ミロクの山

はち

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宗慈編

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 準備を終えた宗慈は浴衣のようなものを緩く羽織らされた。ミロクも同じようにその白い身体に白い着物を羽織ると、宗慈の手を取り、部屋を出た。ミロクに手を引かれ連れて行かれたのは、廊下を渡った先にある先ほどよりも少し広い部屋だった。建具や僅かばかり置かれた調度品は今まで見た部屋の中で一番上質なもののように見えた。
 部屋の中央には布団が敷かれている。寝室のようだった。

「ここは」
「私の寝室だよ」

 背後で、障子が静かに閉まった。
 宗慈がミロクを振り返ると、その手がそっと腰に添えられた。

「さあ、宗慈」

 ミロクに促されるままに宗慈は布団の上へ横たわる。白檀の香りが濃く漂う部屋は、それだけで宗慈の身体を否応無しに高めていく。
 ミロクは傍らに座り、静かに宗慈の着物を脱がせていった。
 鍛えられた肉体が晒される。腹の下には、はしたなく期待に震える性器が見える。まだ触れられてもいないのにしっかりと芯の入ったそれを晒すのは恥ずかしかったが、ミロクは何も言わなかった。
 ミロクの指先が腹に触れるだけで、身体はそこに受けた快感を思い出して熱を浴びる。

「宗慈」
「は、い」
「この胎で、私の子を、孕んでおくれ」

 ミロクは穏やかな表情で、たっぷりと愛おしさを含ませた声で囁く。
 その声に、宗慈は恍惚の表情を浮かべて頷いた。

「はい、ミロクさま」

 寝そべった宗慈の口に、ミロクから伸びてきた触手が捩じ込まれる。口いっぱいに頬張らされた触手からは粘液をたっぷりと注がれ、宗慈は口の端から零しながらも健気に飲み込んでいく。
 それが腹へと流れ落ちた途端、身体中が熱を帯び始める。
 胎が熱く爛れたようにじくじくと疼き、宗慈は膝を擦り合わせそれに耐えた。

「愛しい宗慈」

 白く美しい手が宗慈の引き締まった腹を撫でると、宗慈の胎の奥に、ポコ、ポコ、と知らない感覚が生まれる。
 同時に、口を埋め尽くしていた触手が抜けていく。

「っえ、なに、これ」

 宗慈は粘液に塗れた唇を震わせた。
 胎の奥に、何かが溜まっていく。丸くて弾力のあるもの。まるで、ミロクに産みつけられた卵のようだった。それはずっと止まらない。胎を埋め尽くすように、生まれては胎の中へと送り出されていく。数えきれないいくつもの卵が、宗慈の腹を歪に膨らませていた。

「あ、ふ、うそ、たまご、なんで」

 宗慈の声には焦りと戸惑いが色濃く滲んでいた。無理もない。腹の中で起きていることが、宗慈には何なのかわからない。

「ふふ、宗慈も卵を作れるようになったんだよ」

 ミロクの白い手が、膨らんだ腹をするりと撫でる。

「宗慈の身体が私に慣れてきたから、力を少しずつ注いで、宗慈がずっと一緒にいられるように、身体を作り替えたんだ」

 宗慈の身に起きていることを、ミロクはこともなげに告げる。その言葉に、宗慈の胸に生まれるのは、驚きよりも喜びだった。

「私とお揃いだよ、宗慈」

 ミロクがその金の瞳を細める。

「うれしい」

 宗慈が呟く。自分の身体がどうにかなったことよりも、ミロクと同じになれたことが嬉しかった。

「私の子はね、宗慈の卵から産まれるんだよ」

 慈しみに満ちた金色の眼差しが降り注ぎ、ミロクの手のひらが宗慈の腹を撫でる。

「私の精を注いでやると、この中から一つか二つ、私の子が産まれるんだ」

 宗慈はそれを聞きながら、うっとりとため息を漏らした。
 胎に熱いものを注がれる。その快感を思って、宗慈ははしたなく喉を鳴らす。

「ミロクさまの精、おれにください」
「いいよ。宗慈、たくさん注いであげる」

 ミロクが宗慈に覆い被さる。羽織った着物を落とし、そのしなやかな身体を惜しげもなく晒す。白く引き締まった体躯、その腹の下には、白銀の下生えから聳り立つ異形の昂りが見える。それはしゃくりあげ、とろとろと涎を垂らしていた。
 宗慈は恐る恐るそれに手を伸ばす。
 握り込むとそれは熱く、宗慈は息を呑んだ。

「ミロクさま」
「ふふ、触れるだけでいいの?」

 あやすようにそっと頬を撫でられる。

「なか、に、ほしいです」
「いいよ。入れてあげる。宗慈」

 ミロクは身体を起こすと、宗慈の脚を大きく開かせた。脚の間に体を割り込ませ、宗慈の膝裏に手をかけて大きく拡げる。
 宗慈の全てがミロクに晒される。震える性器も、戦慄く蕾も、みなその金の瞳に捕えられてしまう。
 羞恥と歓喜で、宗慈の黒い瞳が濡れる。
 ミロクの昂りの先端が、期待に震える後孔へと押し当てられる。宗慈が息をつく間も無く、それは中へと押し入ってきた。
 熟れた柔い粘膜を、弾力のある凹凸が擦り上げる。隘路は容易く快感を拾い上げ、宗慈は容易に快感に呑まれる。
 緩んだ宗慈の胎へ、ミロクの楔が深々と打ち込まれる。胎の奥は容易く陥落して、宗慈は絶頂へと攫われた。
 身体は勝手に跳ね、背はしなり、脚はがくがくと揺れた。天を仰ぐ屹立は透明な雫を迸らせ、腹を熱く濡らした。
 中はミロクをきつく食い締め、ミロクの吐精を誘った。

「宗慈、出すよ」

 余裕のないミロクの声がした。
 それと同時に、胎の奥で熱いものが爆ぜた。最奥に夥しい量の精が吐き出される。何度も何度も脈打つミロクの昂りからは灼熱の白濁が胎の奥に注がれ、腹はまたうっすらと膨らんだ。
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