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白き者たち
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謁見の日がやってきた。昨夜から引きずっていた晴れない気分は、謁見を控えた緊張感が簡単に拭い去ってくれた。
王への謁見と、調査の報告。それからジェジーニアの紹介をしなくてはならない。
ベッドを降りたアウファトは洗面所にやってきた。さすがに伸ばしっぱなしの髭ではまずい。顔を洗うと、使い慣れた剃刀で、伸ばしっぱなしの無精髭を剃っていく。
髭を剃るのは久しぶりだ。最後に剃ったのは調査に旅立つ前だった。
使い慣れた剃刀の刃は、アウファトなら手の動きに合わせて白い肌を隠す髭を落としていく。
「あう」
背後から眠そうな声がした。アウファトの姿を探して洗面所を覗くジェジーニアの声だ。それに気を取られ、手が滑った。と思った時にはもう遅く、鋭い痛みとともに顎に赤いものが滴っていた。
「ぅあ、つ」
「あう!」
剃刀の刃は、深くアウファトの肌を裂いていた。赤く滴るものを見てジェジーニアが慌てて駆け寄ってくる。
洗面台と床には、赤いものが点々と落ちていた。
「ジジ、大丈夫だ」
「だめ、あう、血が」
ジェジーニアは金色の瞳に涙を浮かべている。
「あう、いたい?」
ジェジーニアが顔を寄せる。
ジェジーニアの舌が切れた顎を撫でると、傷は跡形もなくなった。
アウファトは目を見開く。
それはまるで奇跡のようだった。ジェジーニアに治してもらうのは二度目だが、見える場所ということもあり、こうして目の当たりにすると驚きを隠せない。
ジェジーニアの舌が撫でた場所は傷が消え、痛みももうない。
「ジジ、ありがとう、もう大丈夫だ」
「ごめんなさい、アウファト。俺が邪魔したから」
「大丈夫、お前のせいじゃない。おれの不注意だ」
ぐず、と鼻を鳴らし瞳を濡らすジェジーニアを宥めて、アウファトは身支度の続きを始めた。
ジェジーニアにはエンダールで買った黒い服を着せた。このために買ったものだ。
ジェジーニアによく似合っている。
「あう、似合う?」
「ああ。よく似合ってる」
「ふふ。嬉しい。髭のないアウファト、かわいい」
そんなことを言われたくて髭を剃ったわけではないのに、なんだか嬉しくなってしまう。随分とジェジーニアに毒されているような気がするが、嫌な気分ではないのが不思議だった。
制服に袖を通したアウファトは、朝食を済ませるとジェジーニアを連れて研究所へと向かった。
謁見までの時間、アウファトは研究室で白き花の一族の史料を漁った。
アウファトの生まれ育った北方の地域にも、白き花の一族がいたという痕跡はあった。
白き花の一族の伝承と、他の地域の伝承での言葉の意味の差異は意図的なもののように思えた。
白き花の一族は、白き王に仕えた人間の一族である。始祖は白金色の髪、空の色の瞳をしていた。フェイゼンタという名で、王が国を清めるのを手伝った数少ない人間だった。王が竜王の花嫁となった後、竜王の加護を受けるようになった。
王に仕え、王の死後は王のを弔い、民へと王の言葉を伝えた。
そして見つけた一文に、アウファトの視線は引き寄せられる。
蒼き瞳の子へは、アムの本当の意味が伝えられた。
蒼き瞳の子。以前ならそれほど気にもしなかっただろう。
自分の目は青かっただろうかと、今朝鏡で見た自分の顔を思い出す。
褪せた淡い青い色。ジェジーニアの言う冬の空の瞳とはこのことなのだろうか。
自分が白き花の一族だとは信じられなかった。
何の取り柄もないと思っていた。今の地位だって、努力して努力して、それでたまたま転がり込んできたものだ。
自分に、特別な何かがあるとは思えなかった。
伝承において、善なるものは白き花の一族であることがほとんどだ。
もとは、白き王に仕えたもの。白き王亡き後は、王と竜王を弔い、弔いを終えると大陸の各地に散った。人の愚かな行いを繰り返さぬよう、物語を伝えた。
アウファトは息を潜めるようにして本を閉じた。
ミシュアの言葉を思い出す。
ジェジーニアなら、何か知っているのではないか。
「ジジ、白き花の一族のことを知ってるか」
アウファトの問いに、ジェジーニアは薄く笑う。
「ン、みんな、優しい。すき。白き花の一族は、王に仕え、従うもの。フィーと、俺を、大事にしてくれた。たくさん遊んでくれたし、たくさん話をしてくれた。フィーがお仕事をしてる間も、みんなが俺と遊んでくれた。言葉を教えてくれた。いろんなことを教えてくれた」
ジェジーニアが柔らかな声で語る思い出に胸が痛んだ。
皆に愛されたジェジーニア。
ジェジーニアを愛した白き王の最期の話を、まだジェジーニアには伝えていない。
「ジジ、白き王は、黒き竜王は、どんなひとだった?」
「フィーは、優しくて、俺をたくさん愛してくれた。トルは、あまり会えなかったけどいつもたくさん撫でて抱きしめてくれた。みんな、好き」
ジェジーニアは柔らかな笑みを浮かべる。
きっとジェジーニアはたくさんの愛情を注がれて育ったのだろう。
彼らの話をする穏やかな表情を見れば、それがよくわかる。
「フィーは、みんなを愛してた。みんなも、フィーを愛してた。でも、フィーの手のひらからこぼれてしまう子もいた。フィーは、みんなを幸せにしたかった。みんなフィーをメイクンだって言ってたけど、フィーはそうじゃないって」
「名君、か」
白き王の治世は献身的であったといわれている。
各地に残る古文書、伝承に、その記述が残っている。北の果てにも、南にも、西にも、東にも。広い大陸の各地に、白き王を讃える言葉が残っているのを、アウファトは何度も目にしてきた。
「フィーは、たくさん出かけた。南には国がたくさんあって争いが起きてるから、みんなが仲良くできるように行くんだって」
戦の調停だろう。かつての南方は度重なる戦火の中にあったと言われている。それを、まだ幼いジェジーニアに伝えるには、そんな言葉にするしかなかったのだろう。
「あう、フィーは、どこにいるの?」
アウファトの心臓が跳ねた。その問いに応える言葉を、アウファトはまだ持ち合わせていない。
「リウストラには、誰もいなかった。高い塀の街にもいなかった。みんな、リウストラが寒くなったから南の国に行ったの?」
アウファトに問うジェジーニアの声は無垢なものだった。
冷たくなった王都から、皆で南へと移った。そうであればどれだけ良かっただろう。アウファトは痛む胸を誤魔化し、言葉を探す。
伝承では、白き王フィオディークは死んだ。
黒き竜王もだ。
アウファトには、二人の死をどうやってジェジーニアに伝えたらいいかわからなかった。
「ジジ、フィオディークは……ここには、いない。お前には、会わせてやれないんだ」
胸に言葉が詰まって、そう言うので精一杯だった。
まだ、ジェジーニアに死を伝えることはできなかった。
「そっか」
ジェジーニアは寂しげに笑った。
真実を話してやれないことに胸が痛む。それでも、真実を知ったジェジーニアの気持ちを考えると、アウファトの口から伝えるのは憚られた。上手い言葉が見つからない。
ジェジーニアの心の傷となるのは目に見えている。眠りから覚めて、愛する者たちが皆死に絶えた後など、心中を察するに余りある。
黙り込んでしまったアウファトの顔を、その思いなど知らないジェジーニアが不思議そうに覗き込む。
「あう?」
「すまない、ジジ」
「ン、大丈夫だよ」
ジェジーニアは首を横に振る。
本当は事実を知らせるべきだと思う。それでも、事実を知れば、きっとその美しい金の瞳は重たく濡れてしまうだろう。
なんとか、ジェジーニアを悲しませずに伝える方法はないのか。アウファトにはまだその方法は思いつかない。
「ジジ、俺たちの王に会わせたい」
「おう? フィーじゃない王もいるの?」
フィオディーク亡き後、奴隷とされた竜人を救い国を建てたのが、初代のリガトラ王だ。そのことを、眠っていたジェジーニアは知らない。
「ああ。ここはリガトラ王の国だ。俺たちの王がいる」
「あうの、王……」
ジェジーニアは不思議そうにアウファトの言葉を繰り返した。
謁見の場で、ジェジーニアにうまく話せないかとアウファトは思いを巡らせる。
窓の外、秋へと移りゆく熱の薄れた日差しが降り注ぐ。陽は随分と高く昇っている。
まもなく、謁見の時間になろうとしていた。
王への謁見と、調査の報告。それからジェジーニアの紹介をしなくてはならない。
ベッドを降りたアウファトは洗面所にやってきた。さすがに伸ばしっぱなしの髭ではまずい。顔を洗うと、使い慣れた剃刀で、伸ばしっぱなしの無精髭を剃っていく。
髭を剃るのは久しぶりだ。最後に剃ったのは調査に旅立つ前だった。
使い慣れた剃刀の刃は、アウファトなら手の動きに合わせて白い肌を隠す髭を落としていく。
「あう」
背後から眠そうな声がした。アウファトの姿を探して洗面所を覗くジェジーニアの声だ。それに気を取られ、手が滑った。と思った時にはもう遅く、鋭い痛みとともに顎に赤いものが滴っていた。
「ぅあ、つ」
「あう!」
剃刀の刃は、深くアウファトの肌を裂いていた。赤く滴るものを見てジェジーニアが慌てて駆け寄ってくる。
洗面台と床には、赤いものが点々と落ちていた。
「ジジ、大丈夫だ」
「だめ、あう、血が」
ジェジーニアは金色の瞳に涙を浮かべている。
「あう、いたい?」
ジェジーニアが顔を寄せる。
ジェジーニアの舌が切れた顎を撫でると、傷は跡形もなくなった。
アウファトは目を見開く。
それはまるで奇跡のようだった。ジェジーニアに治してもらうのは二度目だが、見える場所ということもあり、こうして目の当たりにすると驚きを隠せない。
ジェジーニアの舌が撫でた場所は傷が消え、痛みももうない。
「ジジ、ありがとう、もう大丈夫だ」
「ごめんなさい、アウファト。俺が邪魔したから」
「大丈夫、お前のせいじゃない。おれの不注意だ」
ぐず、と鼻を鳴らし瞳を濡らすジェジーニアを宥めて、アウファトは身支度の続きを始めた。
ジェジーニアにはエンダールで買った黒い服を着せた。このために買ったものだ。
ジェジーニアによく似合っている。
「あう、似合う?」
「ああ。よく似合ってる」
「ふふ。嬉しい。髭のないアウファト、かわいい」
そんなことを言われたくて髭を剃ったわけではないのに、なんだか嬉しくなってしまう。随分とジェジーニアに毒されているような気がするが、嫌な気分ではないのが不思議だった。
制服に袖を通したアウファトは、朝食を済ませるとジェジーニアを連れて研究所へと向かった。
謁見までの時間、アウファトは研究室で白き花の一族の史料を漁った。
アウファトの生まれ育った北方の地域にも、白き花の一族がいたという痕跡はあった。
白き花の一族の伝承と、他の地域の伝承での言葉の意味の差異は意図的なもののように思えた。
白き花の一族は、白き王に仕えた人間の一族である。始祖は白金色の髪、空の色の瞳をしていた。フェイゼンタという名で、王が国を清めるのを手伝った数少ない人間だった。王が竜王の花嫁となった後、竜王の加護を受けるようになった。
王に仕え、王の死後は王のを弔い、民へと王の言葉を伝えた。
そして見つけた一文に、アウファトの視線は引き寄せられる。
蒼き瞳の子へは、アムの本当の意味が伝えられた。
蒼き瞳の子。以前ならそれほど気にもしなかっただろう。
自分の目は青かっただろうかと、今朝鏡で見た自分の顔を思い出す。
褪せた淡い青い色。ジェジーニアの言う冬の空の瞳とはこのことなのだろうか。
自分が白き花の一族だとは信じられなかった。
何の取り柄もないと思っていた。今の地位だって、努力して努力して、それでたまたま転がり込んできたものだ。
自分に、特別な何かがあるとは思えなかった。
伝承において、善なるものは白き花の一族であることがほとんどだ。
もとは、白き王に仕えたもの。白き王亡き後は、王と竜王を弔い、弔いを終えると大陸の各地に散った。人の愚かな行いを繰り返さぬよう、物語を伝えた。
アウファトは息を潜めるようにして本を閉じた。
ミシュアの言葉を思い出す。
ジェジーニアなら、何か知っているのではないか。
「ジジ、白き花の一族のことを知ってるか」
アウファトの問いに、ジェジーニアは薄く笑う。
「ン、みんな、優しい。すき。白き花の一族は、王に仕え、従うもの。フィーと、俺を、大事にしてくれた。たくさん遊んでくれたし、たくさん話をしてくれた。フィーがお仕事をしてる間も、みんなが俺と遊んでくれた。言葉を教えてくれた。いろんなことを教えてくれた」
ジェジーニアが柔らかな声で語る思い出に胸が痛んだ。
皆に愛されたジェジーニア。
ジェジーニアを愛した白き王の最期の話を、まだジェジーニアには伝えていない。
「ジジ、白き王は、黒き竜王は、どんなひとだった?」
「フィーは、優しくて、俺をたくさん愛してくれた。トルは、あまり会えなかったけどいつもたくさん撫でて抱きしめてくれた。みんな、好き」
ジェジーニアは柔らかな笑みを浮かべる。
きっとジェジーニアはたくさんの愛情を注がれて育ったのだろう。
彼らの話をする穏やかな表情を見れば、それがよくわかる。
「フィーは、みんなを愛してた。みんなも、フィーを愛してた。でも、フィーの手のひらからこぼれてしまう子もいた。フィーは、みんなを幸せにしたかった。みんなフィーをメイクンだって言ってたけど、フィーはそうじゃないって」
「名君、か」
白き王の治世は献身的であったといわれている。
各地に残る古文書、伝承に、その記述が残っている。北の果てにも、南にも、西にも、東にも。広い大陸の各地に、白き王を讃える言葉が残っているのを、アウファトは何度も目にしてきた。
「フィーは、たくさん出かけた。南には国がたくさんあって争いが起きてるから、みんなが仲良くできるように行くんだって」
戦の調停だろう。かつての南方は度重なる戦火の中にあったと言われている。それを、まだ幼いジェジーニアに伝えるには、そんな言葉にするしかなかったのだろう。
「あう、フィーは、どこにいるの?」
アウファトの心臓が跳ねた。その問いに応える言葉を、アウファトはまだ持ち合わせていない。
「リウストラには、誰もいなかった。高い塀の街にもいなかった。みんな、リウストラが寒くなったから南の国に行ったの?」
アウファトに問うジェジーニアの声は無垢なものだった。
冷たくなった王都から、皆で南へと移った。そうであればどれだけ良かっただろう。アウファトは痛む胸を誤魔化し、言葉を探す。
伝承では、白き王フィオディークは死んだ。
黒き竜王もだ。
アウファトには、二人の死をどうやってジェジーニアに伝えたらいいかわからなかった。
「ジジ、フィオディークは……ここには、いない。お前には、会わせてやれないんだ」
胸に言葉が詰まって、そう言うので精一杯だった。
まだ、ジェジーニアに死を伝えることはできなかった。
「そっか」
ジェジーニアは寂しげに笑った。
真実を話してやれないことに胸が痛む。それでも、真実を知ったジェジーニアの気持ちを考えると、アウファトの口から伝えるのは憚られた。上手い言葉が見つからない。
ジェジーニアの心の傷となるのは目に見えている。眠りから覚めて、愛する者たちが皆死に絶えた後など、心中を察するに余りある。
黙り込んでしまったアウファトの顔を、その思いなど知らないジェジーニアが不思議そうに覗き込む。
「あう?」
「すまない、ジジ」
「ン、大丈夫だよ」
ジェジーニアは首を横に振る。
本当は事実を知らせるべきだと思う。それでも、事実を知れば、きっとその美しい金の瞳は重たく濡れてしまうだろう。
なんとか、ジェジーニアを悲しませずに伝える方法はないのか。アウファトにはまだその方法は思いつかない。
「ジジ、俺たちの王に会わせたい」
「おう? フィーじゃない王もいるの?」
フィオディーク亡き後、奴隷とされた竜人を救い国を建てたのが、初代のリガトラ王だ。そのことを、眠っていたジェジーニアは知らない。
「ああ。ここはリガトラ王の国だ。俺たちの王がいる」
「あうの、王……」
ジェジーニアは不思議そうにアウファトの言葉を繰り返した。
謁見の場で、ジェジーニアにうまく話せないかとアウファトは思いを巡らせる。
窓の外、秋へと移りゆく熱の薄れた日差しが降り注ぐ。陽は随分と高く昇っている。
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