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7.苦悩 (ウィル目線)

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(ウィル目線)




おかしい。
たまたま起こった城下町での事故カレンとぶつかった事のせいで、カレンに腕を貸した所を、たまたま城下町に来たエリーゼが見つけるなんて、偶然にしては有り得ない。



どうせ、大方カレンが仕組んだ事なのは間違いないだろうが、
私が城下町へ行く事をカレンが知りようが無いはずだ…。


なぜ私とジルが、あの道を通ることをカレンは知っていた?


なぜ、カレンと私が腕を組んでいる所にエリーゼがやってきた??

クソっ、、!あんな姿を見られて、エリーゼを傷付けるくらいなら、ジルに同情などせずに放っておけば良かった…。
そもそも、女性のタックルくらい避けられないジルが鈍臭すぎる…!


この屋敷にカレンに情報を流している誰かがいるのか、、?

まさか…執事のセバスチャンか…?
いや、父上の時から忠誠を誓っている彼がそんな事するハズが無い…。

それなら…侍女のマリアか…?
彼女の母親は、私の乳母でもあり恨みを買うような扱いはしていないハズなんだが…。


最近入った使用人か…?
最近の使用人に、私が領地へ行った事など伝えもしていない…。



1年前、エリーゼが倒れた時に怪しい使用人はそれとなく自然に一掃したハズだ…。


クソっ!!まただ…。
エリーゼが以前倒れた時に、2度と彼女を危険な目に遭わせないと心に決めたはずなのに…。



エリーゼは、表向きには流行り病を拗らせた事になっているが、
あの時、主治医がこっそり私と父上を呼び出し、"確証は持てないが、何者かに毒を盛られた可能性がある"と伝えてきた。
"しかし流行り病にも病状が似ているから、流行り病の重たいものかもしれない。どちらか断言はできない。"とも。



毒を盛られた可能性がある以上、その後父上と屋敷の者を調査したり、少しでも怪しい使用人がいれば遠くの領地へ送ったりした。

その後何も起きていないから、やはり流行り病だったのかと父上は言っていたが…。


私はずっと、エリーゼが何者かに狙われているのでは無いかと心配で仕方無かった。


今回の事件と関係があるのか…??

調べなければいけないな…。








「…………ウィル様??」
心配そうにエリーゼが私に話しかける。




「あ、あぁ、なんだい?エリーゼ。」



「何か考え事ですか??スープ、冷めてしまいますよ??」



「そうだね、それよりさっき、カレンがやってきたって言ってなかった?」

 このタイミングでやってくるなんて、良からぬ事を言ったに違いない。



エリーゼの顔が曇る。
「いらっしゃいました。」


「何か言われた?」

エリーゼの動きが止まる。
そしてこちらを見て…
「…………旦那様は、心当たりはありませんでしょうか?」

冷たい目で私を見る。


「うーん…。良くない事だろうなぁとは思うけど…。
 エリーゼ、教えて?」


「……旦那様とカレン様が、恋仲だとおっしゃっていました。」




「……!?うん、ありえないね。他にも何か言ってい…。」

言いかけて止める。

まずい。
この屋敷には、カレンと繋がっている裏切り者がいる可能性が高い。
沢山の使用人の前で話したら、この会話もカレンに流れてしまうかもしれない。
誰にも聞かれない所で話すべきだ。


「私がカレンと恋仲?カレンは冗談が過ぎるなぁ。カレンが言うことなんて気にしないで。」



エリーゼが何かを言いかけて、口をつぐむ。

「ねぇエリーゼ?あと4日で私たちの誕生日だね?エリーゼも体調が良さそうだし、2人でデートに行こう。」



「……はい。」


悲しそうなエリーゼを見るのが辛い。
………………あいつ。
絶対に許さない。






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