異世界でカフェを開店しました。

甘沢林檎

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6巻

6-2

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 第三章 もやもやは消えません。


 それからというもの、ヴィルナは頻繁ひんぱんにカフェにやってくるようになった。
 ずっとジークと話をしているわけではないが、彼の手が空いたり、近くを通りかかったりすると、ちょこちょこ話しかけている。
 当然、リサが気にならないはずがない。
 情報通のヘレナによれば、ヴィルナは騎士団に所属していて、ジークとは学院の騎士科時代からの付き合いらしい。
 そのことについて、リサはさりげなくジークに聞いてみた。

「あれ? 言ってなかったか?」

 彼はそう言ってきょとんとした後、ヴィルナのことを話しだした。

「ヴィルナとは学院時代の同級生で、ラインハルトを入れた三人チームで活動することが多かったんだ。騎士団に所属する前の研修先も一緒で、何かと縁があるんだよ」

 ラインハルトというのはジークの騎士団時代の同期で、現在は分隊長として王都の警備をしている。
 彼の担当する地区にカフェ・おむすびが立っていることもあり、リサも顔を合わせる機会が多く、何かと頼りにしていた。
 ジークから、ラインハルト以外の同期の話はあまり聞いたことがない。だから、女の子もいたんだと、リサは今さらながら思った。
 ラインハルトの部下にも女性がいるので、考えてみれば当然のことなのだが、リサの中で学院の騎士科は男子校のようなイメージがあるのだ。
 フェリフォミア王国では性別に関係なく、どんな職業にもける。
 けれど、性別による向き不向きがあったり、興味の違いがあったりするので、男女比がかたよっている職業も中にはあった。
 騎士も、そんな職業のうちの一つだ。
 体力が必要な職業であるため、男性の方が圧倒的に多い。だが、女性の細やかさを求められる場面も多々あり、女性騎士も重宝ちょうほうされると聞いていた。
 フェリフォミアの騎士団は、リサが元いた世界でいうところの警察と救急隊、さらに軍隊を足したような機関なのだ。
 さらに王宮騎士団ともなれば、王族のSPみたいな仕事もしている。
 とにかく騎士団の仕事は多岐たきにわたるので、その分、女性が活躍する場面も多いのだろう。

「ヴィルナは地方の騎士団に配属されたから、それ以来会っていなかったんだが、先日配属替えがあって王都に異動してきたらしい」

 そんなジークの説明を、リサは複雑な思いと共に聞いていた。


「こんにちは」

 その日も、ランチの客が引いた頃、ヴィルナが入店してきた。
 ショーケースに並べるケーキを補充していたリサは、その声を聞いてドキリとする。
 からのトレーを持ったまま立ち上がり、入り口を見ると、そこにはヴィルナの姿があった。

「本当に通ってるんだな、お前」

 その隣に、赤毛の小柄な青年――ラインハルトがいたので、リサは少し緊張をやわらげた。
 ヘレナが彼らをカウンター席に誘導する。
 リサは厨房ちゅうぼうに戻る際にカウンター席の横を通り、二人に一声かけた。

「いらっしゃいませ」

 なんとなくヴィルナの顔を見ることが出来ず、ラインハルトだけに視線を向ける。
 するとラインハルトが顔を上げ、ニコリと笑った。

「リサさん、こんにちは」

 どうやら今日は二人とも休みらしく、私服を着ていた。

「ゆっくりしていってくださいね」

 リサも笑みを浮かべてそう言い、厨房ちゅうぼうへ向かう。
 ヴィルナのそばを通り過ぎる時、一瞬目が合った気がしたが、そのまま立ち去った。


 厨房に入ってから、リサは自分の態度を少し後悔していた。
 ――感じ悪く思われちゃったかな……
 視線が合った気がしたにもかかわらず、無視して立ち去ったため、ヴィルナに悪い印象を持たれてしまったかもしれない。
 いくら彼女がジークと親しくて、気になる存在であるとはいえ、それはリサの個人的な感情だ。お客さんに対してあんな態度を取るべきではなかったと反省する。
 声をかけた時も、彼女の顔を見ることが出来ずラインハルトだけを見ていたので、なおさら感じが悪いだろう。
 リサは情けない気持ちになって、ため息をいた。

「どうしたんですか? リサさん」

 ため息が聞こえたのか、ジークが心配そうに尋ねてくる。仕事中なので敬語だ。

「……ううん、なんでもない。あ、ラインハルトくんとヴィルナさんが来てるよ?」
「あの二人、また来たのか」
「二人とも私服だったから、今日はお休みみたい」
「仕事の日だけでなく休みの日にも来るって、暇なのか? あの二人は……。まあ、仕事中に来たらもっと問題だけど」

 やれやれと肩をすくめるジークに、リサは苦笑を浮かべる。
 言葉の端々はしばしから仲の良さが感じられ、リサは少し疎外感そがいかんを覚えた。ヴィルナが現れてからというもの、感情の振れ幅が大きくなった気がする。

「料理を出すついでに、一言挨拶あいさつしてきます」

 そう言って、ジークはパンケーキがのったお皿を手に、厨房を出て行く。
 その後ろ姿がホールに消えたのを見て、リサは再びため息を吐いた。


 しばらくすると、店内が混んできたのか、厨房には料理のオーダーが立て続けに入った。
 それに対応していたリサは、ジークがなかなか戻ってこないことに気付く。
 サンドイッチをお皿に盛り付けると、そのお皿を持ってホールの様子を見に向かった。

「だからさ、あの時は俺じゃなくて、ジークのせいで失敗したんだって」
「そうだったか?」
「いや、ラインハルトも一緒だったじゃない!」

 ラインハルト、ジーク、ヴィルナの三人は、思い出話に花を咲かせていた。騎士団時代の話をしているのか、実に楽しそうな雰囲気だ。


 そんな空気に水を差したくないと思うリサだが、ジークはまだ仕事中なのだから、早く厨房ちゅうぼうに戻ってほしい。
 その気持ちの中にはヴィルナに対する嫉妬しっとも少なからず含まれているが、厨房が忙しいので、やはり注意すべきだろう。

「あの、ジークくん」

 思い切って声をかけると、三人の視線がリサに集まった。

「オーダーが入ってるから、そろそろ……」

 リサが言葉をにごしつつも戻ってほしいことを伝えると、ジークはハッとした。

「すみません、戻ります」

 申し訳なさそうに言うジークに、ヴィルナはニヤニヤした笑みを向けた。

「ジーク、怒られた~」

 茶化す彼女に、すかさずラインハルトがツッコむ。

「ヴィルナ、お前なぁ……。ジーク、引き留めて悪かったな」

 そう言って、ラインハルトはジークに肩をすくめてみせた。

「いや、俺もつい話し込んでしまった。ゆっくりしていってくれ」

 ジークはカウンター席を離れ、空いた食器を持って厨房ちゅうぼうへ向かう。
 その様子を見たリサは、せっかくの楽しい時間を邪魔してしまったのではないかと、後ろめたい気持ちに駆られる。
 接客用の笑みを浮かべて二人に会釈えしゃくをすると、自分も厨房へ戻った。



 第四章 見てしまいました。


 フェリフォミア国立総合魔術学院は、この秋から新年度を迎えた。
 去年新設された料理科も今年で二年目。一年生だった生徒たちは二年生になり、新入生が入ってきた。
 それにともない講師の人員も増え、不慣れなことの連続で何かとバタバタしていたが、ひと月経ってようやく落ち着いてきた頃である。
 明日は料理科が休みで、カフェの方も定休日。せっかくなのでジークとどこかに出かけようかと、リサは考えていた。
 料理科からの帰り道、カフェに寄ったリサは、一人残っていたジークにそのことを話す。

「ねえ、明日って空いてる? 久しぶりにどこかへ行かない?」

 リサの言葉にうなずきかけたジークは、何かを思い出したのか、「あ」と言って固まる。そして、気まずそうな顔をした。

「あー、明日はちょっと予定が入ってて……悪い」

 すまなそうに言うジークに、リサは笑って手を振る。

「ううん、私ももっと早く言っておくべきだったから、気にしないで」

 せっかくの休日を一緒に過ごせないのは残念だが、予定があるなら仕方ない。せめてこのあと自宅まで送ってもらう間だけでも、ジークとの時間を楽しむことにした。


 翌日。
 リサはいつもより遅い時間に起床した。
 予定がない休日は久々なので、起きる時間を気にせずたっぷり二度寝したのだ。
 ぽっかりと空いてしまった時間をどう過ごそうかと悩む。
 そしてブランチを食べてから、ふらっと街へ出かけることにした。
 目的は特になかったが、あまり行ったことのないエリアのお店を見てみようかなと思い、カフェ・おむすびがある道具街とは反対側に足を運ぶ。
 やがて辿り着いたのは、雑貨屋や文具店などが立ち並んでいる地区だ。ここも道具街と同じく、王都が出来たばかりの時からあるようで、老舗しにせが多い。
 リサはさっそく目についた書店に立ち寄ってみる。
 ウィンドウには新刊らしき本が並び、宣伝のキャッチコピーが貼り出されていた。
 歴史を感じさせる鈍色にびいろのドアノブを押して店内に入ると、壁一面に本が並んでいた。それは吹き抜けになった二階まで続いている。
 狭い空間を目いっぱい使っているようで、ぎっしりと本が詰まった棚に圧倒された。
 面白そうな本はないかと、リサは背表紙を眺めながら本棚の間を歩いていく。

「マスター」

 耳元で精霊のバジルがささやいた。

「どうしたの?」

 リサが小さな声で聞き返すと、バジルは目をキラキラさせて本棚を指さす。

「これ! この植物の本、お家にあるのとは違いますよ!」

 今リサたちがいるのは専門書のコーナーらしく、事典や図鑑のような本ばかりが本棚に収まっている。
 バジルが指さす本は、植物の本がまとめて並んでいる棚にあった。同じ列には、リサが所有しているのと同じ本も置かれている。

「本当だね。新しい図鑑かな?」

 リサも興味をかれたので、本棚から抜き出して開いてみる。その横から、バジルが興味津々しんしんな様子で覗き込んだ。
 その本はリサが予想した通り、新しい植物の図鑑だった。描かれているのは、見たことのない植物が多い。
 奥付を見てみると、知らない地名が書かれていた。

「外国の図鑑なのかな?」

 フェリフォミアの王都に住み始めて数年が経ち、近隣地域の地名は大体覚えている。けれど、国中の地名を知っているわけではないので、リサは首を傾げた。
 図鑑をパラパラとめくるリサの手元を見ていたバジルは、とあるページを指さした。

「この木はフェリフォミアには生えてないですね。一年を通して寒い地域でしか育ちません。他にもフェリフォミアではあまり見ない植物が多いので、もしかしたら違う国の本なのかもしれないです!」

 楽しそうに図鑑を眺めるバジルの姿を、リサは微笑ましく思った。
 そっと本を閉じると、バジルに笑顔を向ける。

「じゃあ、この本買って帰ろう」
「本当ですか!? ……あ、でもマスター……」

 バジルは嬉しそうな表情から一転、顔を曇らせた。
 彼女が心配しているのは、本の代金のことだろう。こちらの世界では、本は割と高価なのだ。ジャンルによってピンキリではあるが、リサが今手にしているような専門書は装丁もしっかりしているので、総じて高額だった。

「ちょうど持ち合わせもあるから大丈夫。それに、新作料理に使える植物が見つかるかもしれないしね。一緒に図鑑を見ながら、色々教えてくれたら嬉しいな」

 リサがそう言って笑いかけると、バジルは顔を輝かせて「任せてください!」と自分の胸を叩いた。


 気難しそうな店主に代金を払ったリサは、バジルを肩にのせて店の外へ出る。
 そして、次はどこへ行こうかと考えた。

「バジルちゃん、どこか行きたいとこ……」

 リサがバジルに意見を聞こうとした時、よく見知った人物が目に入る。
 通りの少し先にいるのは、ジークだった。
 誰かと一緒にいるようで、顔を横に向けて話している。その相手は人ごみに隠れて見えなかったが、二人が歩き出した時、その人物の顔があらわになった。
 それは、なんとヴィルナだった。

「なんで……」

 リサはショックを受け、呆然と立ち尽くす。
 ――ジークの予定っていうのは、ヴィルナさんとの約束だったの……?
 笑顔のヴィルナが、ジークを肘で小突こづいている。その様子からは、気安い仲であることがうかがい知れた。
 スラリとしてスタイルのいいヴィルナは、背の高いジークと並んでも見劣りしない。それどころか、すごくバランスが取れているように見えた。
 ――もしかして、学生時代に付き合ってたのかな……
 ジークが女性と接するのがあまり得意ではないというのは、リサも知っている。しかし、ヴィルナに対してはそうではないみたいだ。
 それを考えると、もしかしたらと思ってしまう。
 何より、ジークは恋人であるリサとの時間より、ヴィルナとの約束を優先したのだ。先約を守るのは当然だと思いつつも、リサは傷つく。
 二人はそのままリサがいるのとは反対の方向へ歩いていき、やがて見えなくなった。

「……マスター?」

 リサの肩にのっていたバジルが飛び立ち、立ちすくんでいる彼女の顔を心配そうに窺う。
 リサはどうにか笑みを返したが、もう街を散策する気分にはなれない。
 本の入った紙袋を抱えて帰路に着くのだった。



 第五章 振り向かせるにはアピールが必要です。


 リサは自室のテーブルの前に座り、ハァとため息をこぼした。
 テーブルの上に広げている図鑑の内容は、全くと言っていいほど頭に入ってこない。
 先程見た光景が頭に焼き付いて、なかなか消えなかった。そのせいで、どんどん悪い想像ばかりがふくらんでいく。
 かつてジークとヴィルナは付き合っていたのだろうか。
 そうだとしても別に構わない。もやもやしてしまうことに変わりはないけれど、昔のことだと思えば納得できる。
 しかし、いわゆる「元サヤ」に戻ったのだとしたら……
 もしそうならば、ジークは浮気をしていることになるので、ヴィルナと会うことをリサに言わなかったのもうなずける。
 もちろんすべてはリサの想像に過ぎないが、突然ジークと親しい女の子が現れれば、多少なりとも疑ってしまうのは仕方ないだろう。
 みにく嫉妬しっとはしたくないけれど、嫌な想像を止めることも出来ない。
 キラキラした目で図鑑を眺めていたバジルは、あるじ憂鬱ゆううつそうなため息を聞いて顔を上げた。

「マスター、元気ないですね……」

 気遣わしげな視線を向けてくるバジルに、リサは苦笑した。

「うん……色々考えちゃって」
「色々、ですか?」
「ジークのことが好きなのに疑っちゃったり、他の女の子に嫉妬しちゃったりね……」
「好き、疑う……」

 不思議そうにつぶやき、バジルは首を傾げた。
 ややあって、まっすぐな目でリサを見上げる。

「バジルはマスターが好きで、信じていますよ? マスターは違うのですか?」

 子供のように純粋なバジルに、リサは微笑む。

「私もバジルちゃんのことは好きだし、信頼もしてるよ。もちろんジークもそうだけど……そうじゃないところもある……というか、私が勝手に不安になってるだけなのかも」
「では、ジークさんに不安なんです~って言ってみたらどうですか?」
「そうねぇ、それが出来たらいいんだけど……」

 バジルのアドバイスに、リサは苦笑する。
 ヴィルナは元カノなのかとジークに聞くのは難しい。まして浮気してるのかなんて、ますます聞き辛い。
 なおも首を傾げているバジルに、今度はリサが聞いてみた。

「バジルちゃんは、もし好きな人に、自分よりも好きな人が出来たらどうする?」

 バジルは腕を組んで、うーんと考え始める。
 やがて、パッと顔を上げ、リサに視線を向けた。

「バジルなら、好きな人に自分のいいところをアピールします! 好きな人の好きな人よりも、バジルの方を好きになってもらえるように頑張るのです!!」

 大きく両手を広げて、自分の存在を目立たせるようなジェスチャーをするバジル。
 その様子がなんとも可愛らしくて、リサはクスリと笑った。

「アピールねぇ……」

 自分の誇れるところはどこだろうかと、リサは考えてみる。
 真っ先に頭に浮かんだのは、やはり料理だった。
 ふと、ジークがカフェで働かせてほしいと言ってきた時のことを思い出す。
 ジークは、「あなたの作るお菓子が好きなんだ」とリサに言った。
 その頃は、まさか付き合うことになるとは思いもしなかったが、まるで愛の告白をするかのように言ったジークに、リサはドキドキしてしまったのだ。

「うん、私にはやっぱりこれしかないね」

 リサは深くうなずき、決意を胸に立ち上がった。


 翌日。
 リサはいつもより早起きをしてカフェ・おむすびに出勤した。
 誰もいない店内に入り、二階でカフェの制服に着替えて厨房ちゅうぼうへ向かう。
 厨房に入ってまず最初にすることは、手を洗うことだ。爪ブラシを使って、爪の中まで丁寧に洗っていく。
 それが終わると、リサは厨房の奥にある倉庫へ向かった。その四畳半ほどの空間には、常温で保存できる食材が置かれている。
 リサはその中から目当ての食材を探し、これから行う試作に必要な分を取ると、厨房に戻った。
 調理台の上に、倉庫から取ってきた食材をゴロゴロと並べる。
 ブブロンという栗に似た木の実。
 かぼちゃに似たプルエ。
 サツマイモに似たナナット芋。
 どれも秋の味覚の代表格ともいえる食材だ。リサはこれらを使って、モンブランを作ろうと考えていた。
 カフェ・おむすびのメニューの中に、モンブランは既にある。
 定番であるブブロンを使ったものや、少し珍しいピンク色の芋を使ったものなどが、日替わりでショーケースに並ぶ。
 しかし、旬の食材を使ったメニューなので、この機会に焦点を当ててみるのもいいかもしれないと思ったのだ。

「メレンゲ生地とタルト生地、パイ生地……あと基本のスポンジか」

 リサは、土台となる生地から見直そうと考えていた。
 今まで店頭に並んでいたモンブランの土台はスポンジケーキだ。他のケーキもスポンジを使っているので、作る時の効率を考えてそうしていたのだが、思い切って土台から変えてみたいと思っている。
 まずは卵を割り、卵白と卵黄に分ける。そして卵白だけをボウルに入れ、魔術具のミキサーにセットした。これでメレンゲを作るのだ。
 ミキサーでメレンゲを作っている間に、他の作業に移る。
 タルト生地とパイ生地は、材料がほとんど一緒だ。小麦粉、バター、水、砂糖、それに塩を少々。タルト生地の場合はさらに卵黄が加わり、その分だけ水を減らす。
 まずはタルト生地を作ることにした。
 ボウルに小麦粉、砂糖、そして塩をひとつまみ入れ、そこに一センチ角に切ったバターを加えて、手で混ぜる。混ぜるというより、バターと粉類を指ですり合わせていくという感じだ。
 ぼそぼその状態になったところで卵黄と水を加え、生地をまとめていく。
 ひとまとまりになったら、濡らして固く絞った布巾をボウルにかぶせ、冷蔵庫でしばらく寝かせる。


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