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11.出逢い2(ゴードン視点R15?)

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「こ、ここは!?」
ガバッと起き上がる…。
(うう、頭が痛い…。)


「あら、起きたのですか…?」
目を擦りながらマーガレットも起き上がる。


「い、今何時だ。いや、フィオナはどうしただろうか…。いや…それよりも…。」


「それよりも…?」

裸のマーガレットを見る。

「わ、私はマーガレットだったか…?貴女と…その…。」


「えぇー!ゴードン様ったら、覚えてないんですかぁ?あんなに激しくマーガレットを求めてきたのにぃ~!ゴードン様、昨晩は凄かったですわ…。」

頬を両手で覆い、マーガレットが顔を背ける。

「何!!??私がマーガレットを抱いたのか!!??」


「はいっ!そう言ったじゃないですかぁ!」


「そうかっ!!そうなのか!!私がマーガレットを抱いたのかっ!はははは!!」

(全く覚えていないが、思った通り私には問題が無かった!!やはり娼婦やフィオナの魅力が足りなかっただけなのだ!)


「え、あ、はい…。どうされたのですかぁ…?」


「いや何でも無い!それよりももう1度しようじゃないか!!」


そう言い、
自分の下半身を見るが、全く元気が無い。

「昨日激し過ぎたから疲れちゃったんですよっ!ほら、早く侯爵家に帰らないと怪しまれてしまいますよっ!」


「そうだな!では、マーガレット!また会おう!!」


急いで身支度をして侯爵家へ戻る。

「お帰りなさいませ。」
フィオナが出迎えをしたが、フィオナの顔を見るとなんだか優越感が溢れ出してきた。

(ふん!!私をその気にさせる事ができない惨めな女め!!私はお前じゃなかったら出来たんだ!!)


ふふん、と鼻を鳴らし、挨拶するフィオナを無視して部屋へ戻るのだった。






ーーーーー10日後。

あれから、毎日のようにマーガレットに会いに行くようにした。
なんと言っても私が認めた女だ。

行為自体はマーガレットの体調が悪かったり、私が酔い潰れてしまったりしてできなかったが、まあ焦る事は無いだろう。

そう思っていたのだが…。

マーガレットが驚くべき事を言い出したのだ。


「ゴードン様ぁ…。近頃体調が悪いと思ったら…。私、妊娠しているようなのです…!!」

「な、なんだってっ!?」

「困り…ますよね…??ゴードン様は奥様もいますもんね…。」

涙ぐみながらそう話すマーガレットをこの上なく愛しく思い、抱き締める。

「困る事なんてあるものか!!お腹の子は私の子なのだろう!?フィオナを追い出し、マーガレットを正妻と迎えてみせる!父は病床に伏せっているし大丈夫だ!!」


「ゴードンさまぁっ!!ありがとうございます~!!」


「ふふ、私とマーガレットの子だ。きっと、聖女に違いない!!」


そう話をしてからは早かった。
すぐにフィオナを追い出した。
慰謝料を寄越せと言っていたが、口だけで請求もされなかった。

マーガレットを我が家に住まわせた。





そして、ついに待望の我が子が産まれた。




が、





髪の色も目の色も私ともマーガレットも似ても似つかなかった。
私は金髪碧眼でマーガレットもピンクがかった金色の髪に茶色の目をしているが、赤ん坊の髪は黒色の髪にグレーの目だった。


(こ、この色は…?まさか…。いやいやマーガレットに限ってそんな事はありえない…!!私が選んだ女なのだから…。赤ん坊の顔は変わると言うのだ。とりあえずマーガレットに声を…。)


「マーガレット…。」

そう声を掛けようとしたら、マーガレットは赤ん坊を見て真っ青な顔をして何か呟いた。


「うそっ…!そっち…!?」

(ん??何か言ったか??いやそれよりも体調が悪そうだ。)


「マーガレット…。疲れただろ…。」

そう言って触れようとすると、

「やめてっっっ!!あっっ違うのです…。ちょっと…。」

手を振り払われた。

「マーガレット様は出産で気が錯乱されております…。赤ん坊も綺麗にしますので、ゴードン様は一度退室された方が…。」

医者にそう促される。

「そ、そうだな…。」

そう言ってとりあえず部屋を出る。



しかし、その日からマーガレットは引きこもり、話をしようとすると奇声をあげたりする様になった。



そうこうしている間に子どもも3ヶ月を迎えていた…。













次回マーガレット視点です。


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