キック・THE・ボール

しゅうごろう

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惨敗!

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今思えば、自分はなに一つ目立ったことをしていなかった。やりたいことをもっと実行しとくべきだったと今気づく。
そんな思いを挽回しようとサッカー部に入り、全国大会に出場することを決めた。軽い気持ちで入部した鈴木翔大は痛い目に会うことになる。

北栄高校のサッカー部は、三年生4人、二年生6人、新入部員12人とあまり人がいなかった。
その中で、一ヶ月後に地区大会を控えていた。
初戦は強豪サッカー部南栄高校だった。
正直俺は勝利の方程式が思い浮かばなかった。

「今日も、地区大会に向けて頑張るぞ。」

「おー。」

監督やコーチは、サッカー経験が浅いためあまりためになる練習ができなかった。

突然、三年生 二人と二年生 二人が接触プレイで骨を折ってしまった。
そのため、俺は、ベンチメンバーに選抜された。
唖然とした。

「よし、、、」

嬉しかったが、始めてまだ二ヶ月ちょいの奴に三年生と二年生の代わりが務まるのか。
務まるわけがない。

そんな不安な気持ちを抱えたまま当日。

「ピッ」

始まりのホイッスルが鳴った。

雨ようにボールがゴールに入っていった。
監督やコーチは、「惜敗」といっているが、
明らかに「惨敗」だった。

三年生はこれを機に引退することになった。
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