が、孔同士が触れ合い、注ぎ込まれる温もりの薄い、何か。液体よりも粘度が高いそれは、狭い尿道を押し拡げて入ってくる。
「あうぅ」
「トーマ、ほら、濃いのをあげる。これで、毎日、たくさん産めるよ」
「ひ、ア……!」
押し込まれるように入ってくる何かが、膨らみの中へ到達した。泡が弾けるような小さな快感がいくつも爆ぜて、中が作り替えられているのがわかった。
神経が焼き切れそうな快感が、荒瀬の頭の芯まで眩い白に染めた。
「や、やら、あ、う」
震える唇からは、呂律の回らない、だらしない声が漏れる。
これで、花嫁になればニギホシは救われるのか。
もう陸に戻れないのなら、せめて、こいつくらいは。
限界量の快感に荒瀬の意識は途切れ、闇に沈んだ。
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