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五章 聖杯の下に家族は集えり
崩壊
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中では大勢の妖怪さんたちが、黒い泥の海を前に人垣を――この場合は妖怪垣と言うべきなんだろうか――作っていた。番紅花さんは相変わらず、首から下を泥の海に沈めながら、苦しげな息を吐いている。けど肌や髪は、幸いにも、まだ衰えきってはいないように見える。
「動かないで」
壮華くんの鋭い声が飛ぶ。
「動いたら、あなたたちの頭領の命はないよ」
「坊ちゃん……どうして、こんなことを」
「よく言うよ。皆で一緒になって、僕たちに嘘を吹き込み続けていたくせに」
居並ぶ妖怪さんたちに向けて、壮華くんはやっぱり微笑んでいた。この状況でどうして、こんなに澄んだ顔で笑っていられるのか、私にはどうにもわからない。
「面白かったかい? 騙されてこき使われてる僕たちを見てるの、そんなに楽しかった? 皆、ほんとに――」
「ああ、楽しかったぜえ!」
骨が浮くくらい痩せた男の人が、急に叫んだ。アルカナムの常連妖怪さんのひとりだ。
ぎょっとした。けど男の人は、ぎょろりと突き出た目玉をぎらつかせながら、楽しげに笑っていた。
「そりゃあなあ! 坊ちゃんの菓子、うめえからなあ! うまいもん食って楽しくならねえ奴なんかいねえよ!!」
周りの妖怪さんたちが、一斉にどっと笑った。
「間違いないねえ。レアチーズケーキだったっけ? あの、ほんのりレモンの香りがする」
「こないだ出たばっかりの栗のやつ、俺まだ食ってねえ!」
「それは大変ですなあ。あのモンブラン、クリームの香りが絶品でしたぞ」
騒ぐ妖怪さんたちの話を聞いていると、私も思い出す。滑らかなレアチーズケーキ。スポンジがふわふわしていた苺ショートケーキ。濃厚な栗と、ほんの少し洋酒の香りがしていたモンブラン。壮華くんが作ってくれた、アルカナムのお菓子たち。
「蓮司坊ちゃんのコーヒーと、壮華坊ちゃんの菓子……我らは人間どもの店に入ったことはありませんがな、決して引けを取るものではありますまい。そして、これこそが――」
妖怪さんのひとりが、番紅花さんを見た。
「――蓮華坊ちゃんが夢見た景色では、ありませんかな」
「言うでない」
苦しい息の下、番紅花さんの口調はそれでも凛としていた。
「余計なことを喋るな。今更、詮ないこと」
「……どういう、ことだ」
私の隣で、蓮司くんがうめく。妖怪さんが、こちらを振り向いて微笑んだ。
「蓮華坊ちゃんは、病の床で憧れておったのですよ。人の世にあるという『コーヒーハウス』に……いつの日か、コーヒーハウスのコーヒーを飲みたいと。そしてもし病が癒えたなら、自分の手で――」
「もうよい。……もうよいわ」
番紅花さんの声が、話を遮る。
「もう、どうでもよいこと。あの黒い飲み物は、蓮華を癒しはしなかった。あの奇妙な占い札も、なんらの救いにもならなかった。……豆を挽く箱も、占い札も、捨ててしまえばよかったのだ。捨てられなんだのは妾の咎」
蓮司くんが、大きく身を震わせた。一方で、壮華くんは大きな笑い声をあげた。
「そうだよ、本当にそうだ。……どうして、ただ捨ててくれなかったんだ。付喪神にもなれない、できそこないの魂を、どうしてわざわざ繋ぎ留めたりしたんだ!」
壮華くんは、それでもやっぱり笑っていた。けど、心なしか、目が潤んでいるように見える。
「……おまえは、このような時でも笑っておるのだな」
「他の顔を忘れてしまったからね。泣いたり怒ったりしたら、心を疑われてしまう……笑ってさえいれば、皆、僕の心の内なんて気にしない。目的を果たすには都合が良かったよ。でも――」
壮華くんは、大きくてくりくりした目を細めて、蓮司くんの方を見た。
「――それももう終わりだ。見ていて兄さん。この女の力を奪って、僕たちは自由になる」
「やめろ、壮華!」
蓮司くんは、目の前の泥の壁へ守り刀を向けた。けれど、そびえ立つ黒はあまりにも大量で、光り輝く短刀を向けても微動だにしない。
「兄さん、いじめないであげて。この子たちも僕らと同じ、かわいそうなできそこないなんだから」
言葉と共に、黒い壁が崩れた。
「さあ、みんな。あの女狐の力を奪い取るんだ。爪の先まで、髪の毛の一本まで、少しも残さず……!」
崩れた黒が吹き上がった。激しく渦を巻き、倉庫の天井に付くほどの竜巻になる。巻き込まれたら、ひとたまりもなく引きちぎられそうだ。
「……母上!」
蓮司くんが、守り刀の切っ先を黒い竜巻へと向けた。白く輝く刀身が、空中に複雑な軌跡を描き始める。
「無駄だよ。兄さんの力じゃあ、この量を還すことはできない」
「確かに、すべてを浄められはしないだろうが――」
光る文字が、文様が、いつか私の部屋で見た、光の多重円を描き出していく。
「――『崩す』ことはできる。皆、後は頼んだ」
光る短刀を構えて、蓮司くんは円の中心へ駆け込んだ。光の文字が、蓮司くんの黒い着物にまといつく。
「大仙狐の名において命ず。汝ら、鎮まるべし……戻れ、あるべき処へ!」
叫びながら、蓮司くんは突進する。光をまとった黒い妖狐が、竜巻の柱の中心へ飛び込み――体当たりする。
「だめだ、兄さん! そんなことしちゃ――」
黒い竜巻の柱が、大きく揺らぎ――崩れた。
「兄さん!!」
壮華くんの絶叫。
泥の滝が蓮司くんを呑み込んで――次の瞬間、視界が暗転した。
気持ち悪いものに覆われる。顔も身体も、粘つくなにかに取り巻かれる。冷たい。息ができない。
同時に頭の中に、たくさんの映像が流れ込んできた。楽しそうに微笑むカップル。バースデーケーキを囲む家族。寝ている犬。桜の花。溶けかかった雪だるま。
……あの時と同じだ。私の部屋で「影」に取り込まれかけた時、見えたものと。
「兄さん! そんな、兄さん……皆、やめ……!!」
壮華くんの絶叫が、遠く響く。
意識が薄れていく。すべてが闇に呑まれていく。
これが、取り込まれるってことなんだろうな――と感じながら、私は気を失った。
「動かないで」
壮華くんの鋭い声が飛ぶ。
「動いたら、あなたたちの頭領の命はないよ」
「坊ちゃん……どうして、こんなことを」
「よく言うよ。皆で一緒になって、僕たちに嘘を吹き込み続けていたくせに」
居並ぶ妖怪さんたちに向けて、壮華くんはやっぱり微笑んでいた。この状況でどうして、こんなに澄んだ顔で笑っていられるのか、私にはどうにもわからない。
「面白かったかい? 騙されてこき使われてる僕たちを見てるの、そんなに楽しかった? 皆、ほんとに――」
「ああ、楽しかったぜえ!」
骨が浮くくらい痩せた男の人が、急に叫んだ。アルカナムの常連妖怪さんのひとりだ。
ぎょっとした。けど男の人は、ぎょろりと突き出た目玉をぎらつかせながら、楽しげに笑っていた。
「そりゃあなあ! 坊ちゃんの菓子、うめえからなあ! うまいもん食って楽しくならねえ奴なんかいねえよ!!」
周りの妖怪さんたちが、一斉にどっと笑った。
「間違いないねえ。レアチーズケーキだったっけ? あの、ほんのりレモンの香りがする」
「こないだ出たばっかりの栗のやつ、俺まだ食ってねえ!」
「それは大変ですなあ。あのモンブラン、クリームの香りが絶品でしたぞ」
騒ぐ妖怪さんたちの話を聞いていると、私も思い出す。滑らかなレアチーズケーキ。スポンジがふわふわしていた苺ショートケーキ。濃厚な栗と、ほんの少し洋酒の香りがしていたモンブラン。壮華くんが作ってくれた、アルカナムのお菓子たち。
「蓮司坊ちゃんのコーヒーと、壮華坊ちゃんの菓子……我らは人間どもの店に入ったことはありませんがな、決して引けを取るものではありますまい。そして、これこそが――」
妖怪さんのひとりが、番紅花さんを見た。
「――蓮華坊ちゃんが夢見た景色では、ありませんかな」
「言うでない」
苦しい息の下、番紅花さんの口調はそれでも凛としていた。
「余計なことを喋るな。今更、詮ないこと」
「……どういう、ことだ」
私の隣で、蓮司くんがうめく。妖怪さんが、こちらを振り向いて微笑んだ。
「蓮華坊ちゃんは、病の床で憧れておったのですよ。人の世にあるという『コーヒーハウス』に……いつの日か、コーヒーハウスのコーヒーを飲みたいと。そしてもし病が癒えたなら、自分の手で――」
「もうよい。……もうよいわ」
番紅花さんの声が、話を遮る。
「もう、どうでもよいこと。あの黒い飲み物は、蓮華を癒しはしなかった。あの奇妙な占い札も、なんらの救いにもならなかった。……豆を挽く箱も、占い札も、捨ててしまえばよかったのだ。捨てられなんだのは妾の咎」
蓮司くんが、大きく身を震わせた。一方で、壮華くんは大きな笑い声をあげた。
「そうだよ、本当にそうだ。……どうして、ただ捨ててくれなかったんだ。付喪神にもなれない、できそこないの魂を、どうしてわざわざ繋ぎ留めたりしたんだ!」
壮華くんは、それでもやっぱり笑っていた。けど、心なしか、目が潤んでいるように見える。
「……おまえは、このような時でも笑っておるのだな」
「他の顔を忘れてしまったからね。泣いたり怒ったりしたら、心を疑われてしまう……笑ってさえいれば、皆、僕の心の内なんて気にしない。目的を果たすには都合が良かったよ。でも――」
壮華くんは、大きくてくりくりした目を細めて、蓮司くんの方を見た。
「――それももう終わりだ。見ていて兄さん。この女の力を奪って、僕たちは自由になる」
「やめろ、壮華!」
蓮司くんは、目の前の泥の壁へ守り刀を向けた。けれど、そびえ立つ黒はあまりにも大量で、光り輝く短刀を向けても微動だにしない。
「兄さん、いじめないであげて。この子たちも僕らと同じ、かわいそうなできそこないなんだから」
言葉と共に、黒い壁が崩れた。
「さあ、みんな。あの女狐の力を奪い取るんだ。爪の先まで、髪の毛の一本まで、少しも残さず……!」
崩れた黒が吹き上がった。激しく渦を巻き、倉庫の天井に付くほどの竜巻になる。巻き込まれたら、ひとたまりもなく引きちぎられそうだ。
「……母上!」
蓮司くんが、守り刀の切っ先を黒い竜巻へと向けた。白く輝く刀身が、空中に複雑な軌跡を描き始める。
「無駄だよ。兄さんの力じゃあ、この量を還すことはできない」
「確かに、すべてを浄められはしないだろうが――」
光る文字が、文様が、いつか私の部屋で見た、光の多重円を描き出していく。
「――『崩す』ことはできる。皆、後は頼んだ」
光る短刀を構えて、蓮司くんは円の中心へ駆け込んだ。光の文字が、蓮司くんの黒い着物にまといつく。
「大仙狐の名において命ず。汝ら、鎮まるべし……戻れ、あるべき処へ!」
叫びながら、蓮司くんは突進する。光をまとった黒い妖狐が、竜巻の柱の中心へ飛び込み――体当たりする。
「だめだ、兄さん! そんなことしちゃ――」
黒い竜巻の柱が、大きく揺らぎ――崩れた。
「兄さん!!」
壮華くんの絶叫。
泥の滝が蓮司くんを呑み込んで――次の瞬間、視界が暗転した。
気持ち悪いものに覆われる。顔も身体も、粘つくなにかに取り巻かれる。冷たい。息ができない。
同時に頭の中に、たくさんの映像が流れ込んできた。楽しそうに微笑むカップル。バースデーケーキを囲む家族。寝ている犬。桜の花。溶けかかった雪だるま。
……あの時と同じだ。私の部屋で「影」に取り込まれかけた時、見えたものと。
「兄さん! そんな、兄さん……皆、やめ……!!」
壮華くんの絶叫が、遠く響く。
意識が薄れていく。すべてが闇に呑まれていく。
これが、取り込まれるってことなんだろうな――と感じながら、私は気を失った。
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