140字小説まとめ

川本鏡花

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★利き手

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帰り道、彼氏に「なんか嬉しそうだね」と笑われた。
「そっちこそ嬉しそうじゃん。さては、わたしのこと好きだな」と軽口を叩いた。

本当の理由は。

彼がいつも車道側を歩いてくれて。
わたしが右利き、彼が左利きで。
繋ぐ手が、互いに利き手だって。
そんな些細なことが嬉しいからだよ。
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