(完結)2度目の浮気は許しません。

ちゃむふー

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1.1度目の浮気現場

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私、セレーナは、
このローランド商会に嫁いでもうすぐ2年が経つ。

初めの頃は慣れない事もあり、お義父様やお義母様に叱られ影で泣く事も多かったが、寝る間も惜しんで勉強したり、従業員の皆様に仕事を教えてもらったりして、半年程経てば何とか仕事ができるようになった。


1年も経てば、お義父様やお義母様、従業員の皆様も私の事を認めてくださり、とても可愛がってくれるようになった。


1年半も経てば、正直夫であるゲイトよりも経営に関しては詳しかった。

しかし、お義父様が不慮の事故により車椅子でしか生活できなくなってしまい、身体が強くないお義母様に代わってお義父様の身の回りの世話までも引き受ける事になった。

家の事、お店のこと、お義父様のお世話…。
それはそれは忙しい毎日だった。


そしてそんな目まぐるしい毎日を過ごしていた私だったが、

ある日私は見てしまったのだ…。


取引先へと納品へ行った帰りのことだった。

夫であるゲイトが、女と仲良さげに腕を組んで歩き、そのまま宿屋に入っていこうとする姿を…。



私はその姿を見て、一歩も動けなくなった。何度も確認したが、間違いなくゲイトだ。
自分の心臓の音が煩い。
自分の心臓の音でゲイトに私がここにいる事がバレてしまうのではないかと思うくらいだ…。


このままゲイトの所へ走っていき、そのまま問い詰めてしまおうか…!とも思ったが、思い留まった。

今問い詰めたとしてもゲイトの事だ。きっとはぐらかすだろう。しっかりと女の顔を覚え、深呼吸して踵を返し帰路につくことにした。



そしてお店に帰り、すぐに帳簿を確認した。
収支の計算が合わない事が近頃続いた。

ゲイトに確認しても、
「よくある事だ!あまり追求するな!」
と言われていた。
どうせゲイトが賭博にでも使ったのだろうと思っていたが、

(不倫のために使っていたのね…。)


(家の事も何もしない。お店の事、従業員の管理も全て私任せ。自分の父の介護すら私に押し付け、お店のお金を使って不倫までしていたのね…。)



夫に浮気されたセレーナに芽生えた感情は悲しみでは無い。怒りだった。



(覚えてなさい……!!!)




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