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34.断罪2

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「そ、そんな…坊ちゃまは全て知って…」

父を騙し切れていたと信じ込んでいた義母はかなり狼狽えている…


「唯一救いなのは、妻はお前のような女に殺されなかった事だ…。妻が死んだ理由は…怪我なんかでは無い。子どもを妊娠し、お腹の中で子どもが育たずそのまま…母子共に…。私達を苦しめて来た両親が亡くなり、これから妻と子ども達を大切にしようと心に決めた所で妻とお腹の子どもを失くしてしまい私は、全てから逃げてしまったんだ…」



父がそのような状態だったなんて…
幼い私は知らなかった…


「すまなかった…フレミア。臆病な私はお前の事を祖父母から守らず、更にお前から最愛の母まで奪ってしまい、私をさぞ怨んだだろう…お前と向き合う事からも逃げてしまったんだ…」


「怨んでなど…おりませんでした…。私こそ、お父様の苦しみを理解しようとせず申し訳ございませんでした…」


「ありがとう、フレミア。そう言って貰えただけで救われた。殿下…お手を煩わせてしまい申し訳ございまさんでした…。どうか厳罰を…」


皇子が頷く。

「では、バラレンド元侯爵は、侯爵という地位でありながら統治や家族の行動の管理を怠った事により……爵位と領地没収だ。平民として生きていくが良い」


父が床に手をつき頭を下げる。


「さぁ、この3人を連れていけ!」


皇子がそう言うと、衛兵達に2人は引きずられるようにして連れて行かれる。


「え?ちょっと待って、私お父様の子どもじゃないの?どう言う事?誰か説明してよ!え?ラウルさまぁぁ」

「そんな…坊ちゃまは全部知って…いやあの女は私が消したのでは無かった…?」


そして最後に父がラウル様の方に向き、再び頭を下げる。


「ラウル様…いえアイロワニー侯爵様。どうかどうか娘をよろしくお願いします…」

「勿論です…お義父様…」

ラウル様が父をそう呼ぶと父は涙を流し、部屋を出て行く。

そしてふと立ち止まり、

「オディロン…オディロンにも…よろしくお伝え願いたい…」


父はそう呟き、扉が閉まる。



父は…ジュリーの事もオディロンの事も…全て気が付いていたのだ…。
何て悲しい義兄弟なのだろうか。


父とは、親子としてやり直す事はできなかったが、全てから解放された父に人生をもう一度やり直して欲しいと心から願うのだった…。







ーーーーーーーー




いよいよアイロワニー伯爵領を出る日になり、ラウル様の両親の元へ挨拶へ行った。



ラウル様のご両親も、兄夫婦もラウル様の栄転を心から祝福してくれた。





そして…久しぶりにバラレンド元侯爵家の屋敷へ戻る。

少しドキドキしながら屋敷の扉を開くと、オディロンが一人で私達を出迎えてくれた。


「お帰りなさいませ、フレミア様」

「ただいま…」







ここから、また始めよう。
不安が無いと言えば嘘になる。
でも次は一人じゃ無い。ラウル様が側に居るから大丈夫。

















次回、最終話です。
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