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3.突然の来訪者

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あの日から、色々と考え込んでしまい
ボーッとする日々を過ごしてしまっています。


結局、旦那様への贈り物も用意できていません。



旦那様とは、毎日夕食はご一緒していますが、当たり障りの無い会話をしているだけです。



ある日の事、


侍女のマリアに、
「エリーゼ様、お客様がいらっしゃいました。旦那様がいらっしゃらないので、エリーゼ様にご対応お願いしてもよろしいでしょうか??」

と言われ、急いで支度をし客間に向かいました。




そこにいたのは、


「カレン様、、。」


金色の瞳に、キラキラウェーブの金髪を大胆に下ろされ、真っ赤で煌びやかなドレスに身を包み、装飾品の全てがとてもお高そうです。

対する私は、
平凡なブラウンの瞳と、ブラウンの髪。太ってはいないけれども、痩せてもいない、胸も大きくはないけど、小さくもないという、平々凡々な見た目です。
ドレスも、若草色の動きやすいシンプルなドレスです。
装飾品も最低限しかつけていません。


カレン様の華やかさの前で、私はさぞかしくすんで見えるでしょう…。
言うなれば、カレン様が薔薇で私がその周りのツタと言ったところでしょうか…。



カレン様は、私を一目見ると、
「ふふっ。」
とお笑いになりました。

その態度に少し、苛立ちを覚えてしまいました。

カレン様は旦那様の大切なご友人の奥様であり、大切な幼馴染み。
これくらいの事で腹を立ててはいけませんっ…。

自分を戒め、

「ご無沙汰しております。カレン様。
 今日はわざわざ来て頂いたのですが…。申し訳ありません。旦那様は外出中でございまして…。
 どのようなご用件でいらっしゃったのでしょうか??私で良ければ承ります。」




「大丈夫ですわ。ウィルが外出中なのは知っていますもの。
 今日はエリーゼ様と仲良くさせていただきたいと思ってこちらに寄らせていただきましたの。」


旦那様が外出中って知ってるってどういうこと…?


「ふふっ。それにしてもお久しぶりですわね、エリーゼ様。貴女方の結婚式以来でしょうか?
 私がマジューと結婚してしまって、ウィルがヤケになって貴女と結婚したのが1年前程でしたっけ??」



旦那様は幼少期、
カレン様と、カレン様の旦那様であるマジュー様の3人でよく一緒に過ごされたそうです。
確かに、カレン様とマジュー様が結婚された後程なくして、私と旦那様が結婚しました。



「……。そうですわね…。もうすぐ1年になります。」




「そう、ならそろそろお子もできてよろしい頃ではなくって??」




「それは…。子は授かりものですから。」

思わず目を伏せてしまう。


「ふふっ、そういえば貴女達、初夜から床を共にしていないと聞きましたわ!私ったら忘れてしまっていました!」



⁉︎
なんで、、⁉︎
なんでそんな事、カレン様がご存知なの⁉︎
まさか旦那様が…?



「ふふっふふふ、勿体無いわ。
 ウィルったらあんなに夜も素晴らしいのに、、って、あら失礼!!奥様の前でこんな事を言ってしまって!
 お忘れになって?」



嘘だ。こんな挑発に乗ってはいけない。
カレン様の言うことなんて信じてはいけない。

そう思うのに、何かが私を蝕んでいく。



わざとらしく髪をかきあげるカレン様のその胸元に私は見つけてしまった。





あの日、
ショーウィンドウで見た
旦那様の瞳の色と同じアメジストをあしらったリボンのネックレスを…。




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