ミロクの山

はち

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悠真編

熟れた胎

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 目覚めた悠真の身体は清められていた。こびりついた残滓は跡形もなく、悠真の白い身体に纏うものはない。一糸纏わぬ姿でミロクの腕の中に大事に抱えられていた。

 悠真は腕の中から這いだすこともせず、ミロクに擦り寄った。

「ミロクさま」
「悠真、おはよう」

 ミロクは甘やかに微笑み、見上げる悠真の頬を撫でた。

「からだは、大丈夫か」

 気遣う声とともに、ミロクの指先がくすぐるように臍の周りを撫でた途端。

「ンア!」

 悠真の腹の中で、突然あぶくが生まれた。
 何か、丸く弾力のあるものが、次々に腹の中に生まれ出てくる。覚えのない感覚だった。

「ん、ひあ、ひゃ、あ、なに、こぇ」

 悠真は、何が起きているかわからないまま、弾けるような感覚が生まれるたびに身体を跳ねさせた。

「ミロクさま、はら、ぽこぽこする」

 自らの身体に起きた異変に、悠真は瞳を潤ませ戸惑うばかりだった。

「ふふ、それは卵だよ、悠真。お前と私の子が宿る卵だ」
「たま、ご」

 入れられるのとは違う、自らの腹から生まれる感覚は初めてで、悠真はあぶくの生まれ続ける腹をおそるおそる撫でた。

「はう、止まんない、ミロクさま」
「お前の胎は、素直で良い胎だ」

 悠真の震える手に手を重ね、うっとりとした声でミロクは続けた。

「たくさん精を注いで、快楽を食わせてやろう、悠真」

 ミロクの唇が、悠真の耳元で囁く。
 その甘い声は、悠真の脳髄まで蕩かした。

「はい、ミロクさま」

 応える悠真の声はすっかり悦楽に染まり、媚びるような甘さを孕んでいた。



 熟れた花嫁の胎は、ミロクから粘液を注がれなくとも受け入れる支度をするようになった。悠真の後孔は自ずと潤み、解してやらなくとも蕾は喜んでミロクを呑み込む。
 それどころか、入れてもらえないとせつなく疼くほどだった。

「ミロクさま、はやく、ほしい」

 悠真は横たわるミロクの下腹に顔を埋め、異形の猛りに舌を這わせ、奉仕していた。
 卵を抱える腹はうっすらと膨らんでいた。身動ぎするたびに腹の中で卵が揺れ、それが堪らない快感となり悠真を昂らせた。花芯は反り返り、物欲しげに先走りを垂らしていた。

「おいで、悠真。自分で入れてごらん」

 ミロクに誘われるまま、悠真は身体を起こし、寝そべったミロクに跨る。これから与えられる快感を思うと腹の重さなどさしたる問題ではなかった。
 悠真は息が荒くなるのも隠さず、膝立ちでミロクを見下ろす。その目には、情欲の火が揺らめいていた。

「いい子だ。ゆっくり、腰を落として」

 悠真は言われるまま、ミロクの猛りに手を添えて腰を下ろしていく。
 ひくつく後孔は押し当てられたミロクの楔にしゃぶりつく。

「っあ」

 触れただけで、悠真は上擦った声を上げた。熱いミロクの雄が、しゃくりあげながら綻ぶ蕾に押しつけられる。
 悠真はそのまま腰を落としていく。ミロクの先端が柔らかな蕾をこじ開けて隘路を拓いていく。

「あうぅ」

 悠真の太腿が震える。自重で、呑み込んだ楔が奥の窄まりまで届く。

「みろくさまぁ」

 濡れた瞳が縋るようにミロクを見つめる。
 動きたいのに、中を埋める快感の強さに身動きが取れなかった。
 動けないでいる悠真を、ミロクは下からそっと突き上げ、揺さぶる。

「うあ、すき、ミロクさま」

 下から突き上げられて、悠真は譫言のように声を漏らす。何度も、繰り返し一定のリズムで揺すられる悠真はミロクの優しい律動に身を委ねた。
 熱を孕む快感が湧く。それはまるでミロクを受け入れるはらわたを熱く蕩かすようだった。

「気持ちいい、はら、溶けるぅ」

 揺られ、悠真は時折身体を震わせ、ミロクから与えられる快感を享受する。

「悠真、奥を開けて」

 ミロクに奥を突かれ、悠真は身体を仰け反らせた。そこはもう何度も陥落し、ミロクを受け入れることを覚えている。何度も卵を通した襞は柔らかく、容易く楔を咥え込もうとする。

「は、ひ」

 悠真の背がしなった。だらしなく開いた唇からは引き攣った喘ぎが漏れ、溢れた唾液が顎まで伝い落ちた。
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