ミロクの山

はち

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悠真編

神のための胎

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 白い布団の上、悠真は縫い止められたように動けなかった。
 だらしなく開いた脚の間にはミロクが腰を割り込ませ、後孔にはミロクの下肢から伸びた肉色の触手が埋め込まれていた。

「ミロクさま」

 深いところまで潜り込んだそれは、ゆったりと柔い粘膜を擦る。
 凹凸のないそれは胎内を埋め、粘液を塗りつけるように悠真の腹の中を擦った。

「っう、あつ、い」

 悠真の薄い腹が小さく震えた。腹の中をゆったりと動く触手は、漣のような快感を生む。粘液には何か入っているのか、腹の中が溶けるように熱い。
 悠真は眉を寄せ、熱い息を吐いた。

「いい子だね、悠真」

 触手は小さなストロークで出入りを繰り返しながら、奥の窄まりまで届いた。
 そこを優しく撫でられると、腹の奥から甘やかな小波が広がっていく。

「ふあ、ぅ」

 甘い声が漏れる。自分の口から出ているのだと、まだ信じられなかった。

「悠真、ここを開けてくれ」
「は、ぇ?」

 奥の窄まりに、張り詰めた触手の先端が押し付けられる。何のことかわからないでいると、触手の丸く張った先端に圧をかけられた。

「あう」

 押し付けられる弾力に、奥の襞がしゃぶりつく。

「悠真の胎は素直だな」

 ミロクが嬉しそうに表情を溶かした。
 媚びるような襞を捏ね回され、悠真はただ声を震わせるばかりだった。
 腹の中で、自分がこんなに快感を得られるなんて思わなかった。
 やがて緩み始めた窄まりに、ミロクは何度も触手を押し付けた。

「悠真」

 ねだるように甘やかに呼ばれて、悠真は身体を震わせた。
 途端に全身を駆け抜ける痺れに似た甘い感覚に、悠真は目を見開く。

「ッ、あ、ぇ……」

 何が起きたのかわからなかった。
 腹が熱く濡れ、脚は勝手に跳ねて、眦からは涙が一筋流れ落ちた。何もかもが悠真の意思とは関係なくて、混乱する。
 腹からは、快感がざわめきのように全身に広がる。

「上手だな、悠真」

 ミロクに言われても何のことかわからず、悠真はただはくはくと唇を震わせることしかできなかった。

「ここまで入った」

 ミロクの指先が臍の下をそっとなぞる。
 視線をそちらへ向けると、臍の下が歪に膨らんでいた。

「は、ひ」

 息が上手くできないのは、快感のせいだ。
 浅い呼吸を繰り返し、悠真は薄い胸を喘がせる。
 頭の芯まで快感に染められて、悠真はもうまともにものを考えられなかった。漏れる声も、言葉の体をなさない甘い喘ぎばかりだ。

「この奥に、卵を入れる。山を富ませる、卵だ」

 ミロクが愛おしげに薄い腹を撫でる。

「そうしたら、精を注ぐ」
「たま、ご?」

 震える唇でなんとか言葉を紡ぐ。

「お前の胎で快楽を食い、育つ。私の子だよ、悠真」

 背筋を舐め上げるのは期待と怖気だ。いよいよ自分がミロクに孕まされようとしている。恐怖に期待が混じっていることに、悠真は愕然とする。それでも。腹の底から湧く快感は容易く思考を押し流してしまう。

「たくさん、よくしてあげる」

 穏やかな声が告げる悦楽の予感が、悠真を震わせる。

「んあ!」

 ゆっくりと、触手の中を丸いものが通るのがわかる。それは連なるようにして悠真の中へと進んでいく。隘路を拡げ、しこりを弾いて、奥へと潜っていく。

「あ、ひゅ」

 知らない感覚に喉が引き攣る。
 恐怖よりも快感が強かった。

「っ、あ、ミロクさま、ミロクさま」
「かわいい悠真。私の花嫁」

 腹に異物を入れられることなど初めてだった。

「んうぅ、こわい、はら、破れ、ちゃ」
「心配いらないよ、私は花嫁を傷つけない」

 幾つも入っていないはずなのに、悠真の不慣れな腹は限界を訴える。張り詰めて苦しい腹を、ミロクが優しくさすってくれた。

「は、ぅ」

 腹は張って苦しいのに、ミロクに撫でられると堪らなく気持ちがいい。腹の奥が疼いて、悠真の身体はミロクを求め、止まらなかった。
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