140字小説まとめ

川本鏡花

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ボキャブラリー

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君にかける言葉を持ち合わせていない。
ボキャ貧な自分がイヤで一生懸命ベンキョーした。
漢字、カタカナ、ひらがな、熟語に慣用句、ことわざに新語まで完璧だ。
昔より話術巧みになったのに、君は言う。

「うわべの言葉なんていらない」

伝える術は増えたのに。
届かないのは、どうして。
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