(完結)2度目の浮気は許しません。

ちゃむふー

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10.懲りない2人(ゲイト視点)

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セレーナに浮気がバレた。
しかも偶然にも父と一緒の時に見られた…。


セレーナの事を気に入っている両親は怒り心頭だった。



浮気がバレた後の話し合いでは、離縁だなんて話も出たが、必死に謝り誓約書を書いたら許して貰えた。

("もう浮気しないでください。"
だなんて言っていたな…。俺の事が好きな癖に離縁だなんて強がりやがって…。)



ダリアとはほんの遊びのつもりだったし、セレーナと離縁なんてするつもりは一切無い。

何より美人だし、セレーナがローランド商会へ来てからローランド商会は急成長を遂げている。従業員もセレーナの事を慕っている。もし離縁などしてセレーナを追い出したら、暴動が起こるかもしれない…。俺は物凄く責められるだろう…。それは避けたい。



だが、俺が浮気するのはセレーナや皆が悪い。

後継である私を差し置いて、両親も従業員もセレーナを頼る。

(この商会の主人は俺になると言うのに…!!面白くない…!!)


セレーナは店の金をちょっと借りるだけで小言を言ってくるし、浮気一つも簡単に許さない。


それに比べて、ダリアはいつも俺を褒める。

「こんな高価なアクセサリーを買えるなんて凄い!ありがとうございます!だいすきっ!」
「ローランド商会の後継だなんてかっこいいです~!」
「こんな高い宿屋に泊まれるなんて!しあわせ~!さすがゲイト様っ!」


(やはり、女はこうでないと…!)


そう思い、ついついこんな事を口走ってしまった。


「あーあ。ダリアが俺の妻だったらなぁ…。何とかセレーナを追い出してダリアを妻に出来ないかなぁ…。」

言ってしまって、
「なーんてな!」と誤魔化そうとしたが…。ダリアは目を輝かせて、


「わ、私がローランド商会の奥様っ⁉︎」

なんて言い出した。

(しまった。本気に捉えている…。ダリアのような女にはローランド商会の女主人は務まらないのは俺でも分かる…!)



「ま、まぁ勿論すぐには無理だが!!おーいダリア。聞いているか…?」

と、濁そうとしたが全く聞いていない…。


「ゲイト様っ!それ、名案ですっ!私、ローランド商会の奥様になりたいです!!」

(む、無理に決まっているだろう…!)

心の中でそう思うが、ダリアは完全にセレーナを追い出して自分が妻になる気でいるようだ…。


(しまった…。とりあえず今日の所は帰るとしよう…。)


「ダリア、サイラス工房も忙しいだろう。今日は帰ろう。」


「はい、ゲイト様っ!私…。大商会の妻、頑張りますねっ!」


目を輝かせたまま帰っていくダリア。


(まずい…。ダリアとは潮時だろうか…。しかし簡単に別れられるだろうか…。取引先だし…難しそうだな…。あぁ!やってられない!一杯引っ掛けて帰ろう…。)


そんな事を考えながら、途中で酒屋へと寄り、酒を飲んで家へと帰っていくのだった。




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