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家族になった人族のポムと魔族のポム
08.初めて街へ行きました
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朝、早いうちにふたりで村へ行きました。
農場でお客さんの注文にあった品を受け取り、注文書と商品の数を確認してアイテムバックに入れます。
ポムさんは、畑の水やりがあるので村の外の畑にいます。
昨日、村長さんに身分証を書いてもらったので、なくさないようにアイテムバックに入れておいた。
村の入り口のところで、ポムさんと合流しました。
"ココ"の街へ出発です。
ふたりとも水筒とパンを持ってピクニック気分で歩きます。
気が付くとさっきまで横にいたはずのポムさんがいません。
後ろを振り向くと道の脇でしゃがみ込んでいました。
ポムさんのところまで戻ってみます。
「ポムくん歩くの早い。もう少しゆっくり歩いて。」
ポムさん、身長はぼくと同じなんだけど16歳でお姉さんなんだよね。
でも体力がないみたい。
"ココ"の街まで歩いて3時間はかかるはず。
この調子だと4時間…もっとかな。
食材を届ける時間には、余裕を持って村を出たはずなんだけど…。
ポムさんを勇気づけて、"ココ"の街への道を進んだ。
「ポムさんは、空を飛ぶとか早く歩けるとか、そういった魔法はないの。」
「…あったら真っ先に使ってる。」
ポムさん、顔から大きな汗を流して辛そう。
「ポムくんは歩くのへいきなの。」
「ぼくは大丈夫。」
村道が街道へと合流した。
ここまで1時間かかった。
街道になったので道幅が少し広くなったけど、馬車が通る轍があるので少し歩きづらい。
ふたりで街道を歩いていると何台もの馬車が街道を通りすぎて行った。
「ねえポムくん、あの馬車に乗せてもらうことってできないかな。」
「たぶん、お金を払えば乗せてもらえると思う。」
「ねえ、ポムくん。馬車を借りられないかな。」
「そうだね。後で村長さんに相談してみようか。」
「ねえ、ポムくん。馬車を買おうか。」
「そうだね。でも、馬車高いよ。それに馬の世話とかたいへんだよ。」
「ポムくん。疲れた。」
とうとう出ましたか。いつかは出ると思っていた言葉。
「わかった。馬車が来たら乗せてもらえるか話してみる。」
ふたりで街道をゆっくり歩きながら馬車が来るのを待った。
きた。
荷馬車だ。"ココ"の街へ向かってる。
ぼくが馬車のおじさんに話かけようとした。
「おじさん、馬車の荷台に乗せていただけませんか。」
「実は、出稼ぎに行ったお父さんとお母さんが"ココ"の街から帰ってこないから、心配で兄弟で探しに来たの。」
ポムさんは泣きそうな顔で馬車のおじさんを見ていた。
「おお。大変だったね。荷台でいいなら乗りなさい。」
「おじさん、ありがとう。」
ポムさん、背中に回した手でVサイン出してる。
おじさんにふたりで礼を言って荷台に乗り込んだ。
ぼくは小さな声でポムさんに言った。
「女の子ってこういった嘘は平気で付けるの。」
「女の子は強いの。生活のためなんだからポムくんも覚えるのよ。」
ポムさんは得意げだったけど、ぼくにはできそうもないや。
でも、帰りのこともあるし、馬車を借りることは考えてもいいかも。
農場でお客さんの注文にあった品を受け取り、注文書と商品の数を確認してアイテムバックに入れます。
ポムさんは、畑の水やりがあるので村の外の畑にいます。
昨日、村長さんに身分証を書いてもらったので、なくさないようにアイテムバックに入れておいた。
村の入り口のところで、ポムさんと合流しました。
"ココ"の街へ出発です。
ふたりとも水筒とパンを持ってピクニック気分で歩きます。
気が付くとさっきまで横にいたはずのポムさんがいません。
後ろを振り向くと道の脇でしゃがみ込んでいました。
ポムさんのところまで戻ってみます。
「ポムくん歩くの早い。もう少しゆっくり歩いて。」
ポムさん、身長はぼくと同じなんだけど16歳でお姉さんなんだよね。
でも体力がないみたい。
"ココ"の街まで歩いて3時間はかかるはず。
この調子だと4時間…もっとかな。
食材を届ける時間には、余裕を持って村を出たはずなんだけど…。
ポムさんを勇気づけて、"ココ"の街への道を進んだ。
「ポムさんは、空を飛ぶとか早く歩けるとか、そういった魔法はないの。」
「…あったら真っ先に使ってる。」
ポムさん、顔から大きな汗を流して辛そう。
「ポムくんは歩くのへいきなの。」
「ぼくは大丈夫。」
村道が街道へと合流した。
ここまで1時間かかった。
街道になったので道幅が少し広くなったけど、馬車が通る轍があるので少し歩きづらい。
ふたりで街道を歩いていると何台もの馬車が街道を通りすぎて行った。
「ねえポムくん、あの馬車に乗せてもらうことってできないかな。」
「たぶん、お金を払えば乗せてもらえると思う。」
「ねえ、ポムくん。馬車を借りられないかな。」
「そうだね。後で村長さんに相談してみようか。」
「ねえ、ポムくん。馬車を買おうか。」
「そうだね。でも、馬車高いよ。それに馬の世話とかたいへんだよ。」
「ポムくん。疲れた。」
とうとう出ましたか。いつかは出ると思っていた言葉。
「わかった。馬車が来たら乗せてもらえるか話してみる。」
ふたりで街道をゆっくり歩きながら馬車が来るのを待った。
きた。
荷馬車だ。"ココ"の街へ向かってる。
ぼくが馬車のおじさんに話かけようとした。
「おじさん、馬車の荷台に乗せていただけませんか。」
「実は、出稼ぎに行ったお父さんとお母さんが"ココ"の街から帰ってこないから、心配で兄弟で探しに来たの。」
ポムさんは泣きそうな顔で馬車のおじさんを見ていた。
「おお。大変だったね。荷台でいいなら乗りなさい。」
「おじさん、ありがとう。」
ポムさん、背中に回した手でVサイン出してる。
おじさんにふたりで礼を言って荷台に乗り込んだ。
ぼくは小さな声でポムさんに言った。
「女の子ってこういった嘘は平気で付けるの。」
「女の子は強いの。生活のためなんだからポムくんも覚えるのよ。」
ポムさんは得意げだったけど、ぼくにはできそうもないや。
でも、帰りのこともあるし、馬車を借りることは考えてもいいかも。
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