罰ゲームの告白は本物にはならないらしい

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6、これは多分、失敗した


7、告白の真相      〈rin side〉


8、染谷 この人は本当に私の「恋人」なのだろうか。
 廊下の向こう側から歩いてくる少しチャラそうな男の子。
 見上げるくらいの長身に柔らかそうなくせ毛は明るい茶髪だ。
 彼は半年前から私を恋人にしてくれていたように思う。
 だけど、今彼の隣には彼の幼馴染を名乗っていた女の子が楽しそうに歩いていて、彼も楽しそうな笑顔を振りまいている。
 私といるときには不満そうな無表情か、遠慮したような困ったような苦笑いしか浮かべないくせに。
 隣に立って腕を絡めている女の子は私じゃないのに。
 この人は一人で立つ私を一瞥もしてはくれないのに。
 いや、でも。
 今、すれ違った彼の腕をつまむようなことはなかったし振り返ることすらしてない。
 それどころか、表情も動かさずに隣をすりむけた。
 もちろん、一瞥もせずに。
 だって、今私が彼に何か言ったって帰ってくる言葉は決まってる。



「君はさ、多分ほかの人といるときのほうが楽しいんじゃないかな?」
「え?」

 今から一か月くらい前のことだろうか。
 初めてそんな風に言われて正直うまく答えられなかった。

「ほら、俺より気を許している人がいっぱいいるんじゃないかと思って」
「そんなこと、ないよ」

 それから今に至るまで何度もこの会話をしている。
 何度否定しても弁解しても伝わっていない気がしている。



 やっぱり、私たちが恋人なんてありえない。
 最初から釣り合ってなかった。
 大丈夫。
 傷ついたりしないから、もう別れてしまおう。
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