今日も僕は、先輩の官能的な攻めに耐えられない

九傷

文字の大きさ
上 下
39 / 57

第39話 麻沙美先輩のお家で③

しおりを挟む


「さて、今日二人に来てもらったのは先程の屈辱プレイへの報復……もとい、私へのご機嫌取りのためだ」


 そう言って、ソファに座った麻沙美まさみ先輩が大胆に脚を組み替える。
 ショートパンツを穿いているため、別に何かが見えてしまうワケではないのだが、それでも僕にとっては少々刺激的だ。

 それにしても屈辱プレイって……。さっきのは別にそんな意図は無かったし、プレイでもなんでもなかったのだけど……


「ご機嫌取りとは言いますが、麻沙美先輩、実はもう怒っていませんよね?」


「そんなことないぞ? 私にあんな顔させたのは君達が初めてだからね。そりゃもう、どうしてやろうかと頭であれこれプランを考えているところさ」


 一体何を考えているやら。麻沙美先輩のことだから、きっとしょうもないことに違いない。
 ……しかし、やはり先程の麻沙美先輩の顔はしっかりと記録しておくべきだったな。
 画像としても貴重だし、それがあれば暫くこういったことに対する抑止効果になっただろう。


「……藤馬とうま君、また何か良からぬことを考えているだろう? わかるんだぞ私には」


 またしても、僕のよこしまな考えが読み取られてしまう。
 僕ってそんなにわかりやすいのだろうか……


「べ、別に変なことは考えてませんよ。ただ、さっきの麻沙美先輩は可愛かったなぁと……」


「考えているじゃないか! あぁ! もう! さっきの私をしばいてやりたい!」


 麻沙美先輩が顔を押さえてジタバタと藻掻いている。
 それにびっくりしたようで、ジョネスが部屋から出て行ってしまった。


「ふふ……、あの反応……、余程不覚だったのでしょうね……」


伊万里いまり先輩、凄く悪い顔してる……)


 伊万里先輩は、いつもの清楚で朗らかなイメージからは考えられない程悪そうな笑顔を浮かべている。
 やはり普段からやり込められていることもあり、色々と溜めこんでいたのかもしれない。


「くそぅ……。やはり二人にはこの屈辱感を晴らしてもらわなければ気が済まない。覚悟していろぉ……」


 そう言って、麻沙美先輩は何やら収納ケースをガサゴソし始める。
 どうやら私物箱のようだが、何故こんなリビングに置いてあるのだろうか……


「クック……、やはり多人数といえば、定番のコレ・・だろう」


「コレって……、なんです?」


 床の上に放られたビニールシートのようなものを広げてみるが、その正体には思い至らない。
 何やらカラフルな丸が書いてあるが……


「これは、ツイスターゲームだよ」


「っ!?」


 ま、まさか、これが伝説の……!?


「な、なんでそんなモノがあるんですか!」


「そんなの、私が楽しむために決まっているだろう?」


「いや、そうなんでしょうけど……」


 ツイスターゲームとは、ルーレットで示された手足を、シートの上に示された赤・青・黄・緑の丸印の上に置いて行き、できるだけ倒れない様にするゲームである。
 このゲームは主に二人以上でプレイされるのだが、異性同士で行うと接触が多いので、非常に性的要素が強くなっている。
 そのため、漫画やゲームなどのフィクション作品では良く登場するのだが、実物には滅多にお目にかかれない代物であった。


「こんなモノ、本当に売ってるんですね……」


「ハッハッハ! 需要があるからこその供給だよ! 世の中には、私のような人間が他にもたくさんいるってことさ!」


 あまり考えたくないことだが、売られているということは、そういうことなのかもしれない……


「さてさて、藤馬君は知っているようだけど、伊万里はツイスターゲームのことは知っているのかな?」


「いえ、詳しくは……」


「では説明しよう。まず、プレイヤーはこのルーレットに指示された手足を、対応した色の丸印に置いていく。この時、手のひらや足の裏以外の部位はシートに触れてはならない。触れてしまったり、手足が置けなくなったら負け。これが基本的なルールだ。どうだ簡単だろう?」


「……なんとなく意図がわかりました。成程、麻沙美先輩らしい遊びですね」


「ふっふっふ、そうだろう?」


 別に伊万里先輩は褒めてなんかいないのに、麻沙美先輩は何故か自慢げである。
 それにしてもコレは……、少々マズいな……


「最初は私が審判をやろう。さあ二人は靴下を脱いで!」


「待ってください! こういうのは、普通ジャンケンで決めるのでは!?」


「どの道全員やるんだ。いつやっても同じだろう?」


「マ、マジですか……」


「じゃなきゃ不公平だろう?」


 こんなゲームに公平も不公平も無いと思うけど……


 そんなこんなで、僕達はツイスターゲームをプレイすることになったのであった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

元カノと復縁する方法

なとみ
恋愛
「別れよっか」 同棲して1年ちょっとの榛名旭(はるな あさひ)に、ある日別れを告げられた無自覚男の瀬戸口颯(せとぐち そう)。 会社の同僚でもある二人の付き合いは、突然終わりを迎える。 自分の気持ちを振り返りながら、復縁に向けて頑張るお話。 表紙はまるぶち銀河様からの頂き物です。素敵です!

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

社長から逃げろっ

鳴宮鶉子
恋愛
社長から逃げろっ

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

根暗令嬢の華麗なる転身

しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」 ミューズは茶会が嫌いだった。 茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。 公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。 何不自由なく、暮らしていた。 家族からも愛されて育った。 それを壊したのは悪意ある言葉。 「あんな不細工な令嬢見たことない」 それなのに今回の茶会だけは断れなかった。 父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。 婚約者選びのものとして。 国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず… 応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*) ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。 同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。 立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。 一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。 描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。 ゆるりとお楽しみください。 こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。

処理中です...