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9.ある昼下がり、お茶会にて2

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「隣国の王女と王子が留学に来てらしたでしょう?その時、グリアンド様が王女様にご迷惑をおかけしたではないですか。」




「あの時は驚きましたわ!隣国と我が国の友好関係が崩れてしまう程の大事件でしたね。
本当にエルセ様がいらっしゃって良かったですわ。」



「グリアンド様がご迷惑をおかけした時に、王女様と王子様に誠心誠意謝り、お詫びにと王女様に似合うパールのネックレスをお作りしましたの。

王女様はとっても喜んでくださって、私も職人魂に火がついてしまって…。
王女様達が帰国された後も、アクセサリーの新作をお送りさせていただいたり、文通のやりとりをしていましたの。
その中で、

"グリアンド様と婚約解消しました♪"
とお知らせすると、すぐにお返事が来て王子から、
"それならばぜひ私と婚約してほしい。"
とお手紙に書いてあったのです。」




「まぁ!!なんて素敵なのでしょう!!

どのようにお返事されたのですか??」



「お父様にも正式に婚約の申し込みがあったので、こちらからも正式に了承のお返事をしたところです。」




「まぁ!まぁ!おめでとうございますっ!
隣国の王子様は聡明で武に秀でているとお聞きしました!
何よりもとても、凛々しいお顔をしていらっしゃいますしね!
エルセ様にお似合いですわっ!!」


アンジェリア様は目をキラキラさせていらっしゃいます。
なんだか照れ臭いですわ…。



「アンジェ、そんなに他の殿方を褒めるのを聞くと、何だか嫉妬してしまうな。」


「セルビア様っ!!」
「お兄様。」


「私にとってはセルビア様が1番ですわっ。」
「ふふっ、ごめんね、アンジェ。わかっているよ。」

……お熱い事で。
私、退散した方がよろしいでしょうか…。


「エルセ、君の婚約者が数日後に挨拶に来ると便りがあったよ。
彼ならエルセを幸せにしてくれるだろうね。」



「ええ。私、とても楽しみにしております!
王女様が私のピンクパールのアクセサリーを好んでつけてくださってるお陰で、隣国では飛ぶようにピンクパールが売れてますの!
隣国で、1番流行りのブランドブティックを立ち上げようと思っています!

あぁ、私の職人魂と商売人魂に、火がつきますわ!!」







「…さすがエルセ。」
「…さすがエルセ様ですわ。」













婚約破棄されましたが、
私、今とっても幸せですっ!!













……………
これにて本編完結です。
読んで頂きありがとうございました!

後日、

グリアンドとローゼのその後
隣国の王子目線
アンジェリアとセルビアの新婚生活


の小話を投稿できればなぁと考えています。
よければお付き合いください。


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