(完結)2度目の浮気は許しません。

ちゃむふー

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伯爵夫人へ挨拶をして、屋敷を後にする。

「私はセレーナ殿の馬車の後をすぐ追うから、また後ほど。」

リブライ様はそう言って、私たちの馬車から離れる。

馬車に揺られながら帰路へつく。


「なぁ、セレーナ。リブライ様は素晴らしい青年でいらっしゃるな。」

突然、義父が言い出す。

「お、お義父様?突然どうされたのですか?まぁ、そうですね…。とても母想いの素晴らしい方だと思います…。」

「リブライ様は、セレーナの事を気に入っていらっしゃる。私たちは、セレーナに幸せになって欲しいと思っている。」

真剣な目で私を見つめる義父。

「ど、どういう事ですか…?」

「セレーナ。私の親友であったセレーナの両親が亡くなる時に、セレーナを必ず幸せにするからとセレーナの両親に誓ったのだ…。本当はあの時、セレーナを養子に迎えようと思っていた。それが、セレーナを一目見たゲイトがセレーナに一目惚れしてしまい…。半ば無理やりゲイトと結婚させてしまった。私はあの時の行動を何度後悔した事か…!!」


「無理やりではありません、お義父様。両親が事故に合い、私1人になった時にお義父様お義母様に本当に救われたのです。」


「昔から素行の悪いゲイトだったが、セレーナと結婚すれば何か変わるかもしれんと思ってしまい、ゲイトの頼みを聞いてしまった…。あの時に頑なに断り、セレーナを養子にと迎えていたら、今こんなにセレーナを苦しめる事にはならなかった…。セレーナの両親にあの世で顔向けできん…。」


「お義父様…。」


「セレーナ…。あれからもまた、ゲイトは浮気をしているのだろう…?」

…義父もさすがに気付いていた…。

「………。」

嘘をつく訳にもいかず、言葉が出ない。
馬車が揺れる音だけが車内を響く。

「そうか…。やはりか…。すまない。もしかしたらと思ったが、セレーナが出て行ってしまう事が辛くて言い出せなかった…。しかし、リブライ様とセレーナが話す姿を見て、セレーナがいる場所はゲイトの隣では無いと改めてわかった。」


「お義父様…。ありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです。確かに…。ゲイト様の隣は私の居場所では無いかもしれません。他の女性に夢中ですし…。でも、私がお義父様とお義母様の娘である事はこれからも変わらないですわ。」


「セレーナ…。ありがとう。」


そして、自宅が見えてきた。
窓から後ろを覗くと、すぐ後ろにリブライ様の馬車もついてきている。


(さぁゲイトとダリアは罠にかかったかしら…。どちらにせよ、ゲイトと決着をつける時だわ…。)


馬車が止まり、外へ出る。
同じく馬車から降りたリブライ様と目が合い、頷く。

そして、家の扉を開くのだった。



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