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ぜんぶのませて
彼の秘密
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改札を出た二人はタクシーに乗り込んだ。彼が行き先を告げると、タクシーは静かに走り出す。
一緒に後部座席に座った吉井は、隣にいる彼の方をちらりと見遣った。
窓を少し開けて浅い呼吸を繰り返している彼。先程までよりは少し表情は和らいだが、まだ心なしか辛そうだった。
吹き込む風に乗って流れてくる甘い匂いに、それが何かもわからないまま、吉井は胸をざわつかせていた。喉が渇いて、口の中には唾液が溢れる。
αの彼からするのはフェロモンとは違う、甘くて飢餓感を誘うような、不思議な匂いだった。
気になりだすと止まらなくて、何とか気を紛らわせようと吉井は窓の外を見た。
繁華街の賑やかな夜の街が後ろに流れて行く。
さほど興味の無い景色を見送りながら五分ほど走ったところで、タクシーは静かに止まった。
支払いはなんとかαの彼が済ませて、二人でタクシーを降りる。
降りた先にあったのは、レジデンスタイプのマンション。彼の住むマンションのようだった。
吉井の住むアパートとは違い、入り口はオートロックだった。
彼に続いてエントランスを抜けてエレベーターで上層階に上がり、部屋へ向かう。
まだどこか覚束ない足取りの彼をリビングまで連れて行き、ソファに座らせると、ようやく少し落ち着いたようだった。
ソファに深く身体を沈めた彼は、深々と息を吐いた後、吉井を見て微笑んだ。
「ごめんね、ありがとう。ええと……」
「吉井です」
吉井は彼の足元に抱えていた鞄を置いた。高そうな、革のバッグは手入れが行き届いて美しい艶を放っていた。
αは持ち物もいいものを持っているんだなと思うり吉井の持っているリュックも名のあるブランドのものだが、きっと彼のこれは吉井のものとは比にならない金額だろう。
「吉井くん。ごめんね、これ、帰りのタクシー代」
αの彼はスーツの内ポケットから長財布を取り出すが、吉井はそれを断った。
「いいです、そういうつもりでやったんじゃないんで。それより大丈夫ですか?」
「ん、多分、もう大丈夫。ありがとうね」
彼は穏やかに微笑む。
ようやくちゃんと笑ってくれて、吉井は安堵した。笑った顔は穏やかで優しそうな雰囲気で、きっとモテるんだろうな、と思った。
「吉井くんはいい子だね」
「あ、いえ、そんな。すみません。俺こそ、なんか無理やり着いてきちゃって」
少し頭が冷えて、やっぱりお節介が過ぎたかもと思い始める。半ば強引に着いてきたような形になってしまって、吉井は申し訳なく思う。
結局、何が悪いのかはわからずじまいだった。しかしながら、αの彼は顔色も少し落ち着いたし、会話も先ほどよりは滑らかにできるようになったようで、吉井はひとまず安心して帰れそうだった。
彼の家は、当たり前だが、そこらじゅうからαの匂いがした。吉井は落ち着かないが、彼はその方が落ち着くのかもしれない。
それでも、やはり先ほどからの甘い香りはふわりと流れてきては吉井の鼻腔を擽った。
吉井は気になっていたことを口にした。
「あの、香水とか、つけてます?」
「香水?」
「すごくいい匂いだと思って。フェロモンと違う、甘い匂いするから」
吉井の率直な言葉に、彼は気まずそうな顔をした。
「あ……、それ、多分、香水じゃなくて」
声が途切れ、沈黙が流れる。何かまずいことでも聞いてしまったのだろうかと、吉井は眉を下げて彼を見た。
「俺の、母乳じゃないかな……」
αの彼が、恥ずかしそうに言う。最後の方は消え入りそうな声になってほとんど聞き取れなかった。
「え?」
吉井は聞き間違いかと思って思わず聞き返していた。
「あー、母乳って言うのも変か。俺、Ωのフェロモンに当てられて、その、ミルクが出る体質なんだ」
「は?」
吉井は思わず間の抜けた声を上げていた。
到底信じられないような事を言われ、吉井は耳を疑った。
母乳?
ミルク?
その単語がすっと飲み込めずに、吉井は何度も脳内で繰り返す。
αの口から出なさそうな言葉に、吉井は混乱していた。
「信じらんないよね。俺も信じらんないもん」
そんなリアクションには慣れているのか、彼は自嘲気味に笑って、徐ろにスーツのジャケットを脱いだ。
部屋に漂う甘い匂いが濃くなった。
決して嫌な匂いではなかった。フェロモンとはまた違う直接的な甘い匂いに、吉井は生唾を飲み込んだ。
フェロモンではないのに、ひどく惹かれる。
喉の渇きのような、空腹感のような、言いようのない物足りなさが腹の底から込み上げてきて、吉井ははしたないと思いつつも喉を鳴らしていた。
吉井の目は彼の胸に吸い寄せられる。
αの彼が身につけた張りのある生地の白いシャツは、左右の胸から腹にかけての部分がじっとりと濡れている。
それがひどくいやらしく見えて、吉井は腹の底が熱く疼くのを感じた。
αに対して、こんなに明らかに劣情を抱くのは初めてだった。
そんな吉井の様子に気づいていないのか、彼は話を続けた。
「はは、引くよね……。いつもならちょっと滲むくらいなんだけど、今日はやばくて。疲れてたのかな」
「濡れてたの、汗じゃなかったんですね」
ぽつりと零した吉井の言葉に、αの彼は目を見開いた。
「っえ、見えてた?」
「少し」
「マジか……」
αの彼はバレていないと思っていたのか、肩を落として項垂れた。
かと思えば、慌てた様子で脱いだジャケットで濡れたシャツを隠す。
「あ、う、ごめん、気持ち悪いよね」
眉尻を下げて、申し訳なさそうに吉井を見た。
そんな顔しなくてもいいのに、と吉井は思う。少し驚いたが、気持ち悪いとは思わなかった。
「いえ、そんなことないです」
「なんか、こんなふうになるの、初めてで。どうしていいかわかんなくてさ。なんだろ、フェロモンの相性とか、あるのかな」
「なんか、すみません。ていうか、殆ど僕のせい、ですね」
「あ、いや、ごめん、そういう意味じゃ……」
顔を上げた彼は慌てて首を横に振る。
彼が吉井を責めるつもりで言ったのではないことはわかっていた。それでも、吉井のフェロモンに当てられて彼がこんなことになっているのは事実だった。
こんなデリケートな話をあの場で言うわけにもいかなかったのはわかる。仕方ないこととはいえ、吉井は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「あの、名前、聞いていいですか」
「あ、ごめん、言ってなかったね。羽鳥、保です」
「羽鳥さん、俺、責任とります」
吉井は真っ直ぐに羽鳥の顔を見た。
大学生風情が社会人に対して何ができるとも思っていないが、何かしたかった。
「責任、って、そんな、気にしなくていいよ。まあ、たまにあることだし、服は洗濯したらなんとかなるから」
「駅で苦しそうだったのって、多分俺が近くにいたからですよね」
羽鳥がΩのフェロモンに当てられてミルクが出るというのなら、間違いなく原因は吉井だ。
「あ、う……ん」
どうやら、それは間違いないらしい。
また俯いてしまった羽鳥を見て、何とか彼の役に立ちたいと思う反面、吉井の腹の底で、幼い嗜虐心が頭を擡げた。
羽鳥を困らせたい。恥ずかしがらせたい。
彼がどんな顔をするのかを見たいと思ってしまった。目元を、頬を、赤く染めるのか、それともその鳶色の瞳を涙で潤ませるのか。
腹の底でどろりとした欲が湧いて、止まらない。
「すみません、気付かなくて。家までついてきちゃって」
「ほんと、気にしなくて、いいよ。事故みたいなもんだし、家まで連れてきてくれて、助かったし」
そうは言っても、吉井はタクシーを捕まえて、カバンを持ってついてきただけだった。胸を張って手助けをした、とは言い難い。
「何か手伝えることがあったら、言ってください」
言いながら、もう、素直に帰ろうという気持ちはどこかへ消し飛んでいた。
「そんな、気にしなくて大丈夫、だから」
「でも、普段はこんなにならないんですよね」
「……うん」
「言ってください。何でもしますから」
言わせたい。彼の口から。
Ωのフェロモンに当てられたαはΩに逆らえないと、何かで見たことがあった。それが本当ならいいのに。吉井はそんな仄暗い思いを胸に、羽鳥を見つめた。自分の目がぎらついている自覚はあった。
そんな目に気付いているのか、羽鳥はαだというのにどこか怯えたように視線を逸らし、掠れた声を漏らした。
「あ……」
俯いた羽鳥から、絞り出すような小さな声がした。
「……胸が張って、辛いんだ。出すの、手伝ってほしい」
絞り出すような声だった。吉井は思わず生唾を飲んだ。背を、甘い痺れが駆け抜け、小さく身震いした。
彼の口から待ち望んだ言葉が零れたことに驚きながらも、その胸に広がるのは紛うことなき歓喜だった。
一緒に後部座席に座った吉井は、隣にいる彼の方をちらりと見遣った。
窓を少し開けて浅い呼吸を繰り返している彼。先程までよりは少し表情は和らいだが、まだ心なしか辛そうだった。
吹き込む風に乗って流れてくる甘い匂いに、それが何かもわからないまま、吉井は胸をざわつかせていた。喉が渇いて、口の中には唾液が溢れる。
αの彼からするのはフェロモンとは違う、甘くて飢餓感を誘うような、不思議な匂いだった。
気になりだすと止まらなくて、何とか気を紛らわせようと吉井は窓の外を見た。
繁華街の賑やかな夜の街が後ろに流れて行く。
さほど興味の無い景色を見送りながら五分ほど走ったところで、タクシーは静かに止まった。
支払いはなんとかαの彼が済ませて、二人でタクシーを降りる。
降りた先にあったのは、レジデンスタイプのマンション。彼の住むマンションのようだった。
吉井の住むアパートとは違い、入り口はオートロックだった。
彼に続いてエントランスを抜けてエレベーターで上層階に上がり、部屋へ向かう。
まだどこか覚束ない足取りの彼をリビングまで連れて行き、ソファに座らせると、ようやく少し落ち着いたようだった。
ソファに深く身体を沈めた彼は、深々と息を吐いた後、吉井を見て微笑んだ。
「ごめんね、ありがとう。ええと……」
「吉井です」
吉井は彼の足元に抱えていた鞄を置いた。高そうな、革のバッグは手入れが行き届いて美しい艶を放っていた。
αは持ち物もいいものを持っているんだなと思うり吉井の持っているリュックも名のあるブランドのものだが、きっと彼のこれは吉井のものとは比にならない金額だろう。
「吉井くん。ごめんね、これ、帰りのタクシー代」
αの彼はスーツの内ポケットから長財布を取り出すが、吉井はそれを断った。
「いいです、そういうつもりでやったんじゃないんで。それより大丈夫ですか?」
「ん、多分、もう大丈夫。ありがとうね」
彼は穏やかに微笑む。
ようやくちゃんと笑ってくれて、吉井は安堵した。笑った顔は穏やかで優しそうな雰囲気で、きっとモテるんだろうな、と思った。
「吉井くんはいい子だね」
「あ、いえ、そんな。すみません。俺こそ、なんか無理やり着いてきちゃって」
少し頭が冷えて、やっぱりお節介が過ぎたかもと思い始める。半ば強引に着いてきたような形になってしまって、吉井は申し訳なく思う。
結局、何が悪いのかはわからずじまいだった。しかしながら、αの彼は顔色も少し落ち着いたし、会話も先ほどよりは滑らかにできるようになったようで、吉井はひとまず安心して帰れそうだった。
彼の家は、当たり前だが、そこらじゅうからαの匂いがした。吉井は落ち着かないが、彼はその方が落ち着くのかもしれない。
それでも、やはり先ほどからの甘い香りはふわりと流れてきては吉井の鼻腔を擽った。
吉井は気になっていたことを口にした。
「あの、香水とか、つけてます?」
「香水?」
「すごくいい匂いだと思って。フェロモンと違う、甘い匂いするから」
吉井の率直な言葉に、彼は気まずそうな顔をした。
「あ……、それ、多分、香水じゃなくて」
声が途切れ、沈黙が流れる。何かまずいことでも聞いてしまったのだろうかと、吉井は眉を下げて彼を見た。
「俺の、母乳じゃないかな……」
αの彼が、恥ずかしそうに言う。最後の方は消え入りそうな声になってほとんど聞き取れなかった。
「え?」
吉井は聞き間違いかと思って思わず聞き返していた。
「あー、母乳って言うのも変か。俺、Ωのフェロモンに当てられて、その、ミルクが出る体質なんだ」
「は?」
吉井は思わず間の抜けた声を上げていた。
到底信じられないような事を言われ、吉井は耳を疑った。
母乳?
ミルク?
その単語がすっと飲み込めずに、吉井は何度も脳内で繰り返す。
αの口から出なさそうな言葉に、吉井は混乱していた。
「信じらんないよね。俺も信じらんないもん」
そんなリアクションには慣れているのか、彼は自嘲気味に笑って、徐ろにスーツのジャケットを脱いだ。
部屋に漂う甘い匂いが濃くなった。
決して嫌な匂いではなかった。フェロモンとはまた違う直接的な甘い匂いに、吉井は生唾を飲み込んだ。
フェロモンではないのに、ひどく惹かれる。
喉の渇きのような、空腹感のような、言いようのない物足りなさが腹の底から込み上げてきて、吉井ははしたないと思いつつも喉を鳴らしていた。
吉井の目は彼の胸に吸い寄せられる。
αの彼が身につけた張りのある生地の白いシャツは、左右の胸から腹にかけての部分がじっとりと濡れている。
それがひどくいやらしく見えて、吉井は腹の底が熱く疼くのを感じた。
αに対して、こんなに明らかに劣情を抱くのは初めてだった。
そんな吉井の様子に気づいていないのか、彼は話を続けた。
「はは、引くよね……。いつもならちょっと滲むくらいなんだけど、今日はやばくて。疲れてたのかな」
「濡れてたの、汗じゃなかったんですね」
ぽつりと零した吉井の言葉に、αの彼は目を見開いた。
「っえ、見えてた?」
「少し」
「マジか……」
αの彼はバレていないと思っていたのか、肩を落として項垂れた。
かと思えば、慌てた様子で脱いだジャケットで濡れたシャツを隠す。
「あ、う、ごめん、気持ち悪いよね」
眉尻を下げて、申し訳なさそうに吉井を見た。
そんな顔しなくてもいいのに、と吉井は思う。少し驚いたが、気持ち悪いとは思わなかった。
「いえ、そんなことないです」
「なんか、こんなふうになるの、初めてで。どうしていいかわかんなくてさ。なんだろ、フェロモンの相性とか、あるのかな」
「なんか、すみません。ていうか、殆ど僕のせい、ですね」
「あ、いや、ごめん、そういう意味じゃ……」
顔を上げた彼は慌てて首を横に振る。
彼が吉井を責めるつもりで言ったのではないことはわかっていた。それでも、吉井のフェロモンに当てられて彼がこんなことになっているのは事実だった。
こんなデリケートな話をあの場で言うわけにもいかなかったのはわかる。仕方ないこととはいえ、吉井は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「あの、名前、聞いていいですか」
「あ、ごめん、言ってなかったね。羽鳥、保です」
「羽鳥さん、俺、責任とります」
吉井は真っ直ぐに羽鳥の顔を見た。
大学生風情が社会人に対して何ができるとも思っていないが、何かしたかった。
「責任、って、そんな、気にしなくていいよ。まあ、たまにあることだし、服は洗濯したらなんとかなるから」
「駅で苦しそうだったのって、多分俺が近くにいたからですよね」
羽鳥がΩのフェロモンに当てられてミルクが出るというのなら、間違いなく原因は吉井だ。
「あ、う……ん」
どうやら、それは間違いないらしい。
また俯いてしまった羽鳥を見て、何とか彼の役に立ちたいと思う反面、吉井の腹の底で、幼い嗜虐心が頭を擡げた。
羽鳥を困らせたい。恥ずかしがらせたい。
彼がどんな顔をするのかを見たいと思ってしまった。目元を、頬を、赤く染めるのか、それともその鳶色の瞳を涙で潤ませるのか。
腹の底でどろりとした欲が湧いて、止まらない。
「すみません、気付かなくて。家までついてきちゃって」
「ほんと、気にしなくて、いいよ。事故みたいなもんだし、家まで連れてきてくれて、助かったし」
そうは言っても、吉井はタクシーを捕まえて、カバンを持ってついてきただけだった。胸を張って手助けをした、とは言い難い。
「何か手伝えることがあったら、言ってください」
言いながら、もう、素直に帰ろうという気持ちはどこかへ消し飛んでいた。
「そんな、気にしなくて大丈夫、だから」
「でも、普段はこんなにならないんですよね」
「……うん」
「言ってください。何でもしますから」
言わせたい。彼の口から。
Ωのフェロモンに当てられたαはΩに逆らえないと、何かで見たことがあった。それが本当ならいいのに。吉井はそんな仄暗い思いを胸に、羽鳥を見つめた。自分の目がぎらついている自覚はあった。
そんな目に気付いているのか、羽鳥はαだというのにどこか怯えたように視線を逸らし、掠れた声を漏らした。
「あ……」
俯いた羽鳥から、絞り出すような小さな声がした。
「……胸が張って、辛いんだ。出すの、手伝ってほしい」
絞り出すような声だった。吉井は思わず生唾を飲んだ。背を、甘い痺れが駆け抜け、小さく身震いした。
彼の口から待ち望んだ言葉が零れたことに驚きながらも、その胸に広がるのは紛うことなき歓喜だった。
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