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10話
しおりを挟むエドワードからの手紙を受け取った翌日、レオンとアイリスは村での結婚式の準備に取り掛かることになった。しかし、のんびりとスローライフを楽しむ二人にとって、結婚式というイベントは予想以上の大仕事だった。
村人たちの祝福
村の住人たちは二人の結婚に大喜び。早速、レオンの家に集まり、あれこれと提案を始めた。
村長:
「盛大に祝おうじゃないか!牛を丸焼きにして、村中を花で飾ろう!」
パン屋の娘:
「アイリスさんのために特注のケーキを焼くわ!7段重ねなんてどう?」
猟師:
「結婚式にはサプライズが必要だな。白いハトを50羽飛ばそう!」
二人はその勢いに押され、苦笑いを浮かべる。
レオン:
「えっと…そんなに大掛かりなものじゃなくてもいいんだけどな。」
アイリス:
「私たち、静かな式がいいのよ。ね、レオン?」
エドワードの登場
そこへ、エドワードが颯爽と現れる。いつも通りニヤリとした表情で、レオンの肩を叩いた。
エドワード:
「おい、レオン。式は派手にやるべきだ。王都から何人か招待客も呼んでおいたぞ。」
レオン:
「は?勝手に招待したのか?」
エドワード:
「心配するな。どうせお前のことだ、式が終わればまたスローライフに戻るんだろ?このくらい我慢しろ。」
レオンは頭を抱えたが、アイリスは笑って肩をすくめた。
アイリス:
「大丈夫よ、レオン。少しの間だけ、派手にお祝いしてもいいんじゃない?」
衣装選びの騒動
数日後、レオンとアイリスは衣装を選ぶことに。アイリスは王都から取り寄せたドレスをいくつも試着していたが、どれもピンと来ない様子だった。
アイリス:
「なんだか、しっくりこないのよね…。レオン、どう思う?」
レオン:
「いや、どれも似合ってると思うけど。」
アイリスはふと悪戯っぽい笑みを浮かべた。
アイリス:
「じゃあ、レオンも一緒にドレスを着てみる?」
レオン:
「冗談だろ…?」
アイリスは大真面目な顔で頷く。
アイリス:
「ほら、私の苦労をわかってもらうためにも、一度体験してもらわないと!」
甘い瞬間
結局、レオンはドレスを着せられるのを免れたが、その代わり、アイリスに何度も衣装の感想を求められ、クタクタになってしまった。それでも、そんな時間さえも幸せに思える自分に気づく。
レオン(心の声):
「これが一緒に過ごすってことなんだな…。」
アイリスが最後に選んだのは、シンプルだが彼女らしい上品なドレスだった。
アイリス:
「これなら、レオンの隣に立っても恥ずかしくないわ。」
レオン:
「アイリス、君なら何を着ていても最高だよ。」
その言葉に、アイリスは照れながらも嬉しそうに微笑む。
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