（完結）2度目の浮気は許しません。

27最終話.これからは2人で

ダリアが店を突撃してきてから、数ヶ月経った。

ダリアは、初めは騙された！と大騒ぎしていたらしいが腹を括ったらしく、それなりに良い働きっぷりで一部の客からの評判も良いらしい。

ゲイトは、懲りずに働きもせず、ダリアの働いている所とは別の娼館へ行き、好き放題した上でお金を払わなかったようで捕まり娼館で下働きとして奴隷と同じくこき使われているらしい。


慰謝料は、娼館から直接徴収している。どちらの娼館も商品を納品している取引先なのだ。
彼らは当分タダ働きしなければならない。


少し気の毒だが、自分で撒いた種だ。





そして私はというと、相変わらず忙しい毎日を送っている。

今日も例外無く忙しかった。

最後の客が店を出て行った後、closeの看板を掛けようと店の外へ出ると、そこにはリブライ様がいた。


「やぁ、セレーナ殿。相変わらず忙しそうだね。大繁盛じゃないか。」


「ありがとうございます。リブライ様のおかげです。」

「あ！リブって呼んでって言ったのに…。」

悪戯にリブライ様が笑う。
リブライ様を店に招き入れる。

「それを言ったら、リブライ様だって私の事、殿はいらないって言いましたのに…。」


2人で顔を見合わせて笑ってしまう。

笑い終えると、リブライ様が私の瞳を見つめる。

「リブ…様…？」

すると、リブライ様が私の手を取った。

「セレーナ。突然だけど、私と結婚して欲しい…。初めて会った時からずっと惹かれていた。私は、セレーナが悲しむ事は絶対にしない。誓うよ。」


突然の告白に、目を見開いて固まる事しかできない。
返事をしなければいけないのに、嬉しさで胸がいっぱいになり、うまく言葉が出てこない。
代わりに涙だけが溢れて止まらない。

それでも精一杯言葉を振り絞り、


「っっはいっっ…！はいっっ！！」

そう返事をすると、リブライ様の顔にパァーッと喜色が広がり、力強く抱きしめられた。



「あぁ、セレーナ。良かった…！！断られたらどうしようかと思った…！ありがとうセレーナ。大切にするよ。」


「リブ様…。嬉しいです…！」


しかし、ハッと大事な事を思い出し、リブライ様から少し身体を離す。


「し、しかし、リブ様は伯爵家の御令息であって、私は平民です…。」

浮かれていたが、2人の間には越えられない身分の差がある。


「大丈夫。伯爵家の息子と言っても私は四男だから、自由にして良いと言われている。私は生き生きと商売をしているセレーナを見て、一緒に働きたいと思ったんだ。そして、一緒にこの商会を支えたい。」


「でも…。」

（私と結婚するために貴族を辞めるだなんて良いのかしら…。）

「私がそうしたいんだ。母上もとてもセレーナを気に入ってるし、伯爵家の誰も反対する者なんていないさ。それに、伯爵家としても大商会とのパイプが出来て嬉しいだろうしね。……あ、その為にセレーナと結婚するんじゃ無いから…！」

少し焦るリブ様がこの上なく愛しい。
思わずもう一度抱き着いてしまう。


「セ、セレーナ…。何て可愛いんだ。やっと捕まえた。ずっとこうして抱きしめたかったんだ。」


「リブ様…。ありがとうございます…。」




私はこの上ない幸せを噛み締めるのだった…。










2度目の浮気は許しません。　fin.











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ここまでお付き合い頂きありがとうございました！！
お気に入り登録、感想、とっても励みになりました。
皆様のおかげで完結させる事ができた事、改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました。






そして、宣伝です。
新しく、

浮気相手と子どもができたから別れてくれ？いったい誰の子ですか？

を投稿し始めました！
短編の予定です。よければ読んで頂けると嬉しいです！
よろしくお願いします。


2人や商店の今後を、リブライ視点で1話投稿したいなと思っていますが、作者書きたい話が3つほどありまして…。
ぼちぼち投稿したいと思いますが、一旦ここで完結とさせていただきます。

ありがとうございました。