ミロクの山

はち

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悠真編

清めの雫

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 ミロクに抱き上げられて連れてこられたのは先ほどの風呂だった。
 服は全て脱がされ、抱き上げられて湯気の満ちた浴室に降ろされた。

「っは、ぁ、ミロクさま」

 熱を帯びた身体を持て余し、何をされるのだろうと思っていると、背後から抱きしめられる。
 尻の間に、何かぬめりを纏ったものが押し付けられた。それはうねうねと生き物のように蠢いている。

「っひ」

 喉が引き攣る。塗りつけられる粘液はむずむずとした快感の気配をもたらした。

「うあ、なに、これ」
「お前の胎は、清めてやらねばならないだろう」
「っ、な、ぇ」

 振り返り視線を落とすと、肉色の何かが、尻のあわいでうねっている。

「っあ、あ」
「これでお前の胎を清める」

 後孔から、とろとろと温かなものが中に流れ込んでくる。それはすぐに腹の中の温度に馴染んだ。
 排泄のための器官であるはずのそこに、粘液を注がれている。

「なん、か、はいっ、ぇ」
「少し我慢してくれ。痛いことはしないから」
「あう、あつ、い」

 自分の喉から出ているとは到底信じられないような甘ったるい声が止まらない。
 温もりの薄い何かで、腹が重たく満たされていく。それはゆっくりと悠真の腹の中の温度に馴染んでいく。
 粘液で満たされた場所は熱くて爛れそうなのに、痛みはなく、ただ気持ちがいい。

「みろく、さま、はら、あつい」
「お前を深くまで可愛がるための準備だ。少しだけ我慢してくれ」

 ミロクの声は淡々と告げた。
 耳朶をくすぐる静かな声すらも悠真に甘やかな快感をもたらす。

「っあ、も、腹、いっぱい、なって」

 白い腹はうっすらと膨らんでいた。
 後孔に押し付けられていたぬめるものがなくなり、窄まりからはとろとろと腹の温度に馴染んだ粘液が溢れ出す。

「っ、あ、だ、め」

 熱いものが内腿を伝い落ちる感覚に、悠真は身を震わせた。

「やだ、ぁ」

 粗相をしている。そう思うと、身体が羞恥に染まる。止めようとしても却って後孔をひくつかせてしまって逆効果だった。
 いうことを聞かない自分の身体に、悠真の瞳が濡れる。

「ミロク、さま、やだ、止まんない」

 怖くて恥ずかしくて、縋るようにミロクを見上げる。ミロクは動じる様子もなく、宥めるように赤く染まった頬を撫でた。

「いいんだよ、悠真。全部、出してごらん」
「っ、や、あ」
「これを出さないと、お前を抱いてやれないんだ」
「ッ、あ」

 抱いてほしいのに、この行為はたまらなく恥ずかしい。脳髄まで痺れるようで、肌の火照りは収まる様子がない。

「ほら、悠真」
「っ、出てるの、はずかし……」
「私しか見ていない。だから、全部見せておくれ、悠真」
「ふあ、あ」

 涙が零れた。恥ずかしいのに気持ちよくて、腹が熱くて、頭の芯まで甘く蕩けるようだった。

「いい子だね」

 ミロクの白い手に頬を撫でられると、肌がざわめく。
 悠真は震えながらとろとろと温もりの移った粘液を垂れ流し続けた。

 どれくらいそうしていたかわからない。張った腹はだいぶましになったような気がするが、その代わりに腹の中が熱い。さっきよりもずっと熱くて、我がかな身動ぎにも甘い疼きを生む。
 ミロクの指先が悠真の臍の下を撫でた。

「ッ、ひ」

 勝手に腹がひくついて、後孔からはまた粘液が噴き出す。

「ふふ、よく頑張ったね、悠真」
「え……?」

 ひくつく後孔を撫でられる。ミロクの指だった。

「ッ、あ、うそ、なん、で」

 そんなところを触られる意味がわからなかった。

「お前を深くまで可愛がると言っただろう?」

 そのまま、ミロクの指が窄まりに埋まっていく。

「あう」

 ゆっくりと、根元まで埋まってしまう。

「ひ、や……」

 悠真の意思とは関係なく、腹の中がミロクの指にしゃぶりついていた。違うと言いたいのに、言葉が出ない。声は溶けてしまって、思うように言葉が紡げなかった。

「あと少しだ、出してしまおうか」

 粘つく音を立てて、腹の中から粘液を掻き出される。
 口が閉じられず、甘く溶けた声が漏れる。
 後孔からは粘ついた音が立った。

「っ、はぁ」
「いい子だ。ほら、もう終わりだ」

 指が引き抜かれる。

「よく頑張ったね、悠真」

 甘やかな声に労われ、こくんと喉が鳴る。
 ミロクは桶でお湯を掬い、粘液に塗れた悠真の下肢を清めてくれた。
 まだ腹の奥には火種がある。ミロクはそれもわかっているのか、悠真の薄い腹を指先で撫でた。

「ご褒美だ。奥まで、愛してあげるよ」

 その言葉は悠真の脳髄まで甘く痺れさせた。
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