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閑話2.ローゼのその後4
しおりを挟む----17年前のサハラーシャ家
(クリオ視点)
「私は、ティアラお嬢様の事を愛しています。どうか、生きて、私とここから逃げましょう。」
「クリオ…本当なの…?あぁクリオ、私、産まれてきて1番今が幸せよ。私も、私も愛しているわ。貴方がいるなら、私も生きていけるわ。」
私達はティアラの父親が隣国へ2週間視察へ行く半年後に、2人で逃げる事を決めた。それまでに何度も隠れて会って、計画を練った。
子どもができないかもしれないと言っていたティアラだったが、何と子どもを授かった。
心の底から嬉しかった。
「クリオ…私幸せよ。貴方とこの子と3人で私、やり直したい。幸せになりたい。この家を出る前に、お兄様と奥様にも謝りたいわ、、。」
「そうですね…。きっと分かってくださいます。」
「ねぇクリオ?貴方と初めて出逢った時のこと覚えてる?貴方が大切に育てていた薔薇の花壇を踏み付けた私を叱り付けたわよね。」
「ふふ、そうでしたね。」
「私、きっとあの時から貴方が好きだったと思うの。ねぇ、名前なんだけど、女の子だったらローゼなんてどう?2人が出逢ったローズガーデンから…。」
「良い名前ですね。ローゼ~早く会いたいよ。」
お腹をさすりながら話しかけると、
「まぁ!貴女のお父様は気が早いわね!男の子だったらどうするのよ~ふふっ!」
幸せだった。本当に幸せだった。
しかし、逃げる直前にバレてしまったのだ。
妊娠と、、計画が。
いつものようにティアラを殴ろうとした父親から、咄嗟にお腹を庇い、怪しく思った父親が侍女にティアラの月のものがキチンと来ているか確認してしまったのだ。
私は、ティアラの父親に
「娘とはすぐ別れろ。そして出て行け。さもなければ娘には何としてでも腹の子を諦めさせる。どんな手を使ってでもな。今すぐ!今すぐ出て行けー!!」
と追い出されてしまった。
アイツは、本当に子どもを諦めさせるだろう。
逆らえば、きっとティアラの命も危ない、、。
そう思って、出ていかざる得なかった。
チャンスはきっとある。何とかティアラを!子どもを!あの屋敷から連れ出してみせる!!
---------------------
「そう思っていたのにっっ、、、!
風の噂で、ティアラは産後間もなく死んだと聞いたんだ…。」
クリオさんは、爪が食い込む程手を握り締める。
「クリオ、、さん。」
「私があの時すぐ連れ出していたら、、!もっと力があって守れていたら!!ティアラを救えたハズなのに、、。私は、何度も何度もティアラの後を追おうと思った。
でも、、追えなかった。」
涙を流しながら。
クリオさんが私の目を見る。
「生きて、、生きていればいつか…!!
ティアラが、命懸けで産んだ大切な我が子に会えるかもしれないと…!!
妻も娘も救えなかった私が願ってはいけないことだとわかっていながら、そんな事を願ってしまったのだ…!」
(私……こんなにも愛されていたんだ…こんなにっ…こんなにっ!)
「お父様っっっ!!」
私は思わずお父様に抱きつき、涙を流す。
一瞬、私を抱きしめるかどうか悩んだその両手だが、そっと抱きしめてくれた。
「ローゼ…。ありがとう。
遅く、遅くなってしまったけれど、親子としてやり直そう…。君を幸せにしてみせる。ティアラの分も…!」
「はい…、はい!!」
ー見ていますか?お母様。命懸けで私を産んでくださって、、ありがとうございました…。
お母様の分も、私達頑張って生きていきます、、!
どうか、いついつまでも見守っていてください…。
-----------
現在のサハラーシャ家にて...
サハラーシャ公爵と公爵夫人が遠くの空を見ながら話している。
「あなた。ローゼは無事、本当の父親に会えたでしょうか…。」
「あぁ、きっと会えただろう。随分と前から、ローゼの父親の居場所を突き止めてはいたが、、。ローゼがショックを受けてしまうかもしれないと中々言い出せなかった私の罪は深いだろうな…。クリオには、本当に悪い事をした…。
いつか許されるなら、クリオとローゼと共に、ティアラ姉様の墓前に謝りにいこう…。」
「えぇ、そうしましょう。私も、ご一緒させてください。」
もうすぐ来る春には、ティアラの墓前に綺麗な色とりどりの花が添えられることだろう。
ローゼのその後 -fin.
~~~~~
一旦、「婚約破棄をしてドヤ顔ですが…隣の令嬢、私の親友ですよ。」を、完結とさせて頂きます。
エルセや隣国の王子とのやり取りの小話も、近いうち投稿したいと思います。その時は、ぜひご覧ください。
ありがとうございました!
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