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第54話 今日も僕は、先輩の官能的な攻めに耐えられない
しおりを挟む美少女二人と3Pなんて、全国の青少年の憧れとも言えるものだろう。
しかし、実際のところはそこまで良いものとは言い切れなかった。
確かに、両手に花で状況的には素晴らしくはあるのだが、いざ二人を相手にするとなると何もかもが足らなくなるのである。
百戦錬磨のヤリ手であればそうではないかもしれないが、僕は所詮タダの高校一年生だ。
アッチにもコッチにも意識は分散するし、ナニをどうすればもわからない。
結果として、僕は二人から攻められ続けることになってしまったのである。
(……本当に、とんでもなかった)
人が聞けば、それは夢のような展開だと思うかもしれない。
……いや、実際、途中までは本当に夢のような状況であった。
献身的な美少女二人が、僕に快感を与えるために奉仕的に尽くす。
アチコチを這いまわる舌も、押し付けられる柔らかな乳房も、絡められる脚も、最高と言わずして何と言おうか。
アレはもう、一種の天国と言っても過言ではなかった。
だがしかし、体力や精力というものには、人それぞれ限界が存在するのだ。
性豪でもなんでもない僕は、二人の過剰ともいえるエロパワーを受け止めきる前に限界が来てしまった。
結果として、僕は暫く足腰がたたなくなってしまったのである。
(しかしそれでも、僕は頑張ったハズだ……)
何のとは言わないが、回数にして10回。これでも良くもった方と言えるだろう。
(でも、まだ股間に違和感を感じるんだよなぁ……)
一日経った今も、僕の股間はじんわりとした違和感を放っていた。
単純にヤリ過ぎただけだと信じたいが、しばらく続くようなら病院にでもかからなければいけないかもしれない。
「おはようございます。藤馬君」
「おはよう。藤馬君」
股間を気にしてたどたどしく歩きながら、待ち合わせの場所へとたどり着く。
二人は既に到着していたようで、輝かしい笑顔で僕を迎えてくれた。
「おはようございます。伊万里先輩。麻沙美先輩」
よく行為のあとの肌をツヤツヤしていると表現するが、今の二人はまさにソレである。
ツヤツヤとした肌が日光を反射し、本当に輝いているようであった。
「二人とも、元気そうですね」
「それはもちろん。昨日藤馬君にたくさん元気を貰いましたから」
「ああ。昨日は本当に最高だったよ。私の人生でも1、2を争う素晴らしいまぐわいだった」
「まぐわいとか、公衆の面前で言わないで下さいよ……」
麻沙美先輩は相変わらずの調子であった。
僕は昨日のこと、少しトラウマになりかけているのに……
「そういう藤馬君は、元気無さそうですね?」
「……まあ、流石に疲れましたからね」
「でも、最高だっただろう?」
「…………」
それは否定できない。
あれを最高と言わなかったら、方々でお叱りを受けてしまうだろう。
「あの、先輩方……、昨日のことは絶対に誰にも悟られないようにしてくださいよ。そうじゃないと僕、本当に殺されかねないので……」
今までだって命の危険を感じたことがあったのだ。今回の件がみんなにバレでもしたら、恐らく僕は本当に死んでしまう。
(永田への説明もちゃんと考えておかないと……)
永田には、最終的にどうなったかを説明しなくてはならない。
しかし、どんなにオブラートに包んだ説明をしても、噛みつきは回避できない気がする。
ただ、真実を伝えたら確実にそれでは済まないハズなので、なんとか上手い言い訳を考えたいものであった。
「わかっているよ! 大事な藤馬君を失うワケにはいかないからね!」
そう言って、麻沙美が僕の左腕に抱きついてくる。
相変わらずとんでもない柔らかさなので、恐らく今日もニップレスなのだろう。
アレって、取れたりしないか心配なんだけどな……
「ええ。私達の藤馬君を危険にさらすことはできませんから」
そして今度は伊万里先輩が右腕に抱き付いてきた。
こちらは相変わらずのボリューム感……、ってちょっと待て!
「せ、先輩? その、感触が妙に生々しいのですが……」
「はい。今日は私もニップレスにしてみました」
なん……、だと……
伊万里先輩のボリューミーな質量でそれをやるのは、最早暴力では……
「ズルイぞ伊万里! それじゃ私に勝ち目がなくなるじゃないか!」
「だってぇ!」
「だってじゃない! 伊万里のような巨乳は、それだけでも希少価値が高いんだぞ! それにそんなことされたら……、いかん、想像したら鼻血が出そうになった」
いや、直にそれ受けてる僕はもう限界寸前ですよ!?
心頭滅却すれば火もまた涼し! 心頭滅却すれば火もまた涼し!
「クッ……、こうなったら私は技で攻める!」
そう言って麻沙美先輩は、人差し指で僕の乳首の辺りをクリクリとし始める。
その力加減が絶妙で、じんわりとした快感が広がってくる。
「ま、麻沙美先輩、それはマズい!」
「わ、私だって負けません!」
すると、今度は伊万里先輩に耳を甘噛みされてしまう。
しっとりとした粘膜に耳が包まれ、血液が下半身に集まり始める
先程までの違和感が嘘だったかのように、僕の下半身は元気を取り戻していた。
(良かった……。無事だったんだな、僕の分身……、って! そんな場合じゃない!)
無事だった下半身に少し安心してしまったが、今はそれどころじゃない。
このまま完全に元気を取り戻してしまえば、僕はただの変態になってしまう!
「す、すみませーーーーーーーーん!!!!!」
僕は二人の拘束を振りほどき、ダッシュでその場から離れる。
「あっ! 藤馬くーん!!」
二人の呼び止める声を無視しつつ、僕はいつものように嘆いていた。
ああ……、今日も僕は、先輩達の官能的な攻めに耐えられなかった……と。
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