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7. クライマックス

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「は?」

 ルタの脚がテオの膝で押さえられた。


「っふ…!」

 何をすると、訊く間もなかった。テオのボールペンが、再び食い込んだのだ。

 突沸した色情に、ルタの大腿は腰を前後するほかなかった。

「あっ……やめろ、やめろって!」

 さっきよりもはっきり不味いと分かった。


 ヨくない、はずが無いのだ。

 叶わないはずの顔がそこにあって、その手が身体に触れ、もう一方の手に自分の陰部を刺激される。その手がテオのものだと、その体制がよく知らしめる願ったりな光景。

 だからこそ不味いのだ。


「男でイける訳ないだろ、一人で抜くって!」

 つくづくルタはいらぬことを口走る。

「あ、そう」

 どこか冷めた口調でテオがペンを放る。気を抜くと息を荒げてしまいそうだ。テオの匂いがいやに甘く感じた。

「ち…っかいって、だからさあ」

(ぁっ……)

 ぶわっとテオの顔が近づくと同時に、全身が鼓動に震えた。

 睾丸がきゅっと持ち上がる。達するすんでのところで堪えた。テオが指を後ろから内股の際どい部分へと滑らしたせいだ。

 それは自分でなぞらえた軌跡をたどるようだ。


(このままだと、射精する)

 その二文字を浮かべ、ルタはぞくりとした。

 出したい。今すぐここから逃げたい。

 しかしテオとのこの距離が恋しくて、離れたくない気持ちも同じだけある。


 そして、それだけは見られたくないという恐怖。



 しかしそれも、テオの指の伝うところには無意味なわけで。


 テオの顔がゆっくりとルタに寄る。こんな近くで見たこと、今までないんじゃないかと思う。

 テオのまつ毛がルタの頬をくすぐる。

 何何何何。

 そう戸惑ったとき、手が前から伸びてズボンのジッパーの付け根に触れた。

 つまりテオの指が、ルタの―――。


 そこまで予測したとき、ルタのうっすら濡れた制服から、ズプ、と白濁した液が漏れた。


(あ、俺―――)

 なんとかいきもうとしたが、とっさに吸い込んだ匂いがそれをやめさせるほど、気持ちよく全身を弄んだ。

 ルタの理性が崩れ落ちた。




「ふ…っつ、ぁ…………」

 どぴゅっ、どぴゅぴゅ、ずぷぴゅりゅぴゅ――――――――――――どぴゅどぴゅ。

 淫猥な音を立て、紺の制服がみるみると内側から溢れる白い液体に侵されていく。

 随分いやらしいことを想像したのだろう。精の液はなかなか止まらず、昂じて時おり勢い余ったぶんがそのまま飛んだ。

 それはスラックスに洩れるばかりか、チャックを伝い、重力に任せて飾りの折り目にまで垂れる。

 体液は、我慢したものも合わさって服に沈み、欲に赴くままのルタの性器を卑しく型どった。

 飽き足らず後ろまで染みた方は、ペンを押し当てたルタの肌の線をくっきり浮かび上がらせる。

 洩らした量が多かったため、黒がちの生地だったが、ルタの陰部は薄くその色を透かしていた。
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