ぜんぶのませて

はち

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いっぱいのませて

おくまで

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「誉くん、お尻、とろとろだよ」

 羽鳥は指先で吉井の後孔から滲み出るぬめりを塗り広げるようにくるくると撫でた。
 ひくつく窄まりに指先を押し付けては離して、わざと粘ついた音を立てて煽ると、吉井の蕾は羽鳥の指を食むように震えて奥へと誘う。

「っあ、ぅ、はや、く」

 吉井の蕩けたおねだりに誘われるまま、羽鳥の中指が窄まりに埋まり、続いて薬指が入る。

「んう」

 昨夜羽鳥を受け入れたせいか、未だ柔らかな吉井の蕾は、簡単に二本の指を飲み込んでしゃぶりつく。
 羽鳥は二本の指で中を拡げ、肉壁越しの膨らみを優しく撫でる。

「んあ、そこ、いい」

 羽鳥が膨らみを押しつぶすように撫でると、吉井は背をしならせた。吉井の昂りがはね、先端からはまた白濁が飛ぶ。
 羽鳥が二本の指でしこりをねっとりと捏ねてやると、吉井は恥ずかしげに身体を捩った。

「んう、たもつ、さ、だめ、出る、から」

 吉井が切羽詰まった声を上げるが、羽鳥は止めるつもりはなかった。二本の指で膨らみの弾力を確かめるように撫で、小刻みに弾く。
 羽鳥の指がしこりに触れるたび、吉井は喉を引き攣らせ、上擦った声を漏らした。

「いいよ、出して」

 羽鳥は促すように優しく言う。
 吉井の零す短い喘ぎは言葉の体をなしていなかった。身体を震わせた吉井の、勃ち上がり震える性器からは透明な飛沫が迸った。

「っあ、やだ、漏らして」

 自分の意思とは関係なく噴き出す透明な体液に、吉井は泣き出しそうな声を上げる。
 愛らしいヘーゼルアイを潤ませ、震える性器を眺める吉井。泣きそうな吉井を宥めるように、羽鳥は頬を撫で、額に唇を寄せた。

「大丈夫、潮だよ。いっぱい気持ちよくなったんだね」
「し、お」

 吉井は唇を震わせた。潮を吹くのは初めてのようだった。羽鳥も、実際にこうして吉井が潮を吹くのを見るのは初めてだった。吉井がそれだけ快感を得ていたのだと思うと、羽鳥はひどく興奮した。
 羽鳥の膝の上に抱えられた吉井が小さく身体を震わせるのすらも愛おしい。

「そう。大丈夫だよ。安心して」
「っふ、ぇ」

 吉井の口元は白い蜜で汚れ、胸と腹には吐き出した体液が散っている。
 白く汚れた腹を撫でて臍のあたりに溜まった体液を掻き混ぜてやると、吉井の腹筋が震えた。
 腹の上を汚す体液がまた羽鳥の劣情を誘う。

「たもつさん、ちんぽ、入れて、おくまで」

 吉井が普段なら使わない、卑猥な言葉を口にする。吉井もフェロモンに当てられているのだろう。散々快感を刷り込まれ、すっかり蕩けた顔で羽鳥を見上げた。

「いいよ、奥まで、よくしてあげる」

 羽鳥は横抱きにしていた吉井を抱え直し、シーツに横たえる。

「はぁ、たもつさん」

 くったりと脱力した吉井はだらしなく脚を拡げ、震える性器と、濡れそぼった蕾が羽鳥の目に晒される。
 羽鳥は吉井の脚の間に陣取り、吉井の脚をさらに拡げた。
 ろくに触っていないというのに、羽鳥の性器は腹につきそうなくらい反り返り、しゃくり上げながら透明な先走りを零していた。すでに臨戦態勢の羽鳥の剛直に、吉井の視線が釘付けになる。

「っは、すご……」

 吉井はうっとりと目を細め、こくんと喉を鳴らした。
 その様を見て、羽鳥はまた腹の底が熱くなるのを感じた。誘われるように、羽鳥は丸く張った先端を吉井の後孔に押し当てる。

「ほまれくん、いい?」
「んぅ、いい、はやく」

 伺いを立てる羽鳥に焦れた吉井が声に焦りを滲ませた。羽鳥は吉井の望むまま、腰を進めていく。

「ん、ゅ」

 わずかな抵抗の後、羽鳥の肉杭が埋まっていく。吉井の中は不規則に幹を締め上げ、羽鳥の口からは苦しげな吐息が漏れた。
 羽鳥は発情した吉井の顔を見下ろす。
 欲情に濡れた目も上気した頬も隠しもせず、吉井は嬉しそうに表情を蕩かした。

「たもつさんの、はいったぁ」

 視線を絡め、鼻先が近づく。

「ふ、ほまれくんの中、気持ちいい」

 どちらからとなく、唇が重なる。深く重ね、舌を絡め、唾液を混ぜ合う。
 唇が離れると、銀糸が伝い、切れた。

「んう、たもつさん、ぐちゃぐちゃにして」

 吉井をシーツに押し付け、浮かせた吉井の腰に、羽鳥は何度も腰を打ち付ける。

「たもつ、さ」

 ぽたぽたと羽鳥の胸から白い蜜が垂れ落ち、吉井を汚す。
 頬に、胸に。羽鳥が腰を揺らす度、羽鳥の快感を代弁するように白い蜜が滴り落ちる。
 吉井はそれを口を開けて受け、頬や胸に散ったものは指で掬って舐めた。

「たもつさんの、おいしい。いい匂い」
「ほまれくん、ふふ、ミルクまみれで、かわいいよ」

 羽鳥が一際強く腰を打ち付ける。
 腹の奥でくぐもった音がした。丸く張った先端が襞をこじ開けて最奥に潜り込む。
 吉井は潮を吹き、喉を晒し、背をしならせる。
 腹の中はきゅんきゅんと収縮して羽鳥を締め上げる。
 撓んだ吉井の尻肉に羽鳥の下生えがざらりと当たる。根元まで羽鳥の剛直を受け入れて、吉井は浅い呼吸を繰り返す。
 見開かれた目は虚空を見つめ、生理的な涙で濡れていた。
 脚が強張り、びくびくと痙攣する。

「っひ、ぁ」

 引き攣った喉から、掠れた声が漏れる。
 絶頂から降りて来られない吉井は、中をうねらせ、羽鳥を締め上げる。

「ほまれくん」
「あ、ぅ、たもつ、さ」
「気持ちいいよ、ほまれくん」

 甘えるようにしゃぶりつく媚肉を振り切るように腰を引き、最奥を突き上げる。
 ごちゅごちゅと突いて、最奥に熱い白濁を吐き出す。吉井のフェロモンがまた濃くなって、羽鳥の胸からは白い蜜が噴き出し、吉井を白く汚した。

「ふ、たもつさん、いっぱい、出てる」
「ほまれくんが、いい匂いだから」

 吉井は蕩けた笑みで羽鳥を見上げた。

「っあ、たもつ、さ、ぅあ」

 吉井は羽鳥の下に閉じ込められたまま、揺さぶられる。

「ほまれくん」

 たっぷりと注がれた精液をかき混ぜ、重たい水音を立てて羽鳥は腰を打ち付ける。

「たもつさん、きもちい」

 吉井は揺すられながら、羽鳥の匂いに包まれてうっとりと羽鳥を見上げる。
 熱い剛直に最奥まで穿たれると、腹の奥まで羽鳥の匂いに染められるようで、吉井の身体が、本能が、歓喜に震える。
 Ωを孕ませるための、本能任せの重く荒いピストン。
 繋がった部分は溢れた白濁が泡立ち、ぐじゅぐじゅといやらしく水音を立てる。

「でな、も、でない、から、ぁ」

 吉井は泣きそうな声を上げ、びくびくと身体を震わせる。ピンと勃ち上がった性器は震えるばかりで、胎の中はうねり、収縮して、羽鳥の射精を誘う。
 羽鳥は腹の底から熱いものが上がってくるのを感じて、喉を鳴らした。

「ほまれくん」
「っぁ、たも、ひゃ」

 羽鳥に揺すられながら、吉井は歓喜を滲ませた声を上げた。
 互いの身体を弄り、貪り合い、気を失うまで二人の交わりは続いた。
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