或るインキュバスの劣情

はち

文字の大きさ
上 下
3 / 4
或るインキュバスの劣情

3

しおりを挟む
 夏の終わりが近づいて、僕は天気予報を眺めることが増えた。

 その日は、午後から雨の予報だった。予報通り昼過ぎから降り出した雨に、僕の胸は騒ぎ出す。
 楽しみだな。
 今日はおじさんに最後の仕上げをするんだ。

 僕は着替えると、おじさんの足音を待った。
濡れた足音が聞こえて、僕は家を飛び出した。
 スーパーの袋とビニール傘を提げて帰ってきたおじさんの姿が見えて、僕は駆け寄っておじさんに抱きついた。

「おかえりなさい」

 見上げると同時に僕は催眠をかけた。もう、そんなに強くかけなくてもおじさんは僕を拒めない。

「ハルトか、ただいま」
「おじさん、遊ぼ」
「ああ。夕方までな」

 おじさんは微笑むと僕の手を大きな手で頭を撫でてくれた。嬉しいな。そっと手を取られ、おじさんは僕の手を引いて家に入れてくれた。
 はやくいっぱいしたいけど、今日は我慢しなきゃ。出すなら、おじさんの口に出したいから。

 おじさんの魂に、僕とのセックスが気持ちいいことだって何度も教えて、そろそろおじさんは僕じゃないとダメになってるはず。だから今日は、その仕上げ。僕の濃いザーメンを飲ませて、僕と契約してもらうんだ。

「おじさん、雨に濡れたら風邪ひいちゃうよ。お風呂入ろ」

 雨の中を帰ってきたおじさんの肩は濡れていた。お風呂に誘うと、おじさんはすんなり頷いてくれた。

「ああ、支度するから少し待ってくれ」

 おじさんはキッチンに行ってビニール袋の中身を冷蔵庫にしまうと、僕をお風呂場までエスコートしてくれた。

 一緒に裸になって、二人でお風呂に入る。身体を洗って、シャンプーをして、身体がきれいになったところで僕はバスタブの縁に座った。

「おじさん、僕のちんちん、舐めて?」

 僕のおねだりに、おじさんはバスタブの縁に座った僕の前に跪くと、迷う様子もなく僕のおなかに顔を近づけた。
 芯を持って天を仰ぐ僕の昂りに、おじさんがキスをして、熱い舌が根元から舐め上げる。

 嬉しくてため息が漏れた。おじさんの厚い舌が、震える僕のちんちんを撫でていく。涎をいっぱい絡めた舌は熱くて、僕は思わず甘い声を漏らした。

「ん、う、おじさん、気持ちいい」

 僕がおじさんの髪を撫でると、おじさんは勃ち上がった僕のを口の中に招き入れた。
 口の含まれると、熱くてとろとろですぐいきそうだった。
 優しく吸われながら出し入れされて、おじさんの熱い舌の上で、僕のが跳ねた。気持ちいい。
 ずっと我慢してたから、すぐにいっちゃった。
 いっぱい、おじさんの口に出した。何度も跳ねて、脈打って、熱い白濁をおじさんの口の中に吐き出す。止まらないんじゃないかって思うくらい、何度も。
 おじさんは飲んでくれた。喉がこくんと鳴って、全部飲んでくれたみたい。よかった。

 インキュバスの精液には、相手を虜にする魔力がある。今日は特別に濃いのを飲ませたから、もうおじさんは僕からは逃げられない。僕のものだ。

「はると、はると」

 ほら、効いてきた。おじさんはもう、僕が欲しくて仕方ないみたい。うっとりした顔で、僕の緩く反り返ったちんちんにしゃぶりついた。おじさんに吸われて、僕のはまた芯を取り戻す。

「おじさん、もっとして」

 僕は顔を上げたおじさんの顎に手を添える。

「ん、は」
「ほら、ここ。おじさんが欲しくて、ひくひくしてる」

 僕は脚を拡げてみせた。
 僕のお尻の窄まりがおじさんの目に晒される。
 はしたなくひくつく窄まりを見られるのはどきどきする。
 はやく、おじさんのおっきいのをおなかいっぱいに感じたい。
 涎が溢れて、頬が緩んじゃう。

「入れて、おじさん」

 僕のおねだりに、おじさんは僕を抱え上げるとタイルの上に胡座をかいて座った。おじさんの足の上に、向き合うようにして座らされる。
 引き締まったお腹の下には、反り返る逞しい、おじさんのが見える。
 張り出したエグい雁首、赤黒くて、たくさんの血管が絡み付いた幹、ぱんぱんに張り詰めた陰嚢と、濃い茂み。
 僕は思わず喉を鳴らしていた。

「おいで、ハルト」
「んあ」

 抱き抱えるみたいに持ち上げられて、おじさんの手が僕のお尻を鷲掴みにして拡げる。
 ひくつく孔に、熱いおじさんのが触れて僕は息を呑んだ。
 そのまま、おじさんのが深くまで沈んだ。

「あう、う」

 背中がしなる。
 気持ちいい。胡座をかいたおじさんに抱き上げられて、繋がってる。
 僕の重みで勝手に深く挿さるから、根元まで飲み込んで、おへその下までおじさんのが届いてる。

「はると」
「きもちいい? おじさん」
「ああ、きもちいい」
「ふふ、よかった」

 いま、催眠をといたら、どうなるかな。
 もう、精液を飲んだから、僕からは離れられないはず。
 僕は胸に湧いてくる好奇心に従って、おじさんのおでこに手を伸ばして、指先でおでこを撫でた。これでおじさんの催眠は解ける。
 やっと、まっさらなおじさんに会える。
 催眠が解けたおじさんは、瞬きをする。何が起きたのかわかってないみたいだ。

「ふ、は……え?」

 惚けた顔でおじさんが僕を見た。顔を見て、それから裸なことに気がつく。

「おじさん?」
「ハルト、あ、え」

 おじさんも僕も裸だ。それに、おじさんのちんちんは僕の中に入ってる。深く繋がってるから、言い逃れなんてできない。

「ッ! はる、と、こ、これは」
「おじさん、覚えてない?」

 僕が見上げると、おじさんは狼狽えながら視線を彷徨わせる。

「っ、すまない、ハルト、これは」

 おじさんはどうしてこうなってるのわからないみたい。無理もないよね。ずっと、僕が催眠をかけてたから。

「いいよ。僕、おじさんが好きだから」
「ハルト?」
「これは、おじさんと、僕だけの秘密にしよう」

 僕が言うと、おじさんは躊躇いがちに頷いた。

「おじさん、もっと、僕で気持ちよくなって」
「っう、あ」

 僕が腰を揺らすと、おじさんは呻くような甘く低い声を漏らした。

「ふふ、すごい。中でおっきくなった」
「はると、すまない、俺は」
「ふふ、いいよ」

 見上げたおじさんの目は、薄暗い欲望に染まってぎらついていた。僕が待ち望んでいたものだ。まっさらなおじさんの欲望。剥き出しのおじさんの本能。
 嬉しくておなかがきゅんきゅんと疼く。
 それに応えるみたいに、僕の中でおじさんがしゃくりあげた。

「いっぱい、気持ちよくなって」

 僕が囁くと、おじさんは喉を鳴らした。

 おじさんが夢中で腰を振る。力任せに突き上げられて、本物のおじさんの貪るような動きに頭の芯まで痺れるみたいだ。
 ずっと欲しかった。おじさんが、自分の意思で僕を抱いてる。

 ふふ。こんなに早く、僕のものにできるなんて。
 帰ったら、パパとママに報告しなきゃ。

「おじさん、気持ちいい」
「はると、はると」

 粘つく音を立てて、おじさんの逞しいものが僕のお尻を出入りする。

「っ、う」

 低い呻きが聞こえて、おじさんの熱がお腹の中に広がる。僕の中でおじさんの熱い猛りが何回も脈打つのがわかる。
 僕の中でいっぱいいってくれてうれしい。ゆったりと腰を揺すりながら、おじさんは僕を抱きしめてくれた。抱きしめられただけで気持ちよくて、僕はまたいっぱい白いものを吐き出した。

 散々吐き出した精液をシャワーで流して、僕とおじさんはお風呂から出た。おじさんは僕の身体を拭いてくれた。大きな手が、優しく撫でるみたいに動く。

「ハルト、その、大丈夫か?」
「うん、大丈夫、気持ちよかったよ」
「すまない。その、ずっと、お前の夢ばかり見てたんだ。お前と、こういうことをする夢だ。お前はいつも無邪気に笑いかけてくれるのに、俺は……」

 おじさんは罪悪感でいっぱいの顔をした。
 僕は嬉しくて仕方ない。本当に、僕の夢、見てくれてたんだ。

「おじさんのせいじゃないよ」
「え……」

 おじさんは僕の言葉の意味がわかってないみたい。そうだよね。僕の催眠にかかっていたなんて、おじさんは知らないんだから。

「おじさん、僕、嬉しいよ? おじさんは、僕のこと好き? 僕と、えっちなことしたい?」
「ハルト……」
「教えて、おじさん」

 背伸びしておじさんのほっぺを撫でると、おじさんの逞しい喉仏が上下に動いた。

「俺は……」
「僕は、おじさんが好き。おじさんといっぱいしたい。気持ちいいこと、いっぱいしたいよ?」

 首を傾げると躊躇うおじさんにきつく抱きしめられた。

「好きだ、ハルト」
「ん、僕もすき」

 あは。やっと堕ちてきてくれた。これで僕とおじさんの契約は成立だ。
 おじさんは、もうずっと僕のものだ。
 悪魔にしか見えない、僕だけの紋章をおじさんのうなじに刻んだ。
 これでもう誰にも取られない。ずっと、僕のものだ。

 嬉しくて、顔が緩んじゃう。
 汚くて、どうしようもなく純粋なおじさんの好きが、ずっと僕の中に響いていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

目の前に色男が!早速ケツを狙ったら蹴られました。イイ……♡

ミクリ21
BL
色男に迫ったら蹴られた話。

父のチンポが気になって仕方ない息子の夜這い!

ミクリ21
BL
父に夜這いする息子の話。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...