お付き様のおもわく

三々 こころ

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5-7. 法政会議(七) クライマックス②

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 だが彼の罵倒もだんだん短くなる。
 四肢と感部の核に這いずり回られた桃雪の声は、次第に喘ぎ声に変わっていった。


「おや…興奮していますか?興奮剤は人間には効かないはずなんですがね」

(嘘、さっき出したのに)

 しかし嘘ではない。
 何度も虐められたそこは、今や紛うことなき形をぐっしょり濡れた袴ごしに現していた。

「茶会のは、ちゃんと抜いてきましたか?」
「ぁっ、それ、言うっ、なあぁぁっ」

 隼樺が袴の上から桃雪のそこをくいっと掻く真似をすると、桃雪は面白いほど身をのけぞらす。
 その様子に、隼樺はぞくりとする。


「桃雪さま。…私には桃雪さまが、此奴にひどくわいせつな所を刺激されているように見えるのですが…これはどういうことだと思います?」

 桃雪は答えない。答えたくても、触手の一本が彼の舌を吸盤でちうちう吸っていて答えられなかった。
 桃雪は身体を弄ぶミミズのような群れに身を揺らせながら、赤い目で隼樺をにらみつけた。
 だが隼樺は一国の主に恐れも成さない。


「まだ気づいてないですか」


 高身の隼樺は、御座でいたぶられる桃雪を挑発するように見下ろしてやった。

「これの原動力は交接強迫剤フェロモンです。つまり此奴は、香り水を塗ったところを中心に群れることになります。が…」

 そこで区切って、隼樺はにっと笑った。
 反対に、桃雪の顔からはどんどん色が消えていく。

「どうも桃雪さまは、人並みの所にはあれを付けていないようですね。…一体、何をされたんです?この香り水で」

 その意地悪な質問に、ついに被服の中でしおたれた桃雪の褌から中身がべろっとずれ上がった。

「ちがっ、わた、っしは、あぅっ」
「わたしは、何ですか」
「っくぅ、は」

 興奮剤にむらがった脚が、衣服の外からでも分かるくらいに桃雪の陰茎を揉みしだく。
 そのたびに精液をつくり溜めた睾丸が、もうだめだと桃雪をせっついた。
 こんな最低な男にとても助けろなんて言えず、しかしその底意地の悪さのせいで下のものは腫れ、今にも出したいと桃雪はみっともなく宙に腰を振る。

 最初から隼樺は、桃雪を試すつもりだったのかもしれない。
 自分の計算で桃雪を操って、本当に与えた香り液で隼樺のためにそこを触ってくるか。
 そして自分の前で、自尊心も何もが壊れていくさまを、見て楽しむ。
 結局彼の本性は、そういう禍々しさでできているのかもしれない。


「んな、あ、あァっ…」
 突然、腹の中に熱いものが走った。
 奥の方が、じん、じんと圧迫され、意識になかった新たな脚が、後ろの穴の中でだんだん膨張していく感じがした。

「かっは…」

 桃雪は口をはくはくさせた。視界が真っ白だった。
 前では我慢汁を垂れ続けているままなのに、太股の付け根から下は痙攣して、桃雪は隼樺が前にいるのも忘れてがくがく膝を言わせた。

「後ろでもしているんですか。純情そうに見えて、やることはやってるんですね」

 隼樺が冷酷な瞳をして言い放ち、桃雪の体内に入っていると思われる候補の数本を腰口からずぷぷぷ、と無造作に引き抜く。
 糸のように細い管がしなやかに桃雪の内部へと侵入した後、中でその体積を膨らましていたようだ。

「いたっぁ…っ」
「それに飛ばされていた人が何言ってるんですか」

 そう言うと隼樺は、小瓶の栓を抜き、駄目押しかわずかに残った中身をふやけた袴の頂きに垂らした。
 途端、脚は桃雪の股間に集中する。

「うぁああぁっ、ひぅん、な、あ、はっ、んなぁあっっ」

 べとべとの粘液と甕の水、それから桃雪のさまざまな体液のせいで、服の中で彼がなぶられる様子は隼樺によく見えた。
 肛門の手前にあぶれた脚先が、そこをこそばすように撫でるので、さっき奥に当たった所がぢくぢく外から刺激され、桃雪は悶絶する。

 ただ貰った香り水を手に自慰行為を行ったばかりに、桃雪はその自慰を隼樺に見られているような格好になっていた。


「あっ、やめっ」

 隼樺が桃雪の足首をつかみ、背を床に倒した。

「やめてほしいですか?苦しそうなので此奴を引き剥がそうかと思ったのですが」

 するならなるべく早くして欲しいところだった。
 だが、

(いま、だけは)
 いま触られたら、確実に射精る。

(いやだいやだいやだ)

 はっはっと浅い息づかいで、最後の力を振りしぼり、桃雪は抵抗した。
 触手が袴の中でとどろき、桃雪は腰を反らせる。
 色んな所がこわばって、ぐずぐずになるすんでの桃雪を射る隼樺の目は、獲物を狩る獣のそれだった。

 人間の握がした。隼樺が桃雪の袴の頂を触った。
 桃雪の全身から力が抜けた。

「あっ、あっあ、あ、ぁ、――――――――っ」


 ごぽっという音がして、隼樺が握りこんだ下が温かくなった。

 どりゅるりゅぅ、ぶちゅっ。コポッ、ぼこ、ゴプッ。

 すでに湿っていた袴から、白いものが隼樺の手に溢れる。
 濡れたところをさらに汚すため、淫猥な音がそこから響いた。

 自分では制御できない感覚に、桃雪は涙で潤んだ目を堅く閉じ、早く終われと願うばかりだった。
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