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きみのくちびるで
プレイ
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週末は大抵家で過ごす吉井と羽鳥だったが、プレイとして二人で外に出ることはあった。
決まって夜。風呂上がり。
「保さん、コンビニ行かない?」
「え、うん、でも」
羽鳥が部屋着にしているTシャツの胸元が濡れているのを吉井は知っている。それが理由で躊躇っていることも。
「パーカー羽織ったら、誰もわからないよ」
だから、吉井はいつもより少しだけ抑えた声で、その躊躇いを取り払うように優しい声を耳元に吹き込む。
その声に、羽鳥は少しだけ俯いて、頬を赤く色付かせた。
「……そうだね、じゃあ、行こうか」
応える羽鳥の声に拒絶の色は欠片もなく、微かな喜びを滲ませていた。
そうやって二人で近所のコンビニまで夜食だったり酒だったりを買いに行く。
ほんの五分かそこらの距離でも、吉井が一緒なのでフェロモンに反応して羽鳥の身体はミルクを出す。
駅から羽鳥の家まで二人で歩いたり、コンビニまで買い物に行ったり。羽鳥の恥ずかしがるところが見たくて、少しだけ外に連れ出すことはあった。
αの羽鳥は穏やかな方だと思う。元々の性格や年齢のせいもあるだろうが、どちらかといえば吉井の方が気が強いくらいだ。
そして、羽鳥には少しばかりMの気があることに吉井は気付いていた。本人にその自覚があるかはわからない。それでも、母乳が出る状態で外に連れ出すことを躊躇う様子はあっても嫌がることはなく、その後の搾乳での緩めの言葉責めも興奮材料になっているようだった。
もちろん、プレイの後はたくさん褒めるし甘やかす。羽鳥との行為は、吉井にはすっかりなくてはならないものになっていた。
部屋に戻って、支度をして、二人は足早に寝室に向かった。
服を脱ぎ、ベッドに倒れ込んで、どちらからともなく抱き合う。互いの体温が混ざり合って、触れ合う部分はうっすらと汗を滲ませていた。
横向きになって視線を絡める。
「保さん、どうだった?」
「すごい、ドキドキした」
「ふふ、いっぱい濡れてる」
白い蜜で汚れた胸の肉粒を、吉井は指先で撫でる。そうしている間にも白い蜜はとろとろと溢れて吉井の指を汚した。
「ほまれ、くん」
「保さん、かわいい。乳首、大きくなったね」
くすんだピンクだった肉粒は充血して赤くなっている。初めての頃に比べれば少し育ったように見えるそれを指先で掠めるように撫でると、羽鳥の唇からは控えめな甘い声が漏れる。
「ん、ほまれくんがいっぱい吸うから」
羞恥を煽られた羽鳥は眉を寄せ、頬を染めた。
行為の度に胸を弄られ、吸われて、羽鳥の胸はすっかり性感帯の一つになっていた。
「ふ、えっちだね。かわいい」
震える肉粒に唇を寄せ、細く息を吹きかけてやると、羽鳥は声を上擦らせて啼いた。
「や、あ」
「いっぱい溢れてきたね、保さん」
指先でくるくると薄い乳輪をなぞってやると、羽鳥は身体を震わせる。
「搾乳器、使っていい?」
「ん、いいよ」
羽鳥の了承を得て、吉井は身体を起こすとベッドサイドから洗って準備の済んだ搾乳器を手に取った。
ベッドに横たわった羽鳥はクッションを積んで上体を起こした。
ベッドサイドのルームランプに、羽鳥の胸板が照らされる。
深さのある吸盤のような透明なカップを羽鳥の胸に密着させ、トリガーのようなレバーを押すと中の空気が抜けて搾乳器はミルクを吸い出す。
「っあ、すごい、吸われて」
羽鳥が小さく身体を震わせた。
羽鳥の膨らんだ乳首からは白い蜜がとろとろと溢れ、搾乳器の下についたボトルに溜まっていく。
「っあ、う」
吉井がトリガーを押し込むたびに蜜を吸い出されて、羽鳥は甘い声で啼き、身体を捩った。
「ん、ふ」
手の甲で恥ずかしげに口元を隠しても、漏れる嬌声は止められない。ゆっくりとトリガーを押すと、無機物が羽鳥の乳首を吸い、溢れるミルクを吸い上げて小ぶりなボトルの中に白い蜜を溜め込んでいく。
「ふふ、保さん、ぴくぴくしてる。気持ちいい?」
「ん、気持ちいい」
吉井の手が、絞り出すように胸筋を揉む。
胸を吸うのと違って、羽鳥の表情が見ていられるのは新鮮だった。赤みの差した目元は煽情的で、震える唇は唾液で濡れていた。
吸われる乳首が震えるさまも見られて、吉井は思わず喉を鳴らした。
「っあ、ほまれ」
滲み出るそばから、白い蜜が吸い上げられて下の小さなボトルにな溜まっていく。
「ほまれ」
逞しい胸を揉まれながら、無機物に胸を吸われる羽鳥。恥ずかしいのか、気持ちいいのか、眉を寄せて、吉井を見る。
「っう、ほまれ」
甘い声が繰り返し吉井を呼ぶ。
「はは、それ、めちゃくちゃエロい」
呼ばれるたび、吉井の腹の底に熱く重たいものが溜まっていく。甘い声ばかり聞かされるのは耳に毒だ。
もう、腹の下ではすっかり芯を持った性器が下生えから聳り立っている。
「ほまれ、吸って」
吉井はトリガーをゆっくりと押し込み、吸引する。
ぷくりと腫れた乳首が胸に押し付けられたカップの中で震え、白い蜜を吹き出す。
吸い出された白い蜜がとろとろとボトルに溜まって、もう半分ほどになっていた。
「あ、う……ン」
反対側に付け替えると、羽鳥は首を横に振る。
「んく、やだ、それじゃなくて」
懇願するような、切実な声色だった。
「ほまれがいい。ほまれのくちびるで、すって」
まさかそんなおねだりをされるとは思わず、吉井は搾乳器を外し、サイドテーブルに置いた。
淡い金色のルームランプに照らされ、逞しい胸板の上では二つの肉粒が震えていた。
吉井は迷わず唇を寄せた。
「あう」
吸い付くと、羽鳥が甘えた声を上げる。
αの羽鳥が、Ωの自分の手でこんなにも乱れるということが、堪らなく支配欲を刺激する。
吉井はわざと舌を伸ばして、舌先で撫で上げる。
舌先に触れる小さなしこりは、それだけで温かな蜜を飛ばした。
「んう」
羽鳥は背を丸めて吉井の頭を抱き込み、身体を震わせる。
「ふ、えっちな味」
甘い匂いに負けないくらい、羽鳥の蜜は甘かった。見上げた吉井が笑うと、羽鳥も笑った。
「いっぱい飲んで、いっぱいえっちになって、ほまれ」
脳まで揺らすような、甘い声。そんなことを言われて、ぐらついていた理性の箍は簡単に外れた。
吉井の手が弾力のある羽鳥の胸を揉みしだき、濡れた唇で膨らんだ乳首をきつく吸い上げる。
とくんとくんと溢れる温かな蜜を啜り、白く汚れた唇で羽鳥を呼ぶ。
「ん、たもつさ」
吸えば吸っただけ溢れてくる白い蜜は、吉井の理性を一枚ずつ剥がし、フェロモンをじわりと濃くした。
決まって夜。風呂上がり。
「保さん、コンビニ行かない?」
「え、うん、でも」
羽鳥が部屋着にしているTシャツの胸元が濡れているのを吉井は知っている。それが理由で躊躇っていることも。
「パーカー羽織ったら、誰もわからないよ」
だから、吉井はいつもより少しだけ抑えた声で、その躊躇いを取り払うように優しい声を耳元に吹き込む。
その声に、羽鳥は少しだけ俯いて、頬を赤く色付かせた。
「……そうだね、じゃあ、行こうか」
応える羽鳥の声に拒絶の色は欠片もなく、微かな喜びを滲ませていた。
そうやって二人で近所のコンビニまで夜食だったり酒だったりを買いに行く。
ほんの五分かそこらの距離でも、吉井が一緒なのでフェロモンに反応して羽鳥の身体はミルクを出す。
駅から羽鳥の家まで二人で歩いたり、コンビニまで買い物に行ったり。羽鳥の恥ずかしがるところが見たくて、少しだけ外に連れ出すことはあった。
αの羽鳥は穏やかな方だと思う。元々の性格や年齢のせいもあるだろうが、どちらかといえば吉井の方が気が強いくらいだ。
そして、羽鳥には少しばかりMの気があることに吉井は気付いていた。本人にその自覚があるかはわからない。それでも、母乳が出る状態で外に連れ出すことを躊躇う様子はあっても嫌がることはなく、その後の搾乳での緩めの言葉責めも興奮材料になっているようだった。
もちろん、プレイの後はたくさん褒めるし甘やかす。羽鳥との行為は、吉井にはすっかりなくてはならないものになっていた。
部屋に戻って、支度をして、二人は足早に寝室に向かった。
服を脱ぎ、ベッドに倒れ込んで、どちらからともなく抱き合う。互いの体温が混ざり合って、触れ合う部分はうっすらと汗を滲ませていた。
横向きになって視線を絡める。
「保さん、どうだった?」
「すごい、ドキドキした」
「ふふ、いっぱい濡れてる」
白い蜜で汚れた胸の肉粒を、吉井は指先で撫でる。そうしている間にも白い蜜はとろとろと溢れて吉井の指を汚した。
「ほまれ、くん」
「保さん、かわいい。乳首、大きくなったね」
くすんだピンクだった肉粒は充血して赤くなっている。初めての頃に比べれば少し育ったように見えるそれを指先で掠めるように撫でると、羽鳥の唇からは控えめな甘い声が漏れる。
「ん、ほまれくんがいっぱい吸うから」
羞恥を煽られた羽鳥は眉を寄せ、頬を染めた。
行為の度に胸を弄られ、吸われて、羽鳥の胸はすっかり性感帯の一つになっていた。
「ふ、えっちだね。かわいい」
震える肉粒に唇を寄せ、細く息を吹きかけてやると、羽鳥は声を上擦らせて啼いた。
「や、あ」
「いっぱい溢れてきたね、保さん」
指先でくるくると薄い乳輪をなぞってやると、羽鳥は身体を震わせる。
「搾乳器、使っていい?」
「ん、いいよ」
羽鳥の了承を得て、吉井は身体を起こすとベッドサイドから洗って準備の済んだ搾乳器を手に取った。
ベッドに横たわった羽鳥はクッションを積んで上体を起こした。
ベッドサイドのルームランプに、羽鳥の胸板が照らされる。
深さのある吸盤のような透明なカップを羽鳥の胸に密着させ、トリガーのようなレバーを押すと中の空気が抜けて搾乳器はミルクを吸い出す。
「っあ、すごい、吸われて」
羽鳥が小さく身体を震わせた。
羽鳥の膨らんだ乳首からは白い蜜がとろとろと溢れ、搾乳器の下についたボトルに溜まっていく。
「っあ、う」
吉井がトリガーを押し込むたびに蜜を吸い出されて、羽鳥は甘い声で啼き、身体を捩った。
「ん、ふ」
手の甲で恥ずかしげに口元を隠しても、漏れる嬌声は止められない。ゆっくりとトリガーを押すと、無機物が羽鳥の乳首を吸い、溢れるミルクを吸い上げて小ぶりなボトルの中に白い蜜を溜め込んでいく。
「ふふ、保さん、ぴくぴくしてる。気持ちいい?」
「ん、気持ちいい」
吉井の手が、絞り出すように胸筋を揉む。
胸を吸うのと違って、羽鳥の表情が見ていられるのは新鮮だった。赤みの差した目元は煽情的で、震える唇は唾液で濡れていた。
吸われる乳首が震えるさまも見られて、吉井は思わず喉を鳴らした。
「っあ、ほまれ」
滲み出るそばから、白い蜜が吸い上げられて下の小さなボトルにな溜まっていく。
「ほまれ」
逞しい胸を揉まれながら、無機物に胸を吸われる羽鳥。恥ずかしいのか、気持ちいいのか、眉を寄せて、吉井を見る。
「っう、ほまれ」
甘い声が繰り返し吉井を呼ぶ。
「はは、それ、めちゃくちゃエロい」
呼ばれるたび、吉井の腹の底に熱く重たいものが溜まっていく。甘い声ばかり聞かされるのは耳に毒だ。
もう、腹の下ではすっかり芯を持った性器が下生えから聳り立っている。
「ほまれ、吸って」
吉井はトリガーをゆっくりと押し込み、吸引する。
ぷくりと腫れた乳首が胸に押し付けられたカップの中で震え、白い蜜を吹き出す。
吸い出された白い蜜がとろとろとボトルに溜まって、もう半分ほどになっていた。
「あ、う……ン」
反対側に付け替えると、羽鳥は首を横に振る。
「んく、やだ、それじゃなくて」
懇願するような、切実な声色だった。
「ほまれがいい。ほまれのくちびるで、すって」
まさかそんなおねだりをされるとは思わず、吉井は搾乳器を外し、サイドテーブルに置いた。
淡い金色のルームランプに照らされ、逞しい胸板の上では二つの肉粒が震えていた。
吉井は迷わず唇を寄せた。
「あう」
吸い付くと、羽鳥が甘えた声を上げる。
αの羽鳥が、Ωの自分の手でこんなにも乱れるということが、堪らなく支配欲を刺激する。
吉井はわざと舌を伸ばして、舌先で撫で上げる。
舌先に触れる小さなしこりは、それだけで温かな蜜を飛ばした。
「んう」
羽鳥は背を丸めて吉井の頭を抱き込み、身体を震わせる。
「ふ、えっちな味」
甘い匂いに負けないくらい、羽鳥の蜜は甘かった。見上げた吉井が笑うと、羽鳥も笑った。
「いっぱい飲んで、いっぱいえっちになって、ほまれ」
脳まで揺らすような、甘い声。そんなことを言われて、ぐらついていた理性の箍は簡単に外れた。
吉井の手が弾力のある羽鳥の胸を揉みしだき、濡れた唇で膨らんだ乳首をきつく吸い上げる。
とくんとくんと溢れる温かな蜜を啜り、白く汚れた唇で羽鳥を呼ぶ。
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