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ぜんぶのませて
初めてのα
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バスルームで後孔の洗浄をされ、ベッドに移動して、吉井は羽鳥の匂いのするシーツに組み敷かれた。熱くなった吉井の身体はもう自由が利かず、羽鳥にされるがままだった。
シーツから舞い上がる羽鳥の匂いと、羽鳥からするミルクの匂いに包まれて、発情した吉井の思考はたちまちぼやけてしまう。
そんなにロマンチストなわけでもないが、初めてのときはちゃんと好きな人と、手順を踏んでしようと思っていた。そのはずなのに。
吉井の身体はすっかりΩ性に支配されていた。
αの本能を目の当たりにしても不思議と恐怖感はなかった。今まで何を恐れていたのか、もう思い出せない。相手が羽鳥だから、というのは当然あるように思えた。
不思議と、後悔は微塵もなかった。
ただ目の前のαに、胎の奥まで満たされたい。そんな思いばかりが胸に生まれてくる。
膝裏に手をかけて持ち上げられ、脚を思い切り拡げられ、腰を浮かされて。普段誰かに見せることなどない場所が、全て羽鳥の目に晒されている。
すっかり勃ち上がり震える性器も、その根本の薄い下生えも、縮み上がった膨らみも、その少し下のひくつく窄まりも。
恥ずかしいと思うのに、恥ずかしいはずなのに、羽鳥の鳶色の瞳に映っていることが堪らなく嬉しい。
そう思ってしまうことがまた恥ずかしくて、吉井は愛らしいヘーゼルアイを潤ませた。
呼吸はすっかり乱れ、熱い吐息が唇をくすぐる。
「っ、は、たもつ、さ」
吉井の震える唇からは掠れた声が漏れる。
吉井の視線の先には、すっかり臨戦体勢の羽鳥の昂りがあった。
初めてまともに見るαの逞しい怒張に、吉井の視線は釘付けになっていた。吉井のそれとは比にならない長大な羽鳥の雄の象徴。血管を浮き上がらせ、時折しゃくりあげるそれに、吉井は恐怖を感じることもなく、ただ鼓動を早めていた。
「ほまれくん、入れるよ?」
羽鳥が唇を舐めるのが見えた。
薄い膜越しの逞しい先端をひくつく後孔に押し当てられて、吉井は息を呑んだ。
吉井の蕾は、中から溢れるもので濡れていた。知識はあったが、そこがこんなに濡れるということを吉井は知らなかった。
押し付けられた熱量を、吉井の蕾は食むように受け入れていく。
「ふふ、少ししか慣らしてないのに、柔らかい」
羽鳥の言う通り、後ろを綺麗にするのに少し解しただけだった。それなのに、吉井の後孔はゆっくりと押し拡げられ、痛みもなく羽鳥を呑み込む。
嫌だ。淫乱だと思われたくない。そんなふうに胸がざわつくのに、言葉にできない。震える唇から漏れ出るのは、甘ったるい喘ぎばかりだった。
「ぅ、あ」
「痛くない?」
「ん、へ、き」
羽鳥はただ優しく吉井を気遣ってくれる。
淫乱だとか、やらしいだとか、そんなことは一言も言わない。ただ熱の籠った瞳で吉井を見つめて、微笑むだけだった。
その身に初めてαを受け入れたというのに、吉井の蕾は柔らかく綻び、痛みを感じることもなかった。
痛みに怯えていた吉井は、拍子抜けした。もっと痛くて泣くようなものだと思っていたのに、羽鳥が上手なのか、それともこの発情のせいなのかわからないが、不思議なくら痛みはなく、繋がったところから生まれるのは浮かされるような熱ととろりと胸を満たす快感だった。
中に感じる異物感もすぐに快感に塗りつぶされて、吉井はただ甘く啼くばかりだった。
羽鳥がゆっくりと奥まで入ってくる。隘路を押し拡げ、吉井の様子を伺いながら行き当たりまでその怒張を押し込んでいく。
吉井の中は時折ひくついては、羽鳥に甘えるように締め上げる。
「俺で、よかったの?」
身体を繋げながら、今更な問いが降ってきて吉井は薄く笑った。
羽鳥が欲しくてしかたなかった。
だから、こうして羽鳥に抱かれているのが嬉しい。
「ン、たもつさん、が、いい」
身体の奥まで、羽鳥が入っているのがわかって、胸が震える。
そんな吉井の縋るような視線を受け止めて、羽鳥が笑う。
「ふふ、嬉しい」
その笑みがまた吉井の心を揺さぶる。そんなふうに優しく笑われたら、もっと欲しがってしまいそうだった。
シーツから舞い上がる羽鳥の匂いと、羽鳥からするミルクの匂いに包まれて、発情した吉井の思考はたちまちぼやけてしまう。
そんなにロマンチストなわけでもないが、初めてのときはちゃんと好きな人と、手順を踏んでしようと思っていた。そのはずなのに。
吉井の身体はすっかりΩ性に支配されていた。
αの本能を目の当たりにしても不思議と恐怖感はなかった。今まで何を恐れていたのか、もう思い出せない。相手が羽鳥だから、というのは当然あるように思えた。
不思議と、後悔は微塵もなかった。
ただ目の前のαに、胎の奥まで満たされたい。そんな思いばかりが胸に生まれてくる。
膝裏に手をかけて持ち上げられ、脚を思い切り拡げられ、腰を浮かされて。普段誰かに見せることなどない場所が、全て羽鳥の目に晒されている。
すっかり勃ち上がり震える性器も、その根本の薄い下生えも、縮み上がった膨らみも、その少し下のひくつく窄まりも。
恥ずかしいと思うのに、恥ずかしいはずなのに、羽鳥の鳶色の瞳に映っていることが堪らなく嬉しい。
そう思ってしまうことがまた恥ずかしくて、吉井は愛らしいヘーゼルアイを潤ませた。
呼吸はすっかり乱れ、熱い吐息が唇をくすぐる。
「っ、は、たもつ、さ」
吉井の震える唇からは掠れた声が漏れる。
吉井の視線の先には、すっかり臨戦体勢の羽鳥の昂りがあった。
初めてまともに見るαの逞しい怒張に、吉井の視線は釘付けになっていた。吉井のそれとは比にならない長大な羽鳥の雄の象徴。血管を浮き上がらせ、時折しゃくりあげるそれに、吉井は恐怖を感じることもなく、ただ鼓動を早めていた。
「ほまれくん、入れるよ?」
羽鳥が唇を舐めるのが見えた。
薄い膜越しの逞しい先端をひくつく後孔に押し当てられて、吉井は息を呑んだ。
吉井の蕾は、中から溢れるもので濡れていた。知識はあったが、そこがこんなに濡れるということを吉井は知らなかった。
押し付けられた熱量を、吉井の蕾は食むように受け入れていく。
「ふふ、少ししか慣らしてないのに、柔らかい」
羽鳥の言う通り、後ろを綺麗にするのに少し解しただけだった。それなのに、吉井の後孔はゆっくりと押し拡げられ、痛みもなく羽鳥を呑み込む。
嫌だ。淫乱だと思われたくない。そんなふうに胸がざわつくのに、言葉にできない。震える唇から漏れ出るのは、甘ったるい喘ぎばかりだった。
「ぅ、あ」
「痛くない?」
「ん、へ、き」
羽鳥はただ優しく吉井を気遣ってくれる。
淫乱だとか、やらしいだとか、そんなことは一言も言わない。ただ熱の籠った瞳で吉井を見つめて、微笑むだけだった。
その身に初めてαを受け入れたというのに、吉井の蕾は柔らかく綻び、痛みを感じることもなかった。
痛みに怯えていた吉井は、拍子抜けした。もっと痛くて泣くようなものだと思っていたのに、羽鳥が上手なのか、それともこの発情のせいなのかわからないが、不思議なくら痛みはなく、繋がったところから生まれるのは浮かされるような熱ととろりと胸を満たす快感だった。
中に感じる異物感もすぐに快感に塗りつぶされて、吉井はただ甘く啼くばかりだった。
羽鳥がゆっくりと奥まで入ってくる。隘路を押し拡げ、吉井の様子を伺いながら行き当たりまでその怒張を押し込んでいく。
吉井の中は時折ひくついては、羽鳥に甘えるように締め上げる。
「俺で、よかったの?」
身体を繋げながら、今更な問いが降ってきて吉井は薄く笑った。
羽鳥が欲しくてしかたなかった。
だから、こうして羽鳥に抱かれているのが嬉しい。
「ン、たもつさん、が、いい」
身体の奥まで、羽鳥が入っているのがわかって、胸が震える。
そんな吉井の縋るような視線を受け止めて、羽鳥が笑う。
「ふふ、嬉しい」
その笑みがまた吉井の心を揺さぶる。そんなふうに優しく笑われたら、もっと欲しがってしまいそうだった。
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