悪魔と委員長

GreenWings

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悔恨

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 神の家どころか悪魔の住処となっていた教会の奥の一室で、心身共に限界まで追い詰められた少女はついにしてはならぬ署名をしてしまった。

 黒い悪魔が術を解除した刹那、少女に襲い掛かる途中の男に劇的変化が訪れた。それはあたかも別人に成った様にがらりと顔つきが変化し、ますみは戸惑いさえ覚えた。
 次の瞬間彼は悲鳴を上げながら彼女から飛び退くと、がたがたと震えながら少女を拘束している手枷を苦労しながら外し、床に頭をこすりつけて号泣しながら謝罪の言葉を叫び続けた。

 ますみが彼の前に座り、顔を上げさせようと肩に触れると飛び退って再び虫の様に這いつくばって神とますみに対し謝罪を繰り返した。
 何を言おうとしても落ち着かせようとしても彼の精神状態は尋常ではなく、ますみがそこに居る事自体が神父を追い詰めていると認識せざるを得ず、少女は悪魔に促されるままにその場を立ち去るしかなかった。

 それから次の日曜まで教会は扉を閉ざし、そして主日のミサにようやく姿を現した神父はやつれ果てて生気を失い、さながら亡霊の様な姿であった。
 そこで彼はミサを執り行う資格が自分にはないと言い出し、この教会に来てから重ねて来た数々の罪を関わった者の名を出す事無く延々と信者の前で告白した。

 その神父という立場とは思えぬあまりに欲にまみれた内容とその周到さ、罪の多さに信者の中には激高のあまり怒声を上げる者も大勢出たが、神父は一切反論せず彼らの言葉を受け止めた。
 ますみや他の何人かの信者が苦労してとりなす事をしなければ暴動が起こりかねない程、自分が悪であることを前面に押し出した話し方だった。

 無様な神父の長々とした告解と信者の混乱でその日のミサは行われる事は無かった。そしてさらにこの直後、神父は警察に出向き自首をした。

 神父の自供から後日ますみも事情聴取されたが、付き添ってようやく事態を知ったますみの父は初めて娘の前で激怒する姿を見せ、逆に自分のふがいなさと娘の為に号泣もした。

 驚くべきかな神父の自首から数日の間にこの街の様々な有力者が次々会見を開き、自分がして来た不正や不倫、違法行為のすべてを告白し、マスコミも世間も何が起こったのか分からないままとにかく大いに騒がれる事態になった。関係者はもちろんその家族まで世間は叩いた。

 一件でさえ大事件になる様な案件が多数同時に、しかも発覚ではなく自ら公開して行くなどと言うケースは街を大混乱させた。

 神父のみならず、これらの会見を開いた者達がこぞって自主をした上、その内容が多岐にわたる為に警察も捜査する人員が追い付かず事をすぐに納める事は出来なかった。

 しばらくの間教会は捜査の為と、後任の神父がすぐ決まらなかった事で機能しなくなっていた。

 そんな中で、拘留されていた神父は留置所内の独居室で食事に出されたコッペパンを噛まずに呑み込んで自殺を果たした事も報道された。それを受けてなのかそうでないのか、保釈金で出ていた者の中の数名はその後を追うかの様に命を絶った。
 
 ますみは再び自分の行いに戦慄した。
 そして抱えきれない罪悪感と後悔から人目の届かない所でその心が壊れかねない勢いで号泣した。
 一度ならず二度までも自分の発言が元で大勢の人が傷ついた。その事実が許せなかった。
 何が高潔な魂だ、悪魔は見誤っているに違いない。そもそも悪魔と契約してしまう様な者の魂が美しい訳が無い。何故そんな弱い者の下に悪魔が現れたのか。違う、弱いから現れたのに違いない。自分の弱さが大勢に災厄を呼び寄せたのだ。

 契約をしてしまった以上自分は既に神の娘などではないという自覚はあったが、契約結果が出てみると改めて自分がいかに卑しい人物であるのかとますみは我が身を呪った。

 母親にあんなに愛してもらったのに、弟にあんなに偉そうにしているのに、自分はこんなにも醜く浅はかな人間だった。どちらにも申し訳なくて消えてしまいたくなった。

 事故の時は被害者がだれかわからず償いが出来なかった、今回は会見が開かれているから相手はわかるが、彼ら自身が償うつもりでいるのをやめさせる訳にもいかなかった。
 自分は今度も何もできず安全な所でのうのうとしているのだ。
 ますみはそんな自分自身の状態に怒りを覚えたが、それ以上に自分に対し諦めを覚えた。

 それでも良い姉を演じようとする自分に嫌悪感を感じつつもますみはそれをこなした。
 それが心を疲弊させたのか気づけばその足はかつての心の拠り所に向いていた。

「私が…… あんな事を言わなければ……」

 その性質上からなのかもう証拠は残っていないと判断されたのかは不明だが、教会内で唯一立ち入りが許されている礼拝所で少女は表情を失っていた。もう祈る事さえますみには許されない。
 その隣では全く意に介さずと言った様子で端正な顔立ちをした黒尽くめの青年が立っている。

「お前の願いは間違いなく叶えた。だがこうなったのはあいつら自身の所為だ。何故責任を感じてる」

「私はこんな事態を望んだのではありません……。こんな…… 私はただ以前の様に…… 皆が心安らかに神様と一緒に居られたら良いと…… そう思っただけなのに……」

 悪魔は嘲笑した。

「あんな奴らがよ、神と一緒に居て良いとお前は思うのかよ」

「神様はどんな罪もお許しになります。私達は信仰と共にいつでもやり直す事が出来るのです!なのにこんな事になるなんて」

 悪魔は思わず噴き出した。

「やり直すだ?お前が言うかよ!俺の手の中に何があると思う?お前はもうすでに魂の一部を俺に渡している。やり直しなんて利かんよ!あいつらも面白い事になってんじゃねぇか。お前らは自殺をしたら地獄に落ちて最後の審判でも救われない事になってんじゃなかったのか? 」

 ますみは神父を思った。

「神父様はユダと同じ事をなさったのです。自らの裏切りを悔い、得たものをすべて手放して命を差し出す事で罪を償おうとしたのです」

「ユダ、イスカリオテのユダ(イエスを銀貨三十枚で売った使途。その後それを後悔し、神殿に受け取った銀貨を投げつけ首を吊ったとされる。)か。ああ、お前達の間では裏切り者の汚れ役だったな。あいつがああする事ですべては神の思う通りになった。イエスとの仲を明かさず伝える方が都合が良いだろうな。ユダの覚悟とあの人悪魔如きを同じにするのは気の毒ってもんだ」

 悪魔の言わんとしている事はますみにはわかっていたが、神父の後悔や苦しみを全否定されるのは気に入らなかった。

「神父様は、自らの復活さえ手放す覚悟で、神のお慈悲さえ受ける価値が無いとさえご自分を追い込んでいらしたのです。それほど悔いていたのです……。私は…… 責める事は出来ません……。それでもこれから取り戻して行って欲しかった……。神父様は虐げられてきた身です。その痛みがわかる人だったはずなんです」

 悪魔は首を振った。

『この教会を神様に背く行為に使った者に神様を愛していた時の信仰心を思い出して素直に受け止めて欲しい』
 
 それが悪魔とますみが交わした契約内容だった。

「お前の願いは人の心を操る様なものでは無いし永続する縛りも無いが、自分がしている悪事と真っ向から向き合う事になるものだった。重ねた悪事がでかければでかい程その衝撃は大きい。悪事に対し自覚が無かったならその事実さえ大きな罪の意識を生みもするだろう。信仰を思い出せば大人しくなるなんて思うのはろくに背いた事も無いお前だからだ小娘。他の奴らはそれじゃすまない、散々神に背いて来た自分を許しはしない」

 悪魔の言葉を聞きながらますみは祭壇の像を見上げていた。
 そして絞り出す様に言った。

「初めてあなたに望みを伝えた時、大勢の人達が悲惨な目に合いました。それはもしかして私が心の奥底で好奇心からその場を動かず事態を深刻に受け止めない人達に対する怒りがあったと言う事なのでしょうか。あなたと契約を結んだ時、神様に対する信仰心の低さに対する怒りがあったからでしょうか。だとするなら起こった事はすべて私の所為です。あなたは常に私の所為ではないと言うけれど、それは私の魂が罪の意識から曇るのを恐れているからです」

 お人好しも大概にしろと悪魔は吐き捨てた。

「いいか、最初の時はな、連中が取り囲んでなきゃ跳ねられなかったんだ。今回もそうだ、悪事なんて働いて無きゃ自首する必要も無かったんだ。お前の内心など関係ない、俺は契約にある内容を実行するだけだ、お前の所為じゃねぇ。俺はお前のそういうとこは気に入らねぇ」

 悪魔の言葉を聞いてますみは涙をにじませた。
 悪魔の理屈は身勝手だ。本当はもっとやりようがあったはずなのに自分には思いつかなかった。
 どちらの場合も追いつめられていたと言うのはある、だからと言ってもう少し何かあったのではないか。
 自分の考えの無さに悔しさが込み上げる。きっと避けられた事態だったに違いない。

 魂の一部を差し出したのにそれに見合う結果をますみは出す事が出来なかったどころかむしろ多くの人を傷つけてしまう事になったのではないか。そんな風に考えた。
 もちろん悪事を働いた者には罪を償ってもらう必要はあると思う、だが裁くのは自分であってはならなかったはずだ、それは神の仕事であったはずなのだ。

 ますみは思った。このまま悪魔を傍に置いては再び何か契約をしてしまうかもしれない。悪魔祓いを依頼したのは契約してしまう恐れがあったからだが既にそれをしてしまった今恐ろしいのは、再び何かしら契約をしてしまってその結果三度目の悲劇を生んでしまう事だった。

「エスレフェス、以前悪魔は幸いを持って来ると言いましたね。それはなぜですか」

「ああ、簡単な事だ、喜ばせて置いて絶望させる為よ。調子付いた人間は自ら勝手に不運を呼び込むからな」

 ますみは祭壇から目を伏せ、そうと漏らした。

「あなた達悪魔は神様に絶望させられてしまったのですね」

 悪魔の眉が微かに吊り上がる。

「何が言いたい」

「あなた達は呆れるくらい契約に対し潔癖です。そんなに魂が欲しいのならば力づくで奪える力をあなた達は持っているはずなのに。それでも契約する事にこだわっています」

 ますみはそこで一度息を整え悪魔に視線を向けた。

「あなた達は神様の様に全知全能ではない事を認めていて、その上で人間を知ろうと真剣になっている様に思えます。そして多分あなた達が私達に苦しみを与えるのは嫌がらせの為や悪意からではない、そんな風に思えました」

 悪魔はますみを見つめ返した。

「言うじゃねぇか」

「契約に対して潔癖なあなた達が神様への当てつけや八つ当たりで私達を苦しめる様には思えません。あなた達は神様と同様に自分達の事を知って欲しいのではないかと思います。そしてそれはとても歪な形だけれど、あなた達も人間の事をとても愛しているんだわ」

 真っすぐ向けられている視線を受け止めたまま悪魔は下らなそうに笑った。

「小娘よ、そんな事を言う奴に会ったのはお前が初めてだ。じゃぁ少しだけ話してやろう。契約はな、同意があって初めて成り立つ。神から人間を引き離そうとするならな、自ら神を手放す意思を持たせなくては意味が無いんだ。脅されたり無理強いした所でそれはそいつの意思にはならん」

 ますみは微かに微笑んだ。

「やはり真面目ではありませんか。あなたに会うまでは悪魔に興味などありませんでした。ですが会ってしまった以上相手をしない訳にはいきません。私も色々考えたのですよ」

 ますみは一度言葉を区切り、そしてさらに続けた。

「それとは別にこうも考えたのです。もし神様が人々を正しく導く為にあえて悪役をお創りになったとしたら……。忌み嫌われ敵意を向けられる役を請け負うのはその苦痛に耐えうる敬愛と信頼があるからではないでしょうか」

「ヤラセだってのか」

 悪魔は嘲笑した。

「神様はあなた達を滅ぼす事をもう決めていらっしゃると言われています。そうせざるを得ないからでしょう、ユダの様に。そして私はもう神様の救いを受ける事が出来ません、ですが私はあなた達にお慈悲を下さるようにお願いしてみるつもりです」

「何だよ急に、媚びた所で返さねぇぞ? 」

 ますみはゆっくりかぶりを振った。

「契約は合意の下に公平に行われました。今更とやかく言いません。あなた達悪魔は結局私達人間の鏡なのかもしれませんね。神父様達がああ言った事になったのは、私の傲慢さが刃となったのだと思います」

「まだ言ってやがる。俺からしてみればよ、悪人が減っちまった所か信心深い奴が増えたってのは痛い契約だったんだがな」

 自嘲する悪魔に少女は体を向け表情を引き締めた。

「あなたの出現で私は学ぶ事がいくつもありました。多くの人を犠牲にもしました。私は自分が思う以上に未熟で浅はかである事を思い知りました。そしてきっと私はまたあなたの力を使い、同じ過ちを繰り返すでしょう」

 そこで再び言葉を切るとますみは軽く息を整え、凛と声を張った。

「悪魔エスレフェス、最後の契約をしたいと思います」

 契約という言葉を口にした相手に悪魔は浮かべていた笑みを消し体を真っすぐ向けた。

「言え」

「私に残っている魂の所有権すべてを与える代わりに悪魔エスレフェス、つまりあなたは帰るべき世界、居るべき居場所に帰り二度と人の世に現れない事」

 悪魔はしばらく黙っていた。そして次に口を開いた時は幾らか小さな声だった。

「つまり、地獄へ引っ込んでいろって事か」

「あなたの力は絶大で、そして危険です」

 再び少しの間があった。

「お前は、自分を犠牲にこの先俺が手にするかもしれない魂に関わらせないつもりなのだな」

 ますみは首を振って悲し気に微笑んだ。

「そんな立派な事ではありません。私はただ、あなたが怖いだけです。ずっと隠していました。あなたが怖いんです」

 どういう意味で言ってんだかと悪魔は漏らした。

「俺には損になる契約に思えるな。だが、まぁお前程の魂を手に入れる機会などまずあるもんじゃないし、契約を理由に隠居生活ができる事にもなるか……。お前の魂を逃した所で最後の審判までに同等のものが見つかる可能性はほとんど無い、この契約なら下らんエセ魔術師に召喚される事も無くなるしな」

 悪魔はすっと手を動かした。
 空間に羊皮紙が現れ、ますみの前で以前見た様な不可思議な文字が浮かび上がって行く。そしてそれはなぜか母国語を読むより鮮明に意味が読み取れた。

「これで良いか」

「もちろんです」

 ますみは渡された羽ペンを持つと躊躇なくそこに署名をした。
 悪魔は最後の文字が書き終わるのを観止め、それを受取ろうと手を伸ばした。

「これでお前の魂はすべて俺の……」

「待て悪魔!! 」

 礼拝堂を震わせる高い声は激しい怒気と揺ぎ無い決意に燃え、悪魔の肌をびりびりとさせた。

 入口に立つ小さな姿、ますみも悪魔も良く知る少年のそれは年齢には不相応な覚悟を決めた男のそれだった。
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