旦那様の不倫相手は幼馴染

ちゃむふー

文字の大きさ
上 下
4 / 25

4.突然の来訪者2

しおりを挟む


アメジストをあしらったリボンのネックレスから目を離せずにいると、それに気付いたカレン様が満足気に、


「あら?このネックレス可愛いらしいでしょう??
エリーゼ様もお気に召して??」



「いえ、カレン様がそのようなアクセサリーを好むのは意外だなぁと思いまして。もっと、こう、、煌びやかなモノがお好きだと思っていました。」


そう、お世辞でもカレン様に似合っているとは言えないのです。
そのネックレス以外の装いは、煌びやかな、、と言いますか、派手派手しい物ばかりなので、繊細なデザインのそのネックレスは完全に埋もれてしまい、
輝きを失っています。




「まぁ、、そうね、確かにこのネックレスはちょっと華やかさが物足りないけど…。
 これは、私の大切な人に頂いたものですの。」



クスリ。と意味ありげな笑みを浮かべます。


先日見かけた時にあのお店で旦那様に買って頂いたの…?
旦那様は自分の瞳と同じアメジストのネックレスを本当にカレン様に送ったの…?
あの旦那様が…?本当に…?





(でも…!何はともあれ、
 この女の前で弱みを見せたく無い。)



ふーっと一息ついてから、


「そうですか。カレン様の大切な人ということはマジュー様ですわよね?
 あら、こんな当たり前の事を聞いてしまって申し訳ございません。でも、万が一、マジュー様で無かったら…大変ですものね?
 まさか、次期公爵夫人様が旦那様では無い方にうつつを抜かしているなんて…あってはならない事ですものね?」

一気に捲し立てました。



大人しそうな私に反撃されて、
戸惑うカレン様。

薔薇のツタには刺がある事、ご存知ではないのかしら…?


「なっ、なっ、貴女っ…!
 失礼な方ですわねっ…!!」



「失礼…?いったい、どちらが失礼でしょうか!?私は当たり前の事を申しただけですわ。
 先に私の旦那様を侮辱したのはカレン様ですわ!!」


何も言えず、
顔を真っ赤にしてぷるぷる震え、唇を噛み締めるカレン様。


「カレン様もお忙しい方と存じます。もうそろそろお帰りにならないといけないのではないのかしら?」



「くっ!!覚えておきなさい…!
 今日はこれで失礼させていただくわっ!」




(忘れたくても、こんな強烈な出来事忘れることができるものですか!)



半ば追い出すようにカレン様をお見送りして、
自室に戻り、淑女らしくはありませんが椅子にドサっと座り込んでしまいました。




「エリーゼ様。今日は大変でございましたね。お力になれず申し訳ございません。よければどうぞ。」


侍女のマリアにお茶を入れてもらい、一息つきました。

「いいえ、どうもありがとう。」

お茶を頂きながら考えを巡らせます。

(ふぅ…。
今日の夕食の時間に旦那様に相談してみましょうかしら…。でも…。また嘘をつかれてしまったら…。あぁ、お茶の良い香り…。流石に今日は疲れて眠たくなってきてしまいました…。)





私は疲れからか、いつのまにか眠りについてしまいました。








ガタッガタッ



「いけません!旦那様!今日はエリーゼ様はお疲れでお休みになられております!お控えください!」


「構わない!私はエリーゼの夫だ!
 エリーゼが!エリーゼがまた倒れてしまったら…!!」


(…?なんだか外が騒がし…!?)


私はガバッと跳ね起きました。

(夕食の時間は!?私どれくらい眠っていたの!?どうしましょう!)

私が全力でアタフタしていますと…。

部屋の扉が開いて、


「エリーゼ…??」



いつも冷静で穏やかな旦那様が、焦ったお顔で私に近づいて、私の頬にそっと触れられました。







しおりを挟む
感想 175

あなたにおすすめの小説

【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす

まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。  彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。  しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。  彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。  他掌編七作品収録。 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します 「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」  某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。 【収録作品】 ①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」 ②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」 ③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」 ④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」 ⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」 ⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」 ⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」 ⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね

江崎美彩
恋愛
 王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。  幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。 「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」  ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう…… 〜登場人物〜 ミンディ・ハーミング 元気が取り柄の伯爵令嬢。 幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。 ブライアン・ケイリー ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。 天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。 ベリンダ・ケイリー ブライアンの年子の妹。 ミンディとブライアンの良き理解者。 王太子殿下 婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。 『小説家になろう』にも投稿しています

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

【完結】愛くるしい彼女。

たまこ
恋愛
侯爵令嬢のキャロラインは、所謂悪役令嬢のような容姿と性格で、人から敬遠されてばかり。唯一心を許していた幼馴染のロビンとの婚約話が持ち上がり、大喜びしたのも束の間「この話は無かったことに。」とバッサリ断られてしまう。失意の中、第二王子にアプローチを受けるが、何故かいつもロビンが現れて•••。 2023.3.15 HOTランキング35位/24hランキング63位 ありがとうございました!

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

貴方もヒロインのところに行くのね? [完]

風龍佳乃
恋愛
元気で活発だったマデリーンは アカデミーに入学すると生活が一変し てしまった 友人となったサブリナはマデリーンと 仲良くなった男性を次々と奪っていき そしてマデリーンに愛を告白した バーレンまでもがサブリナと一緒に居た マデリーンは過去に決別して 隣国へと旅立ち新しい生活を送る。 そして帰国したマデリーンは 目を引く美しい蝶になっていた

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】忘れてください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。 貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。 夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。 貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。 もういいの。 私は貴方を解放する覚悟を決めた。 貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。 私の事は忘れてください。 ※6月26日初回完結  7月12日2回目完結しました。 お読みいただきありがとうございます。

処理中です...