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第1章
12話
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ライブの前半は大盛り上がりだった。
さすが【LW1】前半で歌った曲全て日本の音楽チャートで1位をとったことがある曲だった。
永さんの聖とは違う力強いダンスと188cmある圧巻のスタイル
勝莉さんの誰にも真似出来ない高速ラップ
大雅さんのダンスと歌の両立は流石だった。
どっちもメインと同じレベルまでにしている
連さんの美しいハスキーボイスが奏でる音はこのグループの歌に色を付けている。
そして、聖さんの圧巻のダンスと激しいダンス中にもブレずに歌える耐久力。
このグループはやっぱり日本1、いや世界1位のアイドルだと思う。
俺がトップアイドルになるためにはこの人たちを超えないと行けない、あらためてそう強く思った。
30分の休憩を挟んでここから後半が始まる。
後半に差し掛かりファンのボルテージはさらに上がっている気がする。
それも異常な程に、
「悠介、なんかお客さんめっちゃ盛り上がってないか、後半何かあるのか?」
「えっ?健何言ってるの?
……………………健まさか知らないの?このライブの意味?」
「このライブて、なんか意味なんかあるのか?」
俺がそう言うと悠介が呆れたような、信じられないようなものを見るようにこっちを見てきた。なんだよ、
「あーー悠介ごめん、健太郎本気で知らないかも」
零が申し訳なさそうに悠介に謝る。
だからなんだって言うんだよ、零も俺が知らないぐらいで謝るなよ、俺が悪いみたいになるじゃんか、
「健、このライブはとある人を探しす為のライブなんだ。」
悠介はそう言って説明をはじめた。
どうもこのライブは17年前に居なくなったとあるメンバーを探すため毎年開いているライブらしい。
今からちょうど18年前に【LW1】は7人グループでデビューした。
メンバーは、当時から1番人気の聖さん、メインダンサーの永さん、ラッパーの勝莉さん、サブヴォーカルとサブダンサーを兼任する大雅さん、最年少で、当時サブヴォーカルの連さん。
そして今は永さんの番で当時史上初めてのオメガアイドルの白さん、そして今回のライブのきっかけになった人。元々はその人リーダーで、その人を含めた7人グループだったらしい。
だけどデビューして1年を目前に控えたある日、その人は【LW1】から姿を消したらしい。
メンバーや事務所は慌てて探したそうだけど、姿どころか手掛かりすら掴めず、警察に捜索をお願いするが見つからなかったらしい。
メンバーはその人がどこかに生きていると信じて毎年その人の居なくなった日に必ずライブを開いている。そしてそのライブでは、引退した白さんも含めた6人全員が出演してその人が見つかるように7人の時の曲を歌い、情報提供を求める、そのためのライブらしい。
去年からは引退した白さんが唯一表舞台に立つ日の為物凄い盛り上がっているそうだ。
悠介に説明されているうちにライブの後半が始まる。ライブの後半の演出は当時の映像をバックに【LW1】のメンバーが一人づつ出てくる演出だ。
まず初めにリーダーの大雅さん、聖さん、永さん、勝莉さん、連さん、そして白さん
全員が舞台上に出ると舞台上の巨大スクリーンが切り替わって7人目、17年前に居なくなった彼の映像に変わった。
「あの画面に写っている人、あの人が居なくなった健斗さん」
画面に写っていたのは俺の父さん。
臥龍岡健斗だった。
今より随分若くて、画面の向こうで楽しそうに笑っている。俺の知らなかった健斗がそこに居た。
「あの人、凄い健太郎の父さんに似てるな」
零は知らないと思う、健斗の本当の顔を
健斗は零や玲奈さんの前でも帽子と眼鏡を外さずにしていたし、健斗には右側に2つの特徴的な泣きぼくろがあったけど朝起きてから夜寝るまで必ず、コンシーラーか何かで泣きぼくろ隠していた。
健斗は元【LW1】に所属していたアイドルだった。
健斗は自分の番からも、この【LW1】のメンバーからも、そしてファン、世間から逃げていたのか、
健斗が俺がアイドルになることにあんなにも反対していた理由が今分かった。
健斗には申し訳ないことをした。
俺がアイドルになりたいと知った時の健斗のストレスは想像以上だったと思う。
あんなに自分の番から必死に逃げていたのに俺が逃げるべき場所に行く。それをどんな気持ちで送ったのだろう。
健斗は俺がアイドルを目指すと知ってから体調が悪くなった……………俺のせいなのか?
俺がアイドルになりたいなんて言わなければ…
父さんが苦しんでいるのは俺のせいなのか?
正直その後のパフォーマンスなんて一切頭に入ってこなかった。
「健太郎ー健太郎ー終わったよ、大丈夫?」
終わってもなおいつまでも席を立とうとしない俺に零が声をかける。
俺はその声で現実に意識が引き戻された。
「健?大丈夫か?」
「悠介、【LW1】のメンバーにこれこら会えない?」
「えっ??どうして」
「居なくなったメンバーの情報持ってるかもしれない。」
俺がそう言うと悠介は急いで大雅さんに連絡をとった。悠介の連絡の甲斐があってこれから2時間後にホテルのラウンジで会うことになった。
さすが【LW1】前半で歌った曲全て日本の音楽チャートで1位をとったことがある曲だった。
永さんの聖とは違う力強いダンスと188cmある圧巻のスタイル
勝莉さんの誰にも真似出来ない高速ラップ
大雅さんのダンスと歌の両立は流石だった。
どっちもメインと同じレベルまでにしている
連さんの美しいハスキーボイスが奏でる音はこのグループの歌に色を付けている。
そして、聖さんの圧巻のダンスと激しいダンス中にもブレずに歌える耐久力。
このグループはやっぱり日本1、いや世界1位のアイドルだと思う。
俺がトップアイドルになるためにはこの人たちを超えないと行けない、あらためてそう強く思った。
30分の休憩を挟んでここから後半が始まる。
後半に差し掛かりファンのボルテージはさらに上がっている気がする。
それも異常な程に、
「悠介、なんかお客さんめっちゃ盛り上がってないか、後半何かあるのか?」
「えっ?健何言ってるの?
……………………健まさか知らないの?このライブの意味?」
「このライブて、なんか意味なんかあるのか?」
俺がそう言うと悠介が呆れたような、信じられないようなものを見るようにこっちを見てきた。なんだよ、
「あーー悠介ごめん、健太郎本気で知らないかも」
零が申し訳なさそうに悠介に謝る。
だからなんだって言うんだよ、零も俺が知らないぐらいで謝るなよ、俺が悪いみたいになるじゃんか、
「健、このライブはとある人を探しす為のライブなんだ。」
悠介はそう言って説明をはじめた。
どうもこのライブは17年前に居なくなったとあるメンバーを探すため毎年開いているライブらしい。
今からちょうど18年前に【LW1】は7人グループでデビューした。
メンバーは、当時から1番人気の聖さん、メインダンサーの永さん、ラッパーの勝莉さん、サブヴォーカルとサブダンサーを兼任する大雅さん、最年少で、当時サブヴォーカルの連さん。
そして今は永さんの番で当時史上初めてのオメガアイドルの白さん、そして今回のライブのきっかけになった人。元々はその人リーダーで、その人を含めた7人グループだったらしい。
だけどデビューして1年を目前に控えたある日、その人は【LW1】から姿を消したらしい。
メンバーや事務所は慌てて探したそうだけど、姿どころか手掛かりすら掴めず、警察に捜索をお願いするが見つからなかったらしい。
メンバーはその人がどこかに生きていると信じて毎年その人の居なくなった日に必ずライブを開いている。そしてそのライブでは、引退した白さんも含めた6人全員が出演してその人が見つかるように7人の時の曲を歌い、情報提供を求める、そのためのライブらしい。
去年からは引退した白さんが唯一表舞台に立つ日の為物凄い盛り上がっているそうだ。
悠介に説明されているうちにライブの後半が始まる。ライブの後半の演出は当時の映像をバックに【LW1】のメンバーが一人づつ出てくる演出だ。
まず初めにリーダーの大雅さん、聖さん、永さん、勝莉さん、連さん、そして白さん
全員が舞台上に出ると舞台上の巨大スクリーンが切り替わって7人目、17年前に居なくなった彼の映像に変わった。
「あの画面に写っている人、あの人が居なくなった健斗さん」
画面に写っていたのは俺の父さん。
臥龍岡健斗だった。
今より随分若くて、画面の向こうで楽しそうに笑っている。俺の知らなかった健斗がそこに居た。
「あの人、凄い健太郎の父さんに似てるな」
零は知らないと思う、健斗の本当の顔を
健斗は零や玲奈さんの前でも帽子と眼鏡を外さずにしていたし、健斗には右側に2つの特徴的な泣きぼくろがあったけど朝起きてから夜寝るまで必ず、コンシーラーか何かで泣きぼくろ隠していた。
健斗は元【LW1】に所属していたアイドルだった。
健斗は自分の番からも、この【LW1】のメンバーからも、そしてファン、世間から逃げていたのか、
健斗が俺がアイドルになることにあんなにも反対していた理由が今分かった。
健斗には申し訳ないことをした。
俺がアイドルになりたいと知った時の健斗のストレスは想像以上だったと思う。
あんなに自分の番から必死に逃げていたのに俺が逃げるべき場所に行く。それをどんな気持ちで送ったのだろう。
健斗は俺がアイドルを目指すと知ってから体調が悪くなった……………俺のせいなのか?
俺がアイドルになりたいなんて言わなければ…
父さんが苦しんでいるのは俺のせいなのか?
正直その後のパフォーマンスなんて一切頭に入ってこなかった。
「健太郎ー健太郎ー終わったよ、大丈夫?」
終わってもなおいつまでも席を立とうとしない俺に零が声をかける。
俺はその声で現実に意識が引き戻された。
「健?大丈夫か?」
「悠介、【LW1】のメンバーにこれこら会えない?」
「えっ??どうして」
「居なくなったメンバーの情報持ってるかもしれない。」
俺がそう言うと悠介は急いで大雅さんに連絡をとった。悠介の連絡の甲斐があってこれから2時間後にホテルのラウンジで会うことになった。
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