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アラナギ編
暁色の檻
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アラナギに抱えられ屋敷に帰ってきたサクヤは、静かに寝台に降ろされた。寝台の周りには透け感のある帳が幾重にも下り、アラナギとサクヤ以外の何者も近付けさせないというアラナギの強い意志を感じた。
もとより邪魔するものなどいなかった白い寝台は、二人だけの世界になった。
サクヤの身体はすっかり熱を上げ、はやく続きがほしいと震えていた。
サクヤに覆い被さり物欲しげな視線を受け止めるのは、アラナギ朝日のような金の瞳だ。自分を映すアラナギの美しい瞳に囚われたような気分だった。
サクヤは熱を帯びた吐息をゆっくりと吐く。そうしなければ、はしたなく乱れた呼吸をアラナギに聞かれてしまいそうだった。
「サクヤ」
芯のある低い声がサクヤを呼ぶ。大きな手のひらが頬を包んで視線が絡まった。
「今からお前を抱く。存分に啼け」
穏やかなのにたっぷりと肉欲と支配欲を含んだ囁きに、サクヤの背を甘い痺れが舐め上げる。
「ん」
有無を言わせない口づけとともに、サクヤの身体は滑らかな敷布に縫い留められる。
厚みのある舌に口の中を弄られ、舌を擦り合わせると脳髄が溶け出すような甘い快感が滲んだ。
唇が離れる頃には、サクヤの意識はすっかり蕩けていた。
「ふふ、サクヤ、お前の胎に、俺のがどこまで入ると思う?」
悪戯っぽい囁きとともに薄い腹を撫でられ、深い海の色をした指先が臍の下の柔い皮膚をぐっと押す。
「ここの、もっと奥まで、だ」
「ッ」
その場所を意識して、サクヤは息を呑んだ。誰も受け入れたことのない腹の奥に、アラナギが入ろうとしている。
「狂おしいほどの快楽をやろう、サクヤ」
とうとうやってきたこのときに、サクヤの身体は歓喜し、はしたなく喉を鳴らした。
投げ出された脚をアラナギが大きく開く。
晒された秘処を瞳に映すのはアラナギだけだ。まだ羞恥は残るものの、夜明けのような美しい金色が自分だけを映すことに、サクヤは喜びを感じていた。
アラナギの下腹から鳩尾のあたりへと伸び上がる逞しい性器は肌と同じ色をしている。根元が太く、先端へいくにつれて細くなり、先端は少し太くなって返しのようなものがついている。先端は平らになっていて、中央にある小さな孔からは透明な粘液がとろとろと溢れていた。
サクヤのそれとは全く異なる形に、視線が釘付けになる。
こんなものが入ったら、腹を突き破られそうだと思う。怖いのにアラナギの笑みは優しく穏やかで、サクヤの胸の不安など忽ちぼやけてしまう。
「これがお前の一番奥まで届いたら」
アラナギは楽しげに長大なそれを擦り上げた。意思を持つようにゆらめくそれは、アラナギの手の動きに合わせて震え、先端を粘液で潤ませた。
「そうしたら、お前の胎に精を注いでやる」
アラナギは獲物を前にした獣のように唇を舐める。開いた唇からは、尖った歯が覗いた。
「ッ、あ、あら、なぎ」
サクヤの背を舐め上げるのは恐怖よりも快感への期待の方が濃い。
「怖がることはない。お前に与えるのは快楽だけだ。お前のこの胎が溶け落ちるくらい、与えてやる」
アラナギの指先が優しく腹を撫でる。それだけでサクヤの薄い腹は期待に震える。
「っあ」
粘液に塗れた先端が、散々指で拓かれた窄まりに触れる。粘液を塗り込むように撫で、押し付けては離し、そのたびに粘ついた音を立てた。
ひくつく窄まりに何度も押しつけられる先端が粘液を纏い中に潜り込むと、それは粘液を塗り広げながら奥へと進んでいく。アラナギの粘液は中を潤ませ、サクヤが拾い上げる快感をより濃いものにしていった。
「あらなぎ、きもちい、あらなぎ」
アラナギはゆっくりと、優しく丁寧にサクヤの身体を拓いていく。
ゆったりと中を擦られるだけで、サクヤは瞳を濡らして快感を訴えた。指とは異なるものが柔いはらわたを擦る感覚は恐ろしいのに、ひどく甘美な快感を生んだ。
時折ひくつきながら、サクヤの胎はアラナギを喜び招き入れる。
「ふふ、お前は愛らしいな、サクヤ」
アラナギが覆い被さり、手のひらが熱に染まった頬を包む。視線を合わせたまま、アラナギは探るように腰を進める。
「お前はもう、俺だけを見て俺だけを感じれば良い」
サクヤの目に映るのは、アラナギの眩い金の瞳だ。美しい煌めきから目が離せない。縋るようなサクヤの視線を受け止め、アラナギは嬉しそうに目を細めた。
「骨の髄まで愛してやる」
穏やかに響く声は、芯に獰猛な熱を孕んでいる。その声だけで、サクヤの背を甘い痺れが駆け上がる。
体の自由が利かない。まるでアラナギの瞳に射止められてしまったみたいだった。
「ひあ」
アラナギの律動が始まる。
サクヤの身体を揺すり、柔い腸壁をこそぐように擦っていくアラナギは、簡単に奥の窄まりに到達する。
指でも届かなかった行き当たりを、アラナギは優しく捏ねる。
「っあ、あらなぎ」
「どうした、サクヤ」
「そこ、は」
「わかるか? こんなに懸命に吸い付いて媚びてくる。お前の胎はこんなにもいじらしい」
サクヤの意識は腹の奥の襞に向けられる。しゃぶりつく窄まりを、アラナギは撫で回し、優しく叩く。
痛みはなく、そこはサクヤの意思とは関係なく少しずつ綻んでいく。
そうなるとよりはっきりとアラナギにしゃぶりつくのがわかって、サクヤは羞恥に瞳を潤ませた。
「あ……ぅ」
「ここを開けてくれ、サクヤ。お前の胎の奥を教えてくれ」
甘く低い声にねだられて、サクヤの身体は素直に応えた。
「っ、ふぁ、……ッひ」
アラナギが、奥の窄まりをこじ開けた。
喉が引き攣って、痩せた身体が強張る。
性器が震え、透明な飛沫が散る。
脳髄まで駆け抜ける快感に、視界がぶれ、星が散る。
身体は勝手に跳ねる。
「ふふ、上手に開けられたな」
聞こえるアラナギの声が遠い。
「ご褒美だ、サクヤ」
そのままの勢いで、アラナギは柔いはらわたを擦り、さらに奥まで入りこむ。
勝手に涙が零れた。
よくわからない。腹の奥深くまで、アラナギのものが潜り込んでいる。
尻に触れているのはアラナギの肌だった。
息の仕方もわからない。
サクヤはただ鰓を震わせた。
苦しいのに、たまらなく気持ちがよくて息をするのもままならない。
中が、一番奥のその奥まで、アラナギに埋められている。
「上手に呑み込めたな、サクヤ」
「は、ぇ」
身体が、繋がっている。胎の深い場所まで、アラナギと繋がっている。
怖いのに、それを上回る喜びが胸に溢れた。
もとより邪魔するものなどいなかった白い寝台は、二人だけの世界になった。
サクヤの身体はすっかり熱を上げ、はやく続きがほしいと震えていた。
サクヤに覆い被さり物欲しげな視線を受け止めるのは、アラナギ朝日のような金の瞳だ。自分を映すアラナギの美しい瞳に囚われたような気分だった。
サクヤは熱を帯びた吐息をゆっくりと吐く。そうしなければ、はしたなく乱れた呼吸をアラナギに聞かれてしまいそうだった。
「サクヤ」
芯のある低い声がサクヤを呼ぶ。大きな手のひらが頬を包んで視線が絡まった。
「今からお前を抱く。存分に啼け」
穏やかなのにたっぷりと肉欲と支配欲を含んだ囁きに、サクヤの背を甘い痺れが舐め上げる。
「ん」
有無を言わせない口づけとともに、サクヤの身体は滑らかな敷布に縫い留められる。
厚みのある舌に口の中を弄られ、舌を擦り合わせると脳髄が溶け出すような甘い快感が滲んだ。
唇が離れる頃には、サクヤの意識はすっかり蕩けていた。
「ふふ、サクヤ、お前の胎に、俺のがどこまで入ると思う?」
悪戯っぽい囁きとともに薄い腹を撫でられ、深い海の色をした指先が臍の下の柔い皮膚をぐっと押す。
「ここの、もっと奥まで、だ」
「ッ」
その場所を意識して、サクヤは息を呑んだ。誰も受け入れたことのない腹の奥に、アラナギが入ろうとしている。
「狂おしいほどの快楽をやろう、サクヤ」
とうとうやってきたこのときに、サクヤの身体は歓喜し、はしたなく喉を鳴らした。
投げ出された脚をアラナギが大きく開く。
晒された秘処を瞳に映すのはアラナギだけだ。まだ羞恥は残るものの、夜明けのような美しい金色が自分だけを映すことに、サクヤは喜びを感じていた。
アラナギの下腹から鳩尾のあたりへと伸び上がる逞しい性器は肌と同じ色をしている。根元が太く、先端へいくにつれて細くなり、先端は少し太くなって返しのようなものがついている。先端は平らになっていて、中央にある小さな孔からは透明な粘液がとろとろと溢れていた。
サクヤのそれとは全く異なる形に、視線が釘付けになる。
こんなものが入ったら、腹を突き破られそうだと思う。怖いのにアラナギの笑みは優しく穏やかで、サクヤの胸の不安など忽ちぼやけてしまう。
「これがお前の一番奥まで届いたら」
アラナギは楽しげに長大なそれを擦り上げた。意思を持つようにゆらめくそれは、アラナギの手の動きに合わせて震え、先端を粘液で潤ませた。
「そうしたら、お前の胎に精を注いでやる」
アラナギは獲物を前にした獣のように唇を舐める。開いた唇からは、尖った歯が覗いた。
「ッ、あ、あら、なぎ」
サクヤの背を舐め上げるのは恐怖よりも快感への期待の方が濃い。
「怖がることはない。お前に与えるのは快楽だけだ。お前のこの胎が溶け落ちるくらい、与えてやる」
アラナギの指先が優しく腹を撫でる。それだけでサクヤの薄い腹は期待に震える。
「っあ」
粘液に塗れた先端が、散々指で拓かれた窄まりに触れる。粘液を塗り込むように撫で、押し付けては離し、そのたびに粘ついた音を立てた。
ひくつく窄まりに何度も押しつけられる先端が粘液を纏い中に潜り込むと、それは粘液を塗り広げながら奥へと進んでいく。アラナギの粘液は中を潤ませ、サクヤが拾い上げる快感をより濃いものにしていった。
「あらなぎ、きもちい、あらなぎ」
アラナギはゆっくりと、優しく丁寧にサクヤの身体を拓いていく。
ゆったりと中を擦られるだけで、サクヤは瞳を濡らして快感を訴えた。指とは異なるものが柔いはらわたを擦る感覚は恐ろしいのに、ひどく甘美な快感を生んだ。
時折ひくつきながら、サクヤの胎はアラナギを喜び招き入れる。
「ふふ、お前は愛らしいな、サクヤ」
アラナギが覆い被さり、手のひらが熱に染まった頬を包む。視線を合わせたまま、アラナギは探るように腰を進める。
「お前はもう、俺だけを見て俺だけを感じれば良い」
サクヤの目に映るのは、アラナギの眩い金の瞳だ。美しい煌めきから目が離せない。縋るようなサクヤの視線を受け止め、アラナギは嬉しそうに目を細めた。
「骨の髄まで愛してやる」
穏やかに響く声は、芯に獰猛な熱を孕んでいる。その声だけで、サクヤの背を甘い痺れが駆け上がる。
体の自由が利かない。まるでアラナギの瞳に射止められてしまったみたいだった。
「ひあ」
アラナギの律動が始まる。
サクヤの身体を揺すり、柔い腸壁をこそぐように擦っていくアラナギは、簡単に奥の窄まりに到達する。
指でも届かなかった行き当たりを、アラナギは優しく捏ねる。
「っあ、あらなぎ」
「どうした、サクヤ」
「そこ、は」
「わかるか? こんなに懸命に吸い付いて媚びてくる。お前の胎はこんなにもいじらしい」
サクヤの意識は腹の奥の襞に向けられる。しゃぶりつく窄まりを、アラナギは撫で回し、優しく叩く。
痛みはなく、そこはサクヤの意思とは関係なく少しずつ綻んでいく。
そうなるとよりはっきりとアラナギにしゃぶりつくのがわかって、サクヤは羞恥に瞳を潤ませた。
「あ……ぅ」
「ここを開けてくれ、サクヤ。お前の胎の奥を教えてくれ」
甘く低い声にねだられて、サクヤの身体は素直に応えた。
「っ、ふぁ、……ッひ」
アラナギが、奥の窄まりをこじ開けた。
喉が引き攣って、痩せた身体が強張る。
性器が震え、透明な飛沫が散る。
脳髄まで駆け抜ける快感に、視界がぶれ、星が散る。
身体は勝手に跳ねる。
「ふふ、上手に開けられたな」
聞こえるアラナギの声が遠い。
「ご褒美だ、サクヤ」
そのままの勢いで、アラナギは柔いはらわたを擦り、さらに奥まで入りこむ。
勝手に涙が零れた。
よくわからない。腹の奥深くまで、アラナギのものが潜り込んでいる。
尻に触れているのはアラナギの肌だった。
息の仕方もわからない。
サクヤはただ鰓を震わせた。
苦しいのに、たまらなく気持ちがよくて息をするのもままならない。
中が、一番奥のその奥まで、アラナギに埋められている。
「上手に呑み込めたな、サクヤ」
「は、ぇ」
身体が、繋がっている。胎の深い場所まで、アラナギと繋がっている。
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