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28話
しおりを挟む傭兵たちの進軍が徐々に村へ迫る中、村人たちはアイリスの指揮のもと緊張感に包まれていた。村を守るために配置されたバリケードや簡易的な罠も、準備は万全とは言い難い。それでも、アイリスの冷静な指示が村人たちの不安を抑えている。
夜の静けさを破るように、遠くから鬨(とき)の声が響く。
傭兵リーダー:
「よし、やれ!村の奴らに恐怖を思い知らせろ!」
火を纏った矢が次々と放たれ、村の外れの家々に燃え広がる。
村人A:
「火が!火が燃え広がっている!」
アイリス:
「落ち着いて、水を運んで!火を消す人、矢を警戒する人、役割を守るのよ!」
冷静な声が村人たちの動揺を和らげ、火消しの作業が迅速に進む。
その間、ルーファスは森の中に潜みながら、傭兵たちの進軍ルートを妨害するために動き回っていた。
ルーファス(心の声):
「正面突破が目的か。なら、こっちで一気に足止めだ!」
彼は木々に仕掛けた罠を発動させ、傭兵たちの一部を混乱に陥れる。
傭兵A:
「なんだ!? 木が倒れてきたぞ!」
レオン、ついに帰還
そのころ、村へ急ぐレオンとエドワードの馬車が、ようやく村の入口へ到着する。村が燃え上がる様子を目の当たりにしたレオンは馬車から飛び降り、剣を手に走り出した。
レオン:
「アイリス!待っていろ、すぐに助ける!」
エドワード:
「おい、待てって!俺も行く!」
村の中心部に到達したレオンは、アイリスが村人たちに指示を出している姿を見つける。
レオン:
「アイリス!」
彼の声に気づいたアイリスが振り向く。
アイリス:
「レオン!戻ってきたのね!」
レオン:
「遅くなってすまない。もう安心しろ、俺がここで全て終わらせる!」
レオンの反撃
レオンは村の外れに向かい、傭兵たちと直接対峙する。
傭兵リーダー:
「お前がこの村の主か?ならば、潔く降伏しろ!」
レオン:
「降伏するのはお前たちだ。俺の村に手を出した代償を払ってもらう!」
レオンは剣を抜き、次々と傭兵たちを圧倒する。彼の動きは鋭く、あまりの速さに傭兵たちがたじろぐ。
傭兵A:
「な、なんだこいつ…!ただの貴族じゃない!」
村人たちもまたレオンの勇姿を目の当たりにし、士気を取り戻す。
クラリッサの策略が崩れる
その戦いの最中、傭兵リーダーの背後にクラリッサの影が現れる。
クラリッサ:
「まさか、ここまで抵抗するとはね…。だが、これで終わりよ。」
彼女はさらに別の部隊を投入する計画を立てていた。しかし、そこへ王都から使者が到着し、クラリッサに厳しい口調で告げる。
使者:
「クラリッサ卿、あなたの行動が王都に知れ渡っています。この場で即刻行動を中止しなさい!」
クラリッサ:
「な、何ですって!?」
レオンの周到な準備とエドワードの密かな手回しが、彼女の策略を暴いたのだった。
戦いの終結
傭兵たちはリーダーの指示を失い、次々と退散していく。村に平和が戻り、村人たちはレオンに感謝の声を送る。
村人A:
「レオン様、ありがとうございます!本当に…ありがとうございます!」
レオンは深く息を吐き、傍らのアイリスに微笑む。
レオン:
「アイリス、守り抜いたぞ。君とこの村を。」
アイリス:
「ありがとう、レオン…。でも、あなたが無事で何よりだわ。」
アイリスは涙ぐみながらレオンに抱きつき、二人の絆がより一層深まる瞬間だった。
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