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昨日のパーティーでは、派手に精霊王達がやらかしていたが、その場しかいなかったと言えば、嘘になる。
実は精霊王達は貴族たちに見えないように姿を消していたのだ。お陰で人目をきにせずに楽しめた。
特にレリエルはこの世界のお菓子に興味を持ち、色んなお菓子を食べ比べていた。普通に配膳されているお菓子を取れば問題ないが、レリエルは精霊達に色んなお菓子を持って来て下さいと頼んだせいか、精霊達はところ構わずお菓子を集めてきたので、手元にあったお菓子が無くなっているだなんてことがそこらじゅうで起きていた。ちょっとしたパニックになっていた。
それを知らなかったレリエルは、美味しそうに食べていた。その喜ぶ姿を見て嬉しかったのか、いちだんと張り切った精霊達はほぼ全てのお菓子を持ってきてしまった。
まぁ、同然そんなに1人でとそんなに食べ切れるはずもなく、サファイエルやシルフィオーネ達と一緒に食べてもいたが、食べれなかった分は持ち帰らせてもらった。
そのせいでかいきなりお菓子が目の前で消えた瞬間を目撃してしまった者達はもう大騒ぎである。完全にパニック状態だった。
それを見た宰相が機転を利かせ、新しくお菓子を用意するように指示を出した。
精霊王達によって大成功をおさめたパーティの一部始終である。
ところ変わってレリエルの誕生を祝った翌日、レリエルは今王城にいる。
何故かと言うと…
王城に来たのに探検せずにいるのは勿体ないと思ったレリエルがサファイエル達に頼んで連れてきてもらったのである。
しかし、そんな都合よくみなの予定が合う訳もなく、今回は一番暇だったザファールと一緒に来ていた。
現在、レリエルを腕の中で抱いたまま王城の中を歩いているザファール。平然と歩いているのでそれを見た侍女達や通りすがりの者たちは、挨拶はしたものの通り過ぎようとしてありえないものを見たかのようにもう一度見た。その顔が次の瞬間、驚きに変わっていた。それを見たレリエルがこれぞ世間一般的に2度見というのか。初めて見たなとちょっと場違いの事を思っていた。
他の人達にとってはいい迷惑である。
当然その事は城の中で偉い2人の耳にも入ってくる。
その事を報告しに来た従者から聞いた宰相が慌てて執務室から出ていき、迎えに行く為走っていった。流石に勝手に色々と歩かれては困ると思ったのだろう。そんな様子の宰相は今まで見たことが無かったので、王までもが驚いていた。
世の中生きていれば不思議な事を観るもんだなとこの時、王は思った。
少しして時間が経って、宰相が戻ってきた。後ろに二人の精霊王を連れて。
「ただいま、戻りました。」
そう言葉にした宰相はちょっと疲れ着だった。
言わずもが騒ぎになった二人が原因である。
「ご苦労であった、宰相よ。」
そんな宰相に王は労いの言葉をかけた。
「何か騒がせちまったみたいだな。悪かったよ。ちょっとレリエルに頼まれて城の中を見て回ってたところだ。」
そんな疲れた雰囲気が漂ってると感じた様子を見て、ザファールは申し訳なさそうに謝った。
「ごめんなちゃい。まさかこんなにおおさわぎににゃるとはおもってなかったでちゅ。」
宰相が慌てて走ってくる様子を見ていたので、やっぱり、普通に歩けば大騒ぎになるよねと思ったので、ちょっぴり反省したレリエルだった。
「いや、大丈夫です。出来れば来る時はこちらに顔を出してからにして欲しいです。」
「あぁ、分かった。今度からそうするぜ!」
「らいかいでちゅ!」
これぐらいなら了承してもいいと思ったふたりであった。
「では、たんけんのちゅぢゅきをちまちょう!」
「いや、それは出来れば諦めて欲しいのですが。」
レリエルの言葉に慌てて国王が止めに入った。
「ダメでちゅか?」
首を傾げて、これでもかと言うほど瞳をうるうるさせて悲しむレリエル。幼い生い立ちをこれでもかと生かした作戦だ。
_ふふっ~、前世より幼い今はこんなことも出来るのだ!前世の年齢でやったら、絶対気持ち悪がれるけど今は幼女だ!!今有効活用ぜずにいつするのだ。これで断るやつがいたら私は見てみたいほどだ。
「うっ、分かった。許可しよう。だが、誰か一人はつけて欲しい。」
「陛下!」
拒否出来なかった国王は渋々頷いた。それを咎める宰相。だが、きっとレリエルにそう頼まれれば宰相とて、断ることが出来なかっただろう。
「わーい!これでたんけんできるでちゅ!」
「レリエルお前、意外とやるな。」
折れた国王に大いに喜ぶレリエルを見て、ザファールはとても関心した。
_楽しみだな~、結局来てから10分もせずに宰相さんが来ちゃったからあんまり見れなかったんだよね~。折角お城に来たんだから隅々まで探検してみたい!やっぱり、城と言えば隠し通路は必須よね!ファールお兄ちゃんの目を盗んで探せねば!
もう思考が今世に引きづられていくレリエルであった。まぁ、生まれて何十日しか経っていないから普通は喋れもしないと思うがそこは気にしないでおこう。
実は精霊王達は貴族たちに見えないように姿を消していたのだ。お陰で人目をきにせずに楽しめた。
特にレリエルはこの世界のお菓子に興味を持ち、色んなお菓子を食べ比べていた。普通に配膳されているお菓子を取れば問題ないが、レリエルは精霊達に色んなお菓子を持って来て下さいと頼んだせいか、精霊達はところ構わずお菓子を集めてきたので、手元にあったお菓子が無くなっているだなんてことがそこらじゅうで起きていた。ちょっとしたパニックになっていた。
それを知らなかったレリエルは、美味しそうに食べていた。その喜ぶ姿を見て嬉しかったのか、いちだんと張り切った精霊達はほぼ全てのお菓子を持ってきてしまった。
まぁ、同然そんなに1人でとそんなに食べ切れるはずもなく、サファイエルやシルフィオーネ達と一緒に食べてもいたが、食べれなかった分は持ち帰らせてもらった。
そのせいでかいきなりお菓子が目の前で消えた瞬間を目撃してしまった者達はもう大騒ぎである。完全にパニック状態だった。
それを見た宰相が機転を利かせ、新しくお菓子を用意するように指示を出した。
精霊王達によって大成功をおさめたパーティの一部始終である。
ところ変わってレリエルの誕生を祝った翌日、レリエルは今王城にいる。
何故かと言うと…
王城に来たのに探検せずにいるのは勿体ないと思ったレリエルがサファイエル達に頼んで連れてきてもらったのである。
しかし、そんな都合よくみなの予定が合う訳もなく、今回は一番暇だったザファールと一緒に来ていた。
現在、レリエルを腕の中で抱いたまま王城の中を歩いているザファール。平然と歩いているのでそれを見た侍女達や通りすがりの者たちは、挨拶はしたものの通り過ぎようとしてありえないものを見たかのようにもう一度見た。その顔が次の瞬間、驚きに変わっていた。それを見たレリエルがこれぞ世間一般的に2度見というのか。初めて見たなとちょっと場違いの事を思っていた。
他の人達にとってはいい迷惑である。
当然その事は城の中で偉い2人の耳にも入ってくる。
その事を報告しに来た従者から聞いた宰相が慌てて執務室から出ていき、迎えに行く為走っていった。流石に勝手に色々と歩かれては困ると思ったのだろう。そんな様子の宰相は今まで見たことが無かったので、王までもが驚いていた。
世の中生きていれば不思議な事を観るもんだなとこの時、王は思った。
少しして時間が経って、宰相が戻ってきた。後ろに二人の精霊王を連れて。
「ただいま、戻りました。」
そう言葉にした宰相はちょっと疲れ着だった。
言わずもが騒ぎになった二人が原因である。
「ご苦労であった、宰相よ。」
そんな宰相に王は労いの言葉をかけた。
「何か騒がせちまったみたいだな。悪かったよ。ちょっとレリエルに頼まれて城の中を見て回ってたところだ。」
そんな疲れた雰囲気が漂ってると感じた様子を見て、ザファールは申し訳なさそうに謝った。
「ごめんなちゃい。まさかこんなにおおさわぎににゃるとはおもってなかったでちゅ。」
宰相が慌てて走ってくる様子を見ていたので、やっぱり、普通に歩けば大騒ぎになるよねと思ったので、ちょっぴり反省したレリエルだった。
「いや、大丈夫です。出来れば来る時はこちらに顔を出してからにして欲しいです。」
「あぁ、分かった。今度からそうするぜ!」
「らいかいでちゅ!」
これぐらいなら了承してもいいと思ったふたりであった。
「では、たんけんのちゅぢゅきをちまちょう!」
「いや、それは出来れば諦めて欲しいのですが。」
レリエルの言葉に慌てて国王が止めに入った。
「ダメでちゅか?」
首を傾げて、これでもかと言うほど瞳をうるうるさせて悲しむレリエル。幼い生い立ちをこれでもかと生かした作戦だ。
_ふふっ~、前世より幼い今はこんなことも出来るのだ!前世の年齢でやったら、絶対気持ち悪がれるけど今は幼女だ!!今有効活用ぜずにいつするのだ。これで断るやつがいたら私は見てみたいほどだ。
「うっ、分かった。許可しよう。だが、誰か一人はつけて欲しい。」
「陛下!」
拒否出来なかった国王は渋々頷いた。それを咎める宰相。だが、きっとレリエルにそう頼まれれば宰相とて、断ることが出来なかっただろう。
「わーい!これでたんけんできるでちゅ!」
「レリエルお前、意外とやるな。」
折れた国王に大いに喜ぶレリエルを見て、ザファールはとても関心した。
_楽しみだな~、結局来てから10分もせずに宰相さんが来ちゃったからあんまり見れなかったんだよね~。折角お城に来たんだから隅々まで探検してみたい!やっぱり、城と言えば隠し通路は必須よね!ファールお兄ちゃんの目を盗んで探せねば!
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