140字小説まとめ

川本鏡花

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身売りした女の末期

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口減らしに売られた少女を不幸というなら、飽食の時代に身体を売るわたしはなんだと言うのだろう。

客をとって梅に染められ死にゆくが大半でも、身請けされる希望がある遊女の方が幾分かマシだろうに。

行きは良い良い、帰りは怖い?
帰る場所なんてないよ。
ただ堕ちて、腐る花、ひとつ。
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