140字小説まとめ

川本鏡花

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最後に会ってサヨナラされた

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会ってるあいだは、すごくしあわせだと思う。
離れるとすぐに訪れるやるせなさを噛み殺すのに慣れたころ、君は静かに言った。

今日で会うの最後にしないか。

胸が張り裂けそうに痛い。
どうして、なんて聞けず「わかった」と返した。
なにもわかってなんかないのに、いい子のフリをした。
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