140字小説まとめ

川本鏡花

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汚れた赤い糸、彼女の場合

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ようやく分かり合えて、ようやく通じ合って、ようやく手を伸ばせば届くようになったのに、手を伸ばしたらするりと指の合間を抜けてこぼれ落ちてしまった。

こんな風になるんだったら、ほつれたままで良かったのに。

解けた糸は離れて、垂れて、それから地に触れて黒ずみ、汚れてしまった。
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