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第1章
7話
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健太郎side
俺が村を出て東京に来てすぐ、えつ子さんから連絡が来て健斗が倒れ入院することになったことが俺に伝えられた。
健斗の体調は良くなく日に日に悪化してしまいもうあと3年持つかどうかと医者に言われてしまっていると聞いた。
もう残された時間は少ない。
俺がどうにか健斗を苦しめているアイツを見つけ出して、復讐してやる。健斗が自由に人前に出れるようにアイツから隠れなくて済むようにしてみせる。
俺はそう心に決めた。
平日は朝起きて朝練をしてから学校へ行き、学校が終わるとそのまま養成所へレッスンに行く、そして夜までレッスンをしてからその後養成所のレッスン室で自主練をする。
日によっては日付を跨いでしまってそのままレッスン室で寝て、朝練をしてから事務所のシャワーを浴びて学校へ行く。
土日はレッスンがある日は一日中レッスン、ない日は一日中健斗の番を探すために情報を集める為に駆け回った。
正直番を探すにも俺には情報が少なすぎる。
だから俺はまず健斗について調べることにした。健斗は俺の本当のおじいちゃんおばあちゃんについてや、自分の過去を何一つ語らない。
だから俺は健斗と俺の苗字、臥龍岡に注目して調べることにした。
臥龍岡 こんな珍しい苗字中々居ない、俺はそう思って臥龍岡が何かしらに出てこないか調べて、実際に臥龍岡姓の人に会いに行ったりしてみたがどこへ行っても健斗の情報が何も出てこない。
そんな時俺は臥龍岡 将人と言う人物にたどり着いた。臥龍岡 将人さんは元フィギュアスケートの選手だったが今からだいたい30年以上前に亡くなってしまっているそうだ。
俺は臥龍岡 将人さんについて調べることにした。30年前に居た無名のアスリートの情報なんてなかなか見つこらなかったが、ついに臥龍岡将人さんについて詳しい人物を見つけることが出来た。
当時臥龍岡将人のコーチを務めていた人の息子さんだそうだ。
その人によると臥龍岡将人さんはアルファから後天性にオメガになったそうでその事に耐えきれずに精神をおかしくしてしまったそうだ。
臥龍岡将人さんには当時結婚していた女性との子供が居たが、臥龍岡将人さんがオメガだと知ると彼女は子供も置いて出ていき、残された臥龍岡将人さんは、その怒りをまだ生まれてまもない子供にぶつけてしまっていたらしい。
その後臥龍岡将人さんのオメガ性を落ち着けるために、国が紹介したアルファと番ったがそのアルファがその子の存在を認めることが出来ず
その人も子供に虐待を行っていたらしい。
幸い子供が3歳になる時に臥龍岡将人さんが自殺し、その子供は養護施設に引き取られたそうだ。その子が中学に上がる前までは養護施設に居たのだが、その後その子供がどうなったかは、よく分かって居ないらしい。
その後その子供が住んでいたであろう養護施設や、役場などから当時の資料を借りて調べた。
そこに臥龍岡健斗の名前があった。
その時虐待されていた子供は健斗だった。
俺は思わず養護施設の資料を強く握りしめた。
健斗は幼い頃から虐待され、大人になってからも番に何かに嫌なことをされてその番から必死に逃げている
それでも自分の命を投げ打って俺を育ててくれた。
なんで父さんばかりがこんなにも不幸なんだよ!
健斗は自身がアルファだと分かると寮のあるアルファ校へ転校したと養護施設の書類に書いてあるがその後の行方は書かれていない。
職印の人にも聞いて見たが誰も知らないそうだった。
養護施設に居た健斗はずっと死んだはずの自分の父親からずっと逃げるように、何も喋ろうともせず、そのまま黙って逃げるように養護施設から出ていってしまったそうだ。
その後は特に進展はなく1年が過ぎようとしていた。
俺は進展が何もない事のあせりからか今まで以上に音を詰めたスケジュールをこなすようになった。学校がない時は朝から晩までレッスン三昧最近は玲奈さんの家にもあまり帰っていない気がする。零は心配して、俺の傍にずっとくっついて生活するようになった。
この1年で健斗の体調も安定していて半年前に退院したそうだ。
健斗には申し訳なかったが俺は実家には帰らなかった。今帰ってしまったらきっと健斗がもう二度と東京に送り出してくれそうになかったから、
俺は今それぐらいやつれている自覚がある。
その分俺はこの1年毎日健斗に電話した。
大好きな健斗との電話は一日の疲れがとれる気がするし、それに健斗の声色で健斗の体調が何となくわかる。健斗の元気そうな声を聞いて安心したかった。
俺が村を出て東京に来てすぐ、えつ子さんから連絡が来て健斗が倒れ入院することになったことが俺に伝えられた。
健斗の体調は良くなく日に日に悪化してしまいもうあと3年持つかどうかと医者に言われてしまっていると聞いた。
もう残された時間は少ない。
俺がどうにか健斗を苦しめているアイツを見つけ出して、復讐してやる。健斗が自由に人前に出れるようにアイツから隠れなくて済むようにしてみせる。
俺はそう心に決めた。
平日は朝起きて朝練をしてから学校へ行き、学校が終わるとそのまま養成所へレッスンに行く、そして夜までレッスンをしてからその後養成所のレッスン室で自主練をする。
日によっては日付を跨いでしまってそのままレッスン室で寝て、朝練をしてから事務所のシャワーを浴びて学校へ行く。
土日はレッスンがある日は一日中レッスン、ない日は一日中健斗の番を探すために情報を集める為に駆け回った。
正直番を探すにも俺には情報が少なすぎる。
だから俺はまず健斗について調べることにした。健斗は俺の本当のおじいちゃんおばあちゃんについてや、自分の過去を何一つ語らない。
だから俺は健斗と俺の苗字、臥龍岡に注目して調べることにした。
臥龍岡 こんな珍しい苗字中々居ない、俺はそう思って臥龍岡が何かしらに出てこないか調べて、実際に臥龍岡姓の人に会いに行ったりしてみたがどこへ行っても健斗の情報が何も出てこない。
そんな時俺は臥龍岡 将人と言う人物にたどり着いた。臥龍岡 将人さんは元フィギュアスケートの選手だったが今からだいたい30年以上前に亡くなってしまっているそうだ。
俺は臥龍岡 将人さんについて調べることにした。30年前に居た無名のアスリートの情報なんてなかなか見つこらなかったが、ついに臥龍岡将人さんについて詳しい人物を見つけることが出来た。
当時臥龍岡将人のコーチを務めていた人の息子さんだそうだ。
その人によると臥龍岡将人さんはアルファから後天性にオメガになったそうでその事に耐えきれずに精神をおかしくしてしまったそうだ。
臥龍岡将人さんには当時結婚していた女性との子供が居たが、臥龍岡将人さんがオメガだと知ると彼女は子供も置いて出ていき、残された臥龍岡将人さんは、その怒りをまだ生まれてまもない子供にぶつけてしまっていたらしい。
その後臥龍岡将人さんのオメガ性を落ち着けるために、国が紹介したアルファと番ったがそのアルファがその子の存在を認めることが出来ず
その人も子供に虐待を行っていたらしい。
幸い子供が3歳になる時に臥龍岡将人さんが自殺し、その子供は養護施設に引き取られたそうだ。その子が中学に上がる前までは養護施設に居たのだが、その後その子供がどうなったかは、よく分かって居ないらしい。
その後その子供が住んでいたであろう養護施設や、役場などから当時の資料を借りて調べた。
そこに臥龍岡健斗の名前があった。
その時虐待されていた子供は健斗だった。
俺は思わず養護施設の資料を強く握りしめた。
健斗は幼い頃から虐待され、大人になってからも番に何かに嫌なことをされてその番から必死に逃げている
それでも自分の命を投げ打って俺を育ててくれた。
なんで父さんばかりがこんなにも不幸なんだよ!
健斗は自身がアルファだと分かると寮のあるアルファ校へ転校したと養護施設の書類に書いてあるがその後の行方は書かれていない。
職印の人にも聞いて見たが誰も知らないそうだった。
養護施設に居た健斗はずっと死んだはずの自分の父親からずっと逃げるように、何も喋ろうともせず、そのまま黙って逃げるように養護施設から出ていってしまったそうだ。
その後は特に進展はなく1年が過ぎようとしていた。
俺は進展が何もない事のあせりからか今まで以上に音を詰めたスケジュールをこなすようになった。学校がない時は朝から晩までレッスン三昧最近は玲奈さんの家にもあまり帰っていない気がする。零は心配して、俺の傍にずっとくっついて生活するようになった。
この1年で健斗の体調も安定していて半年前に退院したそうだ。
健斗には申し訳なかったが俺は実家には帰らなかった。今帰ってしまったらきっと健斗がもう二度と東京に送り出してくれそうになかったから、
俺は今それぐらいやつれている自覚がある。
その分俺はこの1年毎日健斗に電話した。
大好きな健斗との電話は一日の疲れがとれる気がするし、それに健斗の声色で健斗の体調が何となくわかる。健斗の元気そうな声を聞いて安心したかった。
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