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04.初めての回収です

02.初めての回収です。

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さっきまで戦場だった場所に来た。何人もの兵隊が倒れていた。
風魔法"フライ"を解除して着地し、腰を低くして辺りをうかがいながら"探査"と唱えた。
死んでいると思ったので"探査"の表示には点が表示されないと思っていた。
が、"探査"にはいくつもの"赤"や"青"の点が表示された。
おいおい、まだ生きてるぞ。それなのに誰も救助にこないのかよ。
俺がこんなところで騒いでも何も始まらないので、自分の仕事をすることにした。

腰を落とし低い体勢で"赤い糸"の方向へと進む。
すると、キラキラした甲冑を着た騎士へと"赤い糸"は伸びていた。
倒れている騎士は、全く動かなかったが一声かけてみた。

「おい、騎士さん、生きているか。」

すると指が少しだけ動いた。
俺は、鞄からポーションを取り出し少しだけ口の中へ流し込んだ。
すると騎士は、弱い声でこう言った"助けてくれ"と。

「騎士さん、こんな戦場でケガをして動けないあんたに言うのも失礼なんだが、俺も仕事なんで言わせてもらうよ。」
「俺は、ある御方から短剣の回収を依頼されてるんだが、あんたが身に着けている短剣がおそらくそれなんだよ。」
「もし、騎士さんがその短剣の所有権を放棄すると宣言してくれたら、俺がその短剣を回収する。」
「かわりに騎士さんを助けて砦まで運んでやるがどうだい。」

倒れた騎士の耳元で小さいが確実に聞こえる声で話かけた。

「分かった。短剣はお前にくれてやる。かわりに助けてくれ。」

弱々し声で騎士はそう言った。

「契約成立だ。」

俺は、騎士の口に少しだけポーションを流し込んでやった。

一度にポーションを流し込んでケガが治ったとたん暴れられると困るので仕方ない。
キラキラした甲冑の腰の部分に装備された短剣を確認すると、"赤い糸"が短剣へと伸びていた。
俺は安心した。
もし、"赤い糸"がこの騎士さんの小指にでも繋がっていたら、俺は一生"女神アルティナ様"を恨んだに違いない。
短剣を甲冑に括りつけられた鞘から抜きとり、回収の腕輪へと近づけた。
すると短剣は溶けるように消えた。

騎士の甲冑を脱がして軽くし、肩にかついで歩き始めた。やっぱり重い。仕方ない、助けると約束したんだからな。
歩きながら"探査"で生きていると表示されたこの国の騎士や兵士の口に少しづつポーションを流し入れて行った。
しかし、他国の騎士さんにまで無償で施しを与える気はないので、口に少しだけポーションを流し入れるかわりに剣スキル"スキル強奪Lv1"と唱えた。
それを何度か繰り返した。
"鑑定"でよさそうなアイテムもいつか見つけたので、有効に使ってあげることにした。ははは。
ポーションが底をつきかけたところで、風魔法"フライ"を唱えて騎士を担いだまま地面すれすれを飛んで"ココ"の街へと向かった。
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